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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第十章 エステリア王国騒動編(仮)
366/401

第一話 アレンさんとの交渉

お待たせしました。


そしてお詫び致します。

筆がどうしても進まず、今後不定期投稿になります。


取り敢えず、明日は投稿する予定です。

エシャット村を家族と旅立ってから、既に三年が過ぎた。

しかもその旅は、今も続いている。


家族とのんびり過ごす筈が《サーシアの願い》を叶える為、各地で《慈善活動》を行いその傍ら多くの悪人を懲らしめた。

使った資産は、現金だけで《十五億マネー》を越えた。


そんな忙しい中、スーパーや自分の店の商品の補充は行った。

小型の《亜空間ゲート》を自宅と店と馬車に設置し、いつでも帰れる様にしたのだ。


そのせいで、移動中馬車に一人なんて事は良くある。


ミーリア達はその間、仕事や勉強をしているので文句を言うつもりは無い。

特にサーシアは、給料の大半を孤児の支援に使った。


だがしかし、僕はこの旅をそろそろ終わりにしたいと思っている。



「そんな訳でアレンさん。貴族の方達に、孤児やスラムの支援をするよう頼んでください。御礼はします」


旅に終止符を打つ為、僕は《アレン・ライト伯爵》のところへ押し掛けた。


アレンさんは魔物の発生を押さえられず《領地開拓》を断念し、今はラングレイ伯爵領の自宅に引きこもっていた。

エミリと子供達は学園が夏休みで、エミリの実家に行っているそうだ。


「何が『そんな訳』だ。面倒臭い」


「それなら貴族の方達に、《悪事矯正リング》をプレゼントするしかないですね。そうすればきっと、良い世の中になる筈です」


「おいおい、恐ろしい事言うなよ。ニコルが言うと冗談に聞こえねーぞ!」


「僕はもう疲れました。三年近く続けて、自分の力に限界を感じたんです」


「じゃー、止めれば良いだろう」


「それができないから、アレンさんを頼ってるんです。可愛い娘が不幸な孤児を目の当たりにして、この活動を始めたんですよ。父親の僕がそれを止められますか?」


「そんなの知んねーよ。貴族連中に言う事聞かせたきゃ、ニコルが《王》になったらいいだろ!」


「それって、《クーデター》を起こせって事ですか? そんな冗談、止めてください!」


「確かに今のは冗談だ。だがお前が口走った事と、大して変わらんぞ!」


「・・・そうですね。すみません」


僕は疲れて、とんでもない思考をする様になっていた。

『《王》になったらいいだろ!』というアレンさんの言葉を拒否できた事は、幸いである。



「俺じゃなく、エドワードの爺さんに頼んだ方が手っ取り早いんじゃないか?」


「そうですが、娘に『バロン殿下を頼るのは駄目だ』と言った手前、王家に近い方に頼りたくないんです」


「俺だったら、良いのかよっ!」


「《頼れる人》がアレンさんしか思い付かなかったんです。本当です」


「ふっ。ニコルにそう言われると、照れるぜ」


そう言いながら、アレンさんは人差し指で鼻の頭を掻いた。



「アレンさんなら、良い領主になりそうなのになー」


「俺の領地は魔物だらけだ。人が住むにはリスクが多過ぎる」


「ああそれなら、何とかなりますよ」


「何っ、本当か?!」


「はい。無許可ですが、《魔素地帯》に幾つか村を作りました。そこではまだ、魔物に襲われた人はいませんね」


「どんな手を使った?」


「それはですね」


と言って、説明を始めた。



「領地全部とは言わねー。街一つ分くらい何とかなんねーか? 子供達にちゃんとした領地を残してやりてーんだ」


「そうですねー。でしたらギブアンドテイクです。さっきの提案、飲んでいただけませんか?」


「貴族を説得しろってやつか?」


「はい」


「勘弁してくれ。貴族連中は俺でも一筋縄じゃいかねー。他の条件にしてくれ」


「伯爵で、国の英雄アレンさんでも駄目ですかー」


「すまんな」


「ではアレンさんの領地で、孤児やスラムの人達を受け入れてください。それと《魔素地帯》で不法占拠している村の人達も」


「俺や俺の子供達に、お前がやっている《慈善活動》を押し付ける気か?!」


「それだけの価値は、あると思いますよ」


「くそっ、足元見やがって!」


「どうします?」


「孤児院や老人ホームを作って、若い奴等は仕事の世話をすれば良いんだな?」


「ですね」


「良し、分かった。やってやろうじゃねーか!」


「契約成立です」


「ああ。契約書は要るか?」


「要りません。破ったら、土地を元に戻すだけです」


「こえーな」


「そうですか?」


「二コルに逆らえねー」


「まー僕は、アレンさんが約束を破る様な人じゃないと信じてますよ」


「ありがとよ。それじゃ早速行こうか。場所は知ってるな?」


「ええ。知ってますが、今からですか?」


「《転移魔法》が使えるんだ。直ぐだろ」


「そうですね。それじゃ行きましょう。《転移》」


『『フッ!』』


この後現地を回りながら、魔素の除去範囲や街を囲う壁についての打ち合わせを行った。

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