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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第十章 エステリア王国騒動編(仮)
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第二十話 フリーデン公爵対ヤマト②

闘技場で対峙してから、三十分が経過した。

僕は攻撃が通らないと理解しつつ、剣を振り続けた。


『ガインッ!!!』


『ピンッ!!!』


『ガインッ!!!』


『ピンッ!!!』


『ガインッ!!!』


『ピンッ!!!』


「はっ、速い! だが所詮無駄な足掻き。攻撃をかわさずとも、私にダメージは一切無い!」


フリーデン公爵はアーティファクトを身に付け《身体強化》を行ったが、ステータス差と称号の恩恵を受けた僕の動きについてこれないでいた。

剣を交わす事なく、その身に攻撃を受けた。



「《風刃》x5!」


『ヒュン、ヒュン、ヒュン、ヒュン、ヒュン!』


『スッ、スッ、スッ、スッ、スッ!』


「《真空斬》!」


『ブオンッ!』


『スッ!』


「《旋風斬》!」


『ブオンッ!』


『スッ!』


それでも機会を伺い、魔法と斬撃を織り交ぜ攻撃を仕掛けてきた。

だがそれも、《危険感知》スキルと圧倒的速さで僕はかわした。



「くっ、何故私の攻撃は当たらんのだ?!」


「実力の差だろ」


「ぐぬぬっ、生意気な口を利きおって。貴様の攻撃も効かぬではないかっ!」


「お前、俺が何の考えも無しに無駄に攻撃を続けてると思ってるのか?」


「違うというのか?」


「お前の《魔力貯蔵》アーティファクト、魔力量が半分になってるぞ。このまま攻撃を受ければ、他のアーティファクトも魔力切れで効力を失うからな」


「そんな馬鹿なっ! このアーティファクトは、百万人分もの魔力を蓄えているのだぞっ!」


「ふっ、俺の剣は《オリハルコン》でできていてな、その威力は剣技と合わさり相当なものだ。お前はその攻撃を何回食らった?」


「そっ、その剣が、あの伝説のオリハルコンだと・・・・・」


フリーデン公爵は『オリハルコン』と聞いて、驚きで言葉を失った。



「さあ、あと半分だ。さっさと終わらせ、お宝を頂く」


「ぐくっ、このままやられてたまるか。魔力消費は激しいが奥の手を出してやる。《魔剣バルムンク》よっ、今こそ真の力を示せっ!!」


そう唱えると、《魔剣バルムンク》は目映い紫色の光を放った。

その光は、フリーデン公爵の身体をも覆った。



「うおおおおおおおおうっ!!」


『シュンッ!』


『ズバッ!』


雄叫びを上げた次の瞬間、姿を消し一瞬で僕の前に現れた。

その速さは、今までの比ではなかった。


僕は咄嗟に、オリハルコンの剣を構えた。


『ブオンッ!!!』


『ガギーーーン!!!』


『ズザザザザザザッ!!!』


僕は振り下ろされた剣の威力に押され、足を引き摺り壁際まで後退させられた。



「更に身体を強化をしたのか?」


「その通り。この《魔剣バルムンク》は持ち主の身体能力・打撃力・防御力・魔法とあらゆるものの能力を引き上げる。これで貴様に引けは取らぬっ!」


『ブオンッ!!!』


『ビュンッ!!!』


『ザクザクザクザクッ!!!』


フリーデン公爵が袈裟斬りに剣を振るうと、刀身から巨大な《風刃》が放たれた。

それは石畳を破壊しながら、此方に迫って来た。


『ブオンッ!』


『ガギーーーン!!!』


その威力は今まで放たれた《風刃》と、比べものにならなかった。

しかし剣の一振りで、それを消滅させてしまった。



「《風の鞭》よ、奴を仕留めよっ!」


『ブオンッ!』


『『『『『ビュンッ!』』』』』


フリーデン公爵が剣を振るうと、今度は五本の《風属性》の鞭が剣から伸び此方を襲った。


『ササッ!』


『『『『『ギュンッ!』』』』』


それらを避けると、僕の動きに合わせ向きを変えた。

厄介な、追尾型の魔法である。



『ビュン、ビュンッ!!』


『ササッ!』


『ズカ、ズカッ!!』


『ビュンッ!!』


『スッ!』


『ズカッ!!』


『ヒュオン、ヒュオンッ!』


『サササッ!』


『ゴシャ、ゴシャッ!!』


五本の鞭は自由自在に動き、突いて凪ぎ払った。

僕は避けたが、立っていた場所の床や壁は粉々に破壊されてしまった。



「これも避けるか。では、これならどうだっ!」


そう叫ぶと風の鞭は分裂し、二十本に増えた。


「《魔法楯》x20」


僕は咄嗟に、《魔法楯》を二十枚周囲に並べた。


『ビュンッ、ビュンッ、ビュンッ、ビュンッ、ビュンッ、ビュンッ・・・・・・・・・・・・・・!!』


『ズカッ、ズカッ、ズカッ、ズカッ、ズカッ、ズカッ・・・・・・・・・・・・・・!!』


「ぬはははっ、思い知ったか。貴様の《防御属性魔法》は無意味だっ!」


通常強度の《魔法楯》では、簡単に貫かれてしまった。

想像以上の破壊力である。


「《転移》」


『フッ!』


僕は一旦、間合いをとる事にした。



「此方も、少し本気を出す必要があるな」


「本気だと?!」


「ああ、少しだけな。行くぞ、《超級竜巻》!」


『ビュオオオオオーーーーーーーーーーッ!!!』


そう唱えると、僕を中心に風が巻き起こった。

しかも超級だけに、超高速超高密度で回転し天を貫いた。


《超級竜巻》はフリーデン公爵の《風の鞭》を飲み込み、掻き消した。

そして石畳を捲り上げ破壊し、周囲へ撒き散らした。


『ドゴーン、ゴシャーン、ズドーン!!!』


「「「「「「「「「「うわーーー、逃げろーーー!!」」」」」」」」」」


観戦していた騎士や兵士達は、堪らず闘技場を逃げ出していった。



「まだだ。まだ私はやれるっ!」


『ダタタッ!』


フリーデン公爵は剣を構え、《超級竜巻》の中へ飛び込んできた。

僕はそれを、剣を構え迎え撃った。

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