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第二話 神様と再会

『夢?』


僕の意識は、現実とは違う場所にあると感じた。

そして、それは直ぐに正解だという事が分かった。


「わしは神じゃ。お主に《大錬金術師》の資質を与え、異世界に転生させてから五年が経った。そしてたった今、五歳までの記憶を持ったまま、前世の記憶を蘇らせた」


俺、いや僕は、記憶が混ざり合い混乱していた。

少しして落ち着くと、状況を理解し言葉を発した。


「お久しぶりです神様。あれから五年も経ったんですね」


「そうじゃな。してわしは、異世界に干渉できる時間が限られておる。授けた能力について、手短に説明するぞい。質問は無しじゃ」


「はい。お願いします」


「まず、この世界での錬金術は練金術用の道具や錬成陣が必要じゃが、お主には必要ない。お主に必要なものは、《イマジネーション》《物質》《魔力》だけじゃ」


「錬金術に必要な魔力量は、物質の変化量に比例する」


「お主にはロールプレイングゲームで言うところのレベルやステータスの概念が有り、錬金術の《スキルレベル》が上がれば、より高度な錬金術が使えるようになる」


「スキルレベルを上げるには、《スキルポイント》が必要じゃ」


「《経験値》を獲得しレベルアップすれば、そのスキルポイントは手に入る」


「それを使えば、《任意》にスキルレベルを上げる事ができる。またそれは、魔法のレベル上げにも同じように使える」


「そしてお主の場合、《経験値の獲得は錬金術でしか》得られない。これは大錬金術師の資質を与えた弊害でもある。たとえ魔物を倒しても、経験値は得られんぞ」


「分かりました」


「そして、お主には特別に三つの《固有スキル》を授けてある」


説明の内容は次の通りであった。


《大魔導錬金術》

体内に内臓された《特別な賢者の石》の効果により、錬金術用の道具・錬成陣無しで錬金術が使用できる。


《検索ツール》

知りたい事を入力し、それにまつわる情報を得る事ができる。

検索ツールのイメージをすればウインドウが出現し、入力は音声・思考・キーボードで入力できる。

自身のステータスは、このスキルの機能により最初から見る事ができる。


《亜空間収納》

亜空間に物質を保存できる。

ただし、生きている物は保存できない。


さらに説明は続いた。


「賢者の石には、魔力を《無限》に貯蔵できる。《魔力の自然回復量》がステータスの上限を超えた分は、賢者の石に貯蔵されるぞい」


「そして、レベルアップ時のステータスの上昇は固定じゃ。ただし、レベルに『3』の付く時だけ三倍上昇する。レベルに『3』が二つ付けばプラス三倍となる不思議システムじゃ」


『へー、だとしたらレベル333だったら九倍アップするのか。まあ、レベルをどこまで上げられるか分からないけどね』


「魔法が使いたかったら《検索ツール》で調べるもよし、魔法書で勉強をするもよし、体内にある賢者の石によって《全属性》の魔法が《無詠唱》で使えるぞい」


『魔法が全属性使えて無詠唱って、チート過ぎじゃないか?』


「時間がもう無い。疑問があったら《検索ツール》を上手く活用するのじゃ。あとの事は、この世界の神に委ねてある。だが、基本干渉することは無いはずじゃ。達者でな」


神様は矢継ぎ早に説明し、姿を消した。



僕は五歳を迎え、朝目を覚ました。

部屋には、同室の兄と姉の姿は既になかった。


僕の記憶は、夢の中で現世と前世が上手く融合し、とりあえずこの状況に戸惑わずに済んだ。


前世の二十五歳までの記憶を持ったまま、五歳の子供として自然に振舞えるか心配だが、成り行きに任せる事にした。


この世界での僕の名前は、《ニコル》。

性別は、前世と同じ《男》。

家族は、僕を含め五人。

父ジーン三十歳。母マリア二十八歳。兄ジーク九歳。姉エレナ七歳。


父さんはまだ若いが、小さい村の村長だ。

村長と言っても、殆ど毎日農作業に勤しんでるんだけどね。


村の人口は二百人くらいで、貧しくても村人全員が一つの家族のように協力し暮らしている。


「神さま! もう少し裕福な家庭に転生させてくれても、良かったんですよ。僕は《異世界のんびり生活》を所望です」


思わず、そんな事を呟いてしまった。

確かに国の状勢やら家庭環境やら、細かい指定なんて一切しなかったんだけどね。


僕は、ベットで体を起こした。


「さて、一人前の錬金術師になる為、これからどうしようか? とりあえず、ステータスを確認するかな」


《検索ツール》を意識すると、目の前に透明なウインドウが現れた。

パソコンやタブレットの画面に似ている。

その中の《ステータス》ボタンを押すと、日本語で次の内容が表示された。


【名前】ニコル

【年齢】五歳

【種族】人族

【性別】男

【職業】大錬金術師の卵

【称号】-

【レベル】1

【体力】100/100

【魔力】10000/10000

【攻撃力】1

【物理防御力】1

【魔法防御力】1

【筋力】1

【敏捷】1

【持久力】1

【精神力】1

【知力】10

【運】1

【賢者の石魔力量】18,000,123

【スキルポイント】0


【固有スキル】大魔導錬金術(Lv1)/検索ツール(Lv1)/亜空間収納(Lv1)

【スキル】-

【魔法】-

【武器】-

【防具】-

【アイテム】-


全体的に数値が低く、《魔力》だけが圧倒的に多い。

それに五年間何もしてないのに、《賢者の石魔力量》が大量に溜まってる。


「ラッキー!」


そんな言葉が、つい出てしまった。


「ステータスは、これから上げるしかないよね。それより、錬金術を早く試したいな」


そう呟きながら、ベットから起き上がった。


そして、わくわくしながら家族のいるリビングへ向かった。



「おはよう! 父さん。母さん。兄さん。姉さん」


「「「「おはよう!」」」」


「ニコルちゃん、五歳の誕生日おめでとう。顔を洗って、ご飯を食べましょう」


「うん、分かった!」


僕は桶に溜められた水で顔を洗い、食卓に着く。


「ニコルは、今日で五歳だ。仕事の手伝いを、しっかりするんだぞ」


「頑張るよ。父さん!」


僕は錬金術の事でテンションが高くなり、元気良く返事をした。

ステータスの設定、難しいです。

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