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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第九章 二コルと家族編
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第五十八話 家族揃って魔物狩り②

ゾンビ騒ぎ以降サーシアとレコルは順調に魔物を狩り、レベルを徐々に上げた。


「パパ。あそこに何か沢山いるよ!」


「あれは、《ヒツージ》の群れだな」


「強いの?」


「狩った事はないけど、ボア程度じゃないか」


「そうかー、ボア程度かー。もっと強い魔物はいないかなー?」


「ニコルちゃん。ヒツージの毛って、たしか《魔物ウール》の原料よね?!」


「そうだな。羊のウールに比べ高級品だから、少ししか仕入れた事はなかったな」


「こんなに沢山いるなんて、奇跡よ! 狩りましょう!」


ミーリアが、興奮気味に訴えた。



「捕まえて毛だけ刈れば、来年も手に入るかもよ。まあその間、他の人に狩られなければだけど」


「牧場みたいにするのね。良い案だわ!」


「と言う事で、サーシア、レコル、頑張れ。毛はパパが刈ってやる!」


「「えー! 捕まえるだけなのー?!」」


「殺すより、傷付けず捕まえる方が技術がいる。《盗賊》なんかを捕まえる時にも応用が効く、筈だ」


生け捕りだと、ステータス上の《経験値》の入りが極端に少ない。

二人には悪いが、これは咄嗟に思い付いた詭弁である。



「レコル。パパもあー言ってるし、やるしかないわ」


「盗賊を捕まえるのに役に立つなら、やってみるかー」


二人はまんまと、僕の詭弁に乗せられた。


「じゃー、行ってくるね!」


「サーシア、毛を燃やすなよ。ママが泣いちゃうぞ!」


「分かってる!」


二人はヒツージの群れ中に、飛び込んで行った。



「パパー、捕まえたよー!」


「こいつ等何もしない分には大人しいけど、捕まえようとすると集団で暴れるから大変だよー!」


「メエーーーッ!」


レコルがロープで、ヒツージを引っ張って来た。

何度も失敗し、漸く捕まえる事ができたのだ。


「良くやった。でも暴れられたら、毛を刈りにくいな。《睡眠》」


「メヘェ・・・・・!」


二人が苦労して捕まえたヒツージを、魔法で眠らせた。



「あっ、パパずるーい!」


「そんな簡単な方法があるなら、パパが捕まえてよー!」


「おいおい、忘れたのか。これは二人が成長する為にやってるんだぞ」


「うん。まー、そうだけど・・・」


「レコル。大変だけど、頑張ろうよ!」


「分かったよ」


「よーし。二人がもう一頭連れてくるのと、パパが毛を刈るのとどっちが早いか競争だ!」


二人は口車に乗せられ、再びヒツージを捕まえに行った。

僕は二人を見送ると、バリカンを取り出し寝ているヒツージの毛を刈った。



「このお肉、美味しい。でも、初めて食べた気がする!」


「良く気付いたな。これはヒツージの肉だ」


昼食は、《ジンギスカン》にしてみた。


「「えー、ヒツージの肉なのー?!」」


「二人が捕まえたのを、試しに一頭捌いたんだ」


「こんなに美味しいなら、もっと確保しようよー!」


「そうだな。それじゃ五頭分だけ持って帰ろうか?」


「「やったー!」」


「でも生け捕りの条件は、変わらないからな」


「えー!」


「そうなのー?」


二人にとって、ヒツージを捕まえるのは面倒な様だ。



充分なヒツージの毛を手に入れ、翌日の午後狩り場を移動した。


「「「「「「「「「「ワオォォォォォッ!」」」」」」」」」」


すると、狼の魔物ウルフのテリトリーに入った。


「パパ。この鳴き声って、狼?」


「ああ、ウルフだ。ヒツージよりずっと手強い。奴等は狡賢く群れで連携してくる。囲まれない様に気を付けろよ!」


「「うん!」」


ウルフの鳴き声がする方へ、二人は先行して進んだ。



「ポム。今回は二人だけでは心配だ。頼むぞ!」


「モキュッ!」


「ニャー!」


ポムに援護を頼むと、シロンも返事をした。


「シロンも行くのか?」


「ニャー!」


「そうか、頼む」


ポムとシロンは、二人の後を付いて行った。



「いっちゃったよー。シロン、だいじょうぶなのー?」


「心配いらないよ。シロンは凄く強い。パパには分かるんだ」


「そうなのー?」


「ああ」


「ニコルちゃんがそこまで信用するなんて、シロンって本当に生まれ変わりなの?」


ミーリアが、だんだん本気でそう思う様になった。



「「「「「「「「「「グルルルルルルルッ!」」」」」」」」」」


ウルフの気配を辿って進むと、サーシアとレコルの視界に二十匹以上のウルフが飛び込んだ。


「多いわね」


「でも、ヒツージより少ないよ」


「そうね。レコル、やれそう?」


「頑張ってみるよ。おねーちゃん、初撃は任せた!」


「うん!」


二人はその場で、ウルフが近付くのを待った。



ウルフは警戒しながら、ジリジリと間合いを詰めた。


「*****、*******、*****、*******、*******、風刃連射」


『シュババババッ・・・・・・・・・・!』


「「「「「キャイン!」」」」」


サーシアによって無数に放たれた風の刃が、複数のウルフに命中し傷を負わせた。

ウルフは散開し、それぞれの間合いをとった。


「*****、*******、*****、*******、*******、風刃連射」


『シュババババッ・・・・・・・・・・!』


「キャイン!」


サーシアは続けて魔法を放ったが、今度は警戒され殆どがかわされた。


「おねーちゃん。僕、行くよっ!」


『ダッダッダッ・・・・・!』


レコルはバラバラになったウルフに標的を定め、突進して行った。



「だりゃー!」


『ザシュッ!』


「キャイン!」


「やー!」


『ザシュッ!』


「キャイン!」


レコルは立て続けに、二頭のウルフを仕留めた。



「「「「「グルルルルルルルッ!」」」」」


数頭のウルフがレコルを標的に定め、唸りを上げた。

そして一定の距離を保ちながら、徐々に包囲していった。


「レコル、動きを止めちゃ駄目っ!」


「分かってる!」


『ダッダッダッ・・・・・!』


レコルは素早く動き、包囲される前に移動した。


「「「「「ガウガウッ!」」」」」


「どうした? 掛かって来いよ!」


レコルはウルフを挑発し、隙ができるのを窺った。

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