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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第九章 二コルと家族編
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第三話 ボール焼き

孤児院と言っても今は名ばかりで、孤児達は全員巣だった。


院長先生のリンゼさんが昨年亡くなり、今は結婚したココの家族とコニーの家族が住んでいる。

庭には遊具があり、幼児を連れた母親や祖父母が遊びに来ている。


「みんな、おはよー!」


「モキュッ!」


「「「「「エミリアちゃん、ポム、おはよー!」」」」」


エミリアとポムは、子供達に混ざって遊び始めた。


「ニコルちゃんが来るなんて、珍しいわね」


「仕事は、程々にしようと思って」


「いいんじゃない。ニコルちゃんが頑張ってくれたから、私達の生活はこんなに豊かになったんだから!」


「そうじゃ、そうじゃ!」


「そう言って貰えると、ありがたいです」


同年代の男はみんな働いているので、少し引け目を感じていた。



「また何か新しい事を、始めるのかい?」


「さあ、どうでしょう」


若い頃は、村に様々な職業を増やそうとした。

しかし需要と供給という問題があり、人口の少ないこの村で増やせずにいた。


手をこまねいていると、フロリダ街に工房や店が立ち並び、お金があれば購入できる環境ができてしまった。

エシャット村は、今僕が突然いなくなっても困らなくなった。



「ニコルは、新しい料理やデザートを考えるのが得意じゃろ」


「そうそう。美味しい食べ物が、この村にいっぱい増えたわ!」


トルネードポテト・アイスキャンディーに始まり、唐揚げ・豚カツ・ローストビーフ・コロッケ・白パン・ケーキ・クッキー・パスタ・パエリア、ハンバーグ・ピザ・クリームシチュー・お好み焼き・パンケーキ・プリン等々を、エシャット村に広めた。


「新しい料理かー」


「ニコルちゃん、お願い!」


「そうだね。考えてみるよ」


「嬉しいー!」


「期待しとるぞ!」


僕はエミリアを見守りながら、何を作るか模索した。



お昼近くになると、隣の学校から生徒達が出てきた。

母さんとレコルも、一緒だ。


「エミリアとパパだ!」


「母さん、授業お疲れ」


「ニコルちゃん。お仕事止めちゃったって、本当なの?」


「違う。フロリダ村に行くのを、二週に一度に減らしただけだよ」


「そうなの? ニコルちゃんが先生になってくれたら、母さん助かるんだけど」


「ハハッ。エミリアが入学したら、考えようかな」


「パパ、おなかすいた!」


「僕も!」


「それじゃ、帰ってご飯にしよう」


「「うん!」」


ポムをショルダーポーチに入れ、二人と手を繋いで家に帰った。



到着すると、シャルロッテに食事を与えてから家の中に入った。


「今日は、パパがご飯を作るぞ!」


「「そうなのー?」」


「手を洗って、待ってなさい」


「「はーい!」」


実はエミリアを遊ばせてる間、新しい料理を思い付き《亜空間収納》で調理を済ませた。

足りない材料もあったが、そこは魔力で補っている。



「「ただいまー!」」


丁度良いタイミングで、ミーリアとサーシアも帰って来た。


「ニコルちゃん、今ご飯の用意するね」


「今日は、僕が作ったよ」


「ありがとう!」


僕は《亜空間収納》を開き、料理をテーブルに並べた。


「《タコ焼き》って言うんだ。美味しいから、みんなを呼んで味わってみてよ」


「うん」


ミーリアが子供達を連れて来る間、僕は飲み物を用意した。



「わー、まん丸だー!」


「パパ。これって、丸いお好み焼き?」


「似てるけど、ちょっと違うよ。タコ焼きって言うんだ」


「タコ焼きかー!」


お好み焼きはスーパーのフードコートで販売されていて、既に村にも広まっている。


「この皿は中にタコが入っていて、こっちがエビ。こっちがベーコンで、こっちがトウモロコシだよ」


「パパ。エビが入ってたら、《エビ焼き》じゃないの?」


「あっ!」


言われてみれば、そうだ。



「どうしたの?」


「サーシア、良く気付いたな。タコ焼きじゃおかしいから、新しい名前を付けてくれないか?」


「いいの? じゃあね、まん丸だから《ボール焼き》!」


「ボール焼きかー、・・・・・良いね。この料理の名前は、ボール焼きに決定!」


「やったー!」


「おねーちゃん、ずるい!」


「ヘヘーンだ!」


「パパ、おなかすいたー」


「ごめん、エミリア。さあ、みんな食べよう」


「「「「「いただきまーす!」」」」」


みんなはフォークを持ち、各々好きな具材に手を伸ばした。



「エミリア。熱いから、フーフーするんだよ」


「はーい!」


『フーフー、パクッ!』


「「「「美味しい(おいしい)!」」」」


「うん。美味しい」


「ニコルちゃん。今度、作り方教えて!」


「いいよ。今回は錬金術で作ったから、一緒に練習しよう」


錬金術で料理を作れる事は、未だ一部の人しか知らない。


「うん!」


「パパ、私もー!」


「いいよ。サーシア」


「やったー!」


タコ焼き改めボール焼きは、家族に好評だった。

作り方を覚えたら、村の住民にも振舞おうと思った。

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