表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第九章 二コルと家族編
321/401

第十五話 ニコルの日常

今日はエミリアと散歩しながら、村の様子を見て回った。


《のんびり》過ごすと言っても、やはり人目が気になった。

畑や養鶏場、学校や工房等で困った事があれば手助けした。


「パパ、すごーい。なんでもできちゃう!」


「ありがとう」


「エミリアもできる?」


「錬金術かー。パパの娘だから、練習すればできるかもよ」


「じゃー、やるー!」


「それなら、基本からやってみようか?」


「はーい!」


「先ずは、《魔力感知》からだ」


「《まりょくかんち》?」


「人間の体の中にはね、《魔力》があるんだ。それを感じられないと、錬金術に必要な魔力を操作する事ができないんだよ」


「パパ。なにいってるか、わかんなーい!」


「ごめんごめん。エミリア、手を貸してごらん」


「はい!」


僕はエミリアの両手を取り、僕とエミリアの体の中の魔力を循環させた。



「あったかくなったー!」


「今エミリアとパパの体の中を、魔力が動いてるんだ」


「うごいてるのわかるー!」


「それが分かるなら、エミリアには《魔力感知》の才能がありそうだ」


「さいのー?」


「『上手にできる』って事だよ」


「そうなのー!」


「さっきも言ったけど、錬金術はこの魔力を自由に操れる事が大事なんだ」


「ふーん!」


「それじゃ、こうやって掌に魔力を集めてごらん」


僕は左手を離し、掌に魔力を集めた。



「わー、ひかってるー! でも、どうやるのー?」


「最初はパパが手伝うから、右手を上に向けて開いて」


「こう?」


エミリアは小さい手を、可愛らしく広げてみせた。


「うん、そのままにして。いくよ」


僕は繋いだ方の手から、《魔力操作》でエミリアの右手の掌に魔力を集めた。


「すごーい! ひかったー!」


「何となく、分かったかな?」


「やってみるー! ・・・・・えーい!」


そう言って右手の掌を見つめ、気合を入れた。



『ホワーン!』


すると掌が、うっすらと光り出した。


「やったー! できたー!」


「凄い! エミリアは天才だ!」


エミリアはこの歳(四歳)で、《魔力感知》と《魔力操作》のスキルを手に入れてしまった。


「エミリア。《魔力操作》を毎日練習して、もっと上手になったら錬金術の勉強をしような」


「うん!」


僕の錬金術は、異質である。

エミリアが錬金術師になるには、才能の他に一般的な《調合》や《錬成陣》や《錬成道具》等について学ぶ必要があった。


そして今日が、エミリアが錬金術師を目指す切っ掛けの日となった。



昼食後。


「ミーリア、エミリアを頼むよ」


「いいわよ」


午後は学校を終えたレコルとの剣術が、日課になっている。

近所の子供達も自然と集まって来るので、一緒に相手をしている。



「掛かって来い!」


「今日はパパから一本取るぞ!」


「「「「おうっ!」」」」


『『『『『タッタッタッタッ!』』』』』


「「「「「ヤー!」」」」」


『ガンッ! カンッ! カンッ! カンッ! カンッ!』


他の子に比べ、レコルの打ち込みが力強い。


「「「「「オリャー!」」」」」


『ガンッ! カンッ! カンッ! カンッ! カンッ!』


「「「「「エイヤー!」」」」」


『ガンッ! カンッ! カンッ! カンッ! カンッ!』


連携して打ち込んでくる木剣を、僕は暫く受け流した。



「「「「「ハァ、ハァ、ハァ・・・・・!」」」」」


「どうしたお前達。そんなものか?!」


『キッ!』


僕の言葉に反応し、レコルの目付きが変わった。


「まだまだー!」


『ダッ!』


『ガガンッ!!』


「良い踏み込みだ!」


『ガンッ、ガンッ、ガンッ、ガンッ・・・・・・・・・・!』


レコルはギヤを上げ、連続攻撃を放ってきた。



「始まっちゃったな」


「こうなると、俺達入っていけないよなー」


「やっぱり、レコルは凄いぜ!」


「「「そうだな」」」


レコル以外の子供達は、立ち竦んだ。


「おい、お前達も攻めろよ!」


「無理、無理。俺達のレベルじゃ、レコルの邪魔になる」


「おじさんには、お前の後相手して貰うよ!」


「情けないぞ!」


「「「「そんな事、言ったってなー!」」」」


「よーし、僕が鍛えてやる!」


「「「「うわー、逃げろー!」」」」


レコルは子供達を、追い掛けて行った。


「やれやれ、今日は終わりかな?」


そう呟き、僕は家に帰った。



夕食までの間は、サーシアとの魔法の練習が日課になっている。

まだ子供という事もあり、仕事は大人より早く終わる。


サーシアの他に、魔法の才能のある子二人も一緒である。


「パパ、それ本当?」


サーシアに、エミリアが《魔力操作》ができる様になった事を伝えた。


「本当だよ」


「私より早い!」


「そうだね」


「流石に、《魔法言語》はまだよね?」


「まだ教えてないよ。今は魔法より、錬金術に興味を持ってる」


「妹に負けてられないわ。パパ、いつものお願い!」


「ああ」


攻撃魔法を使うのに、《的》と《結界》を用意してやった。



「***** ******* ***** ******* ******* 炎槍連射!」


『ボガッ、ボガッ、ボガッ、ボガッ、ボガッ、ボガッ、ボガッ、ボガッ、ボガッ、ボガッ!』


「「サーシア、凄い!」」


「こんなのまだまだ。的が綺麗に残ってるもの!」


「あの的、《ミスリル製》だよ!」


「関係無いわ!」


「「凄い意気込み!」」


「そんな事言ってないで、二人もやりなさい!」


「「ブー、分かったわよー!」」


サーシアはいつにも増して、気合いが入っていた。



僕は仕事を減らし、こんな風に家族と過ごす時間が多くなった。


『あれっ、奥さんとは?』と、思った方。


大丈夫です。

ミーリアとは子供達が寝静まってから、ちゃんと仲良くしてるので。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ