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第四十話 王城回収

鉄扉を元に戻すと、みんなを連れ王城の外に《転移》した。


『シュタッ!』


「「「「「「「「「「うぇあぁぁっ!」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「「ウガー!」」」」」」」」」」


「ヒヒーン!『キャー!』」


「コケー!」


「モキュー!」


魔物達が僕達に気付き、一斉に襲い掛かって来た。


「《結界》」


『『『『『『『『『『ドドドドドドーーーッ!』』』』』』』』』』


魔物達は《結界》に気付かず、そのままぶち当たって来た。



「驚かせたな。みんなは、ここで待っててくれ」


「ヒヒーン!『分かりました』」


「コケー!」


「モキュッ!」


みんなを待たせ、僕は上空に飛び上がった。


「《魔物避け》」


「「「「「「「「「「「ウギャー!」」」」」」」」」」


『『『『『『『『『『ダダダダダダーーーッ!』』』』』』』』』』


魔法を唱えると、魔物達は悲鳴をあげ一斉に散らばって行った。



「良し。これで集中して、作業ができる」


そう呟くと、王城前に着地し地面に手をついた。


「《分離》・・・・・・・・・・」


《地図》機能で建物の地下構造を確認しながら、地面に切れ目を入れた。


「《硬化》」


次に切り取った土壌部分が崩れないように、補強を行った。



「準備完了!」


そう呟くと《亜空間収納》を展開させ、王城を一瞬で回収した。


「「「「「「「「「「うぇあぁぁっ!」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「「グギャー!」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「「ウガー!」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「チュウ、チュウ!」」」」」」」」」」


『『『『『『『『『『カサ、カサ!』』』』』』』』』』


するとポッカリ開いた大穴から、様々な声や音が聞こえてきた。


覗き込むと穴の底には、王城内にいたであろう生物達がひしめき合っていた。

これは生物を収納できない《亜空間収納》が引き起こす、不思議な現象だった。


「気持ち悪いな。でも、終わったぞ!」


こうして一つ目の用件は、無事に済ます事ができた。



「「「「「「「「「「うぇあぁぁっ!」」」」」」」」」」


『さまよっている人達を、楽にさせてあげたいんです』


大穴の底のゾンビ達を眺めていると、ふとユミナの言葉を思い出した。


「百八十万人を成仏させるとなると、大変だよなー」


それを実行するのに、どれだけの時間を費やすか考えてみた。


「一日一万人として、百八十日かー。けど、そんなに都合良くいく訳もないし・・・・・」


下手をすると、数年掛かってしまう。


「でも、人の密集している王都なら・・・・・」


僕は悩んだ挙げ句、みんなを連れてシロンの元に戻った。



「ただいま」


「ヒヒーン!」


「コケー!」


「モキュッ!」


「みんな、お帰りニャ!」


「寂しくなかったか?」


「大丈夫ニャ。それより、仕事は終わったのかニャ?」


「ああ、一つ目の用件は済んだ。後はユミナの用件なんだけど、その序でに王都にいるゾンビだけでも《屍》に戻そうと思う」


「いつまで掛かるニャ?」


「一ヶ月位で終わらせたい」


「それって、ダンジョンをキャンセルするつもりニャ?!」


「ごめん。そうなる」


シロンはダンジョンを、楽しみにしていた。

僕のテイム状態に唯一なっていないので、シャルロッテ達より経験値の獲得契機が少なかった。



「反対はしないニャ。だけど、シロンはパスニャ。ゾンビは臭いし大嫌いニャ!」


「分かってる。シロンは、最初からあてにしてない」


「その言い方、傷付くニャ」


「ごめんなー。シロン」


『ナデ、ナデ、ナデ・・・・・!』


機嫌を損ねたシロンを、撫でてやった。


「フニャー!」


すると、シロンは蕩けてしまった。


「今度は一人で行くから、みんなは待っててくれ。お昼には一旦戻る」


「ヒヒーン!『分かりました』」


「コケー!」


「モキュッ!」


僕は《亜空間農場》を出ると、上空に飛び上がった。



「待てよ。ゾンビさえいなければ、シロンも外に出て魔物を狩れるんじゃないか?」


不意に、そんな事を思い付いた。


「良し。先ずはこの王城の敷地から、ゾンビを排除しよう」


ユミナの用件は、後回しにする事にした。



「アンデッドには、やっぱりこれだろう。《聖水シャワー》」


水属性と聖属性の《合成魔法》を、上空からゾンビ達に浴びせた。


「「「「「「「「「「ウギャーーー!」」」」」」」」」」


するとゾンビ達は苦しみだし、やがて地面に横たわった。

《鑑定》してみると、只の《屍》に変わっていた。


《聖水》はアンデッドにとって、絶大な効力を発揮した。

今更だが、僕は魔法を研究し《合成魔法》を使える様になっていた。


「柵が、壊れてる!」


敷地を囲う鉄柵が破損し、ゾンビが自由に出入りしていた。


僕はその修復を先に行ってから、作業を再開した。



敷地内の全てのゾンビを屍に変え、その回収を終えると丁度お昼になっていた。


「ただいま」


「お帰りニャ!」


「ヒヒーン!『お帰りなさい』」


「コケー!」


「モキュッ!」


「ユミナの用件は終わったのかニャ?」


「その件は、お昼を食べた後だ」


「それじゃ今まで、何やってたニャ?」


「王城の敷地内のゾンビを、全部回収した。これなら、シロンも外に出て魔物を狩れるだろ?」


「ニャ! ご主人は、やっぱり優しいニャー!」


『スリ、スリ!』


そう言って、シロンは僕の脚に擦り寄って来た。



「それじゃ、今食事を用意するから」


「ゾンビを見た後じゃ、食欲無くすニャ」


「それじゃシロンは、ご飯要らないな?」


「たっ、食べるニャ! ご主人、意地悪ニャー!」


『スリ、スリ!』


シロンが再び、擦り寄って来た。


「冗談だよ」


「酷いニャ!」


シロンの言う通り、ゾンビを見た後では僕も食欲が無かった。


みんなに食事を用意すると、僕は軽くサンドウィッチで済ませた。

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