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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第九章 二コルと家族編
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第二十二話 バロン、サーシアとの再会④

シロンに夢中になり、気付くとユミナ達を待たせていた。


「皆さん、お待たせしてすみません。食事にしますので、此方の部屋でお待ち下さい」


「気にしなくて良いのよ。それより、ニコル君が何を御馳走してくれるのか楽しみだわ!」


「あまり期待しないで下さい。手の込んだものは作ってないので」


「あら、謙遜ね」


「いえいえ」


「ニコル君、この子猫」


「ああ、ありがとう。助かったよ」


「ニャー!」


「ふふっ、良かった!」


ソフィア様やユミナと会話を交わし、みんなを図書室兼教室に招き入れた。

今回は護衛の兵士達も、同じテーブルに着いて貰った。



「レコル。シャルロッテやお客様の馬の餌やりを頼む」


「うん!」


「エミリアは、シロンの面倒を見ててくれ」


「はーい!」


シロンを預けると、エミリアは満面の笑みを浮かべた。


「良し。あとはこっちだ」


僕は魔法袋内で《亜空間収納》を展開させ、料理の入った鍋を取り出しテーブルの上に並べた。


「ミーリア、サーシア。配膳を頼む」


「「はーい!」」


料理を僕が皿に盛り付け、二人が配膳をしていった。



「パパ。馬の餌やり、終わったよ!」


「ご苦労様! レコルはエミリアと、そこに座ってくれ」


「うん!」


配膳が終わる頃丁度レコルが戻って来て、僕達家族もテーブルに着いた。

みんなの目の前には、《ミートソースパスタ》と《ジャーマンポテト》と《野菜スープ》が並んだ。


「それでは皆さん。大したものはございませんが、どうぞお召し上がり下さい!」


「「「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」」」


僕が勧めると、皆一斉に食べ始めた。

シロンにも要望通り、ミノタウロスのヒレ肉を与えてある。



「「「「「「「「「「んっ!!!」」」」」」」」」」


思い思いに料理を口に運ぶと、お客の皆さんが驚きの表情を浮かべた。


「やだっ、美味しい!」


「美味しいわね、バロン?!」


「はい。見た目は平凡ですが、とても美味しいです!」


兵士達も、「旨いっ!」と言いながらガツガツ食べている。

よっぽど、お腹が空いてたみたいだ。



「ニコル君。このパスタ、どうしてこんなに美味しいの?」


「気に入っていただけて何よりです。旨さの秘密は、《ミノタウロス》の肉のお陰です」


「ミノタウロス? あの高級食材の」


「お父様と私とバロンは、以前此方でステーキを御馳走になりましたよ」


「えっ、そうなの? 羨ましい」


「あら、お母様。まるで催促してるみたいですよ!」


「もう、ユミナちゃんがいけないのよ。ステーキなんて言うから!」


「お祖母様。此方のポテトと一緒のベーコンも、美味しいです!」


「本当、バロンちゃん?」


『パクッ。モグモグ!』


「あら、本当っ。美味しいわ!」


「ジャーマンポテトのベーコンは、《ブルドボア》の肉で作ってます」


「此方も良いお肉ね。ニコル君はこれらを、どこで手に入れてるのかしら?」


「ダンジョンですが」


これらは昔、《エーテル街》のダンジョンで手に入れた物である。

僕は《転移》でいつでも行けるが、今は《魔素爆発》以来実質封鎖状態だ。



「「「「「「「ざわ、ざわ・・・・・!」」」」」」」


「あら貴方達、どうかした?」


「はい。ミノタウロスやブルドボアは相当強い魔物なので、名のあるパーティーに所属なのだと思いまして」


「どうなの、ニコル君?」


こういう言われ方をすると、素直に答えるべきか悩んでしまう。


「えーと、パーティーには所属してません。ソロで倒しました」


「それは本当ですか?! 《近衛騎士》の我々でも、一人で倒すのは困難だというのに!」


「はぁ」


ただの騎士や兵士かと思っていたが、彼等は王族を守る近衛騎士だった。

良く考えればバロン殿下とユミナは王族なのだから、当然の事である。



「ニコル君は十五歳の時、手合わせでマイク君とグレンさんに勝っているのよ」


「「「「「「「あのお二人にっ!」」」」」」」


近衛騎士達の、僕を見る目が変わった。


「「「「「「「是非、我々と手合わせして下さい!」」」」」」」


「へっ?!」


「貴方達、迷惑ですよ。冷めないうちに、食べなさい!」


「「「「「「「はいっ、ユミナ様!」」」」」」」


ユミナの気遣いで、近衛騎士達の興奮が治まった。

その後静かになったが、時折『旨い!』という声は上げていた。



「あのー、パスタのお代わりはいかがですか?」


「「「「「「「はいっ、お願いします!」」」」」」」


近衛騎士達の空いた皿を見て尋ねると、全員がお代わりに手を上げた。


「ミーリアとサーシア。手伝ってくれるか?」


「「はーい!」」


新しい皿にパスタと野菜スープをそれぞれ盛り、二人に運んで貰った。



「ねー、ニコル君。先程話していた《海の保養所》って、何かしら?」


配膳が終わり食事を再開すると、ソフィア様が尋ねてきた。


「宿泊所の事です。フロリダ街の温泉宿の近くと海の近くに、エシャット村の住人だけが利用できる施設があります」


「海の近くに宿泊できるの? とても素敵だわ。私、海の見える風景が好きなの!」


「パパ。僕、船で釣りしたい!」


「釣りかー。久し振りにやろうか」


「もしかして、ニコル君は船も持ってるの?!」


「パパの船、大きいんだよ!」


「まー、それなら私達も乗せて下さらない?!」


「えっ!」


「ユミナちゃんとバロンちゃんも、乗りたいわよね?!」


「はい。ニコル君が迷惑でなければ」


『チラッ!』


バロン殿下は、一瞬サーシアの顔を窺った。


「僕も乗りたいです」


そして、賛同した。


「分かりました。先に海の保養所に行って、お待ちしてます」


「ありがとうニコル君。流石イケメンね!」


『パチッ!』


ソフィア様のウインクは、孫がいるとは思えない程の色気を振り撒いていた。

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