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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第二章 王都行商編
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第二十四話 ダンジョンの街の孤児院③

僕は王都の借家へ帰り、どうしたものかと考えた。


「十年前の僕の村の方が、まだましだ」


「お金は渡したけど、いずれ無くなるよな。稼ぐ手立てがあったらいいんだけど、子供ばっかりだしなー」


「建物や服や畑なんかを良くしてやりたいけど、派手にやって変な奴に狙われたら嫌だしなー」


僕は彼らに何をしてあげられるか考え、できる限りの物をいろいろと用意した。

それらを、魔法袋に入れて明日渡そうと思う。

魔法袋は《時間経過が通常》だが、魔道具屋で売っている物より高性能だ。



翌日の朝、足りない物を買い足して、昼前に孤児院に向かった。


「あっ、ニコルにーちゃん。じーちゃんすっかりげんきになったよ」


「そうか、それは良かった。コニー、お爺さんに合わせてくれないか?」


「うん、いいよ」


僕の姿を見かけた子供達が、たくさん集まってきた。何かを期待している目だ。


「君らは、朝ご飯を食べたのか?」


「うん、にーちゃんがくれたやつ。クロパンにハムをはさんでたべたよ」


この子らは昔の僕の村と同じで、元々一日三食食べれてないだろう。

昼まで少し時間はあったが、おやつをあげる事にした。


「そうか、もうそろそろお腹空いたろ。おやつをやるよ。みんなを集めてくれないか?」


「わかった。おーい、みんな。ニコルにーちゃんがおやつをくれるってー。ほしーやつはあつまれー」


「「「「「わーい」」」」」


外にいる子供が、わらわらと集まってきた。

建物の中にもまだいるはずなので、彼らを引き連れて中に入る事にした。


「おっ、ニコル来たな」


「はい、こんにちわ。子供達におやつをあげたいんですけど、集まって貰っていいですか?」


「ああ、いいとも。ところで、わしの分もあるのか?」


「ちゃんと、ありますよ。心配しないでください」


リンゼさんは遠慮がちに言ったが、実は食いしん坊なのだろうか?


その後子供達を集めて、串に刺さった《トルネードポテト》を配った。

村にいた頃、大量に作ったやつだ。


いつもは塩コショウ味だけど、今日はトマトケチャップだ。前世で子供に人気があったからね。

こんな事もあるかもしれないと思って、王都で手に入れたトマトで昨日作ったんだ。


「これ、おいもなのー。おいしー」


「おいちーね」


「うおー、うめー」


概ね好評だ。よろこんでもらえて僕も嬉しい。


「あの、ありがとう。とても美味しかったです」


「ココか、どういたしまして」


僕は『ニコッ』として、答える。


ココは心なしか、顔が赤くなった。


「おねえちゃん、かおがあかいよ。だいじょうぶ?」と、言いながらコニーは、ココの顔を覗き込む。


「だ、大丈夫。何でも無いわよ」と、ココはうつむきながらコニーの顔の前に両手を出して言った。


僕はそんなココをそっとして、リンゼさんに提案する。


「僕は今から、みなさんの為にいろいろやりますが、口外しないでもらえますか?」


「えっ?」


リンゼさんは、思わず聞き返してしてきた。

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