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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第七章 魔王襲来編
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第四十二話 再調査の結果

あれから二ヶ月が過ぎ、再調査の結果リートガルド伯爵の罪状は覆り、元の状態に戻る事ができた。


「リートガルド伯爵よ。ラビネット宰相とコロネ子爵の計略を見抜けず、苦労を掛けた」


「とんでも御座いません。私の脇の甘さから、招いた様なものです。お気になさらないで下さい」


「ジークフリートも、良くやってくれた」


「はい。しかし、ヤマトの協力がなければ、こんなに早く解決しなかったでしょう」


「ヤマト。いったい、奴は何者なのだ?」


「私にも、分かりません。ただ、敵に回さない方が良いのは確かです」


「我がリートガルド伯爵家は、彼に感謝しかありません」


「それは、我もだ」


大方の予想通り、首謀者はラビネット宰相だった。

コロネ子爵は、ラビネット宰相の手駒に過ぎなかった。


ラビネット宰相は《最高裁判事》を買収し、コロネ子爵が捏造した証拠を本物として扱わせた。

その他に、《陪審員》らも買収していた。


その結果この件に関わった人間は、大小の違いはあれ漏れ無く処罰された。


特にラビネット宰相とコロネ子爵は、《終身刑》となった。

調査の過程で、それぞれの屋敷から《裏家業の帳簿》も見付かっている。


また、コロネ子爵が《ダンジョン防衛施設》の施設長になり、利益をラビネット宰相に献上する予定だった事もバレていた。


家の方はどちらも取り潰しは免れたが、ラビネット侯爵家は代々受け継がれた《宰相職の任》を解かれ、莫大な《損害賠償金》をリートガルド伯爵家と王家に支払った。


コロネ子爵家は嫡男のアルフォードが継いだが、《損害賠償金》が不足し屋敷や資財を取り上げられた。

その結果、仕えていた者は全員子爵家を去る事になった。


しかし国王の温情で、アルフォードは王国兵士の職と小さな家を得、細々と家族を養う事になった。


何はともあれ、一件落着した。



生活が元に戻り、僕とゼルリル様はフロリダ村の《ダンジョンコアルーム》にいた。


「それでは、始めるのじゃ!」


「お願いします」


「《クリエイト ダンジョン》」


『ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・!』


ゼルリル様の掛け声と共に、ダンジョン内に地響きが起こった。



その時、ダンジョン内では。


「なっ、何だ振動は!」


「ダンジョンが、崩れるのか?!」


「うわー、逃げろー!」


ダンジョン探索者達は、慌てふためいていた。


その後ダンジョンは、三十分程地響きが続いた。



「完成したのじゃ!」


「ありがとうございます」


実を言うと僕がゼルリル様に頼んで、ダンジョンの階層を増やして貰っていた。


村長に返り咲いたリートガルド様が、『このままでは、フロリダ村が街になる前に廃れてしまう』と、愚痴を零していたのだ。


確かに辺境の小規模ダンジョンでは、魅力は乏しい。

一攫千金を狙うダンジョン探索者は、まず長くは留まらない。


そんな悩みを少しでも解決する為、僕は密かに行動を起こした。


「地下五階層を、十一階層にしたのじゃ。最下層には、ちゃんと《ボス部屋》を作ったのじゃ!」


「色々注文をつけて、悪いですね」


「気にするでない。ケーキを貰えれば、それでいいのじゃ!」


今まで無かった《ボス部屋》を作り、地下六階層以降を《鉱物》や《魔物素材》をドロップするようにして貰った。

鉱物には、鉄・魔鉄・銅・銀・金・ミスリル等をリクエストしている。



「これでダンジョン探索者が増え、商人や移民も増えると思います」


「それは、良かったのじゃ!」


「これが、約束のケーキです」


僕は《亜空間収納》から、ケーキの箱を幾つも取り出した。


「おー、こんなにいっぱい。妾は嬉しいのじゃ!」


ゼルリル様は、目を輝かせて喜んだ。


ショートケーキ《百個》でこれだけの事をして貰えるのだから、安上がりである。


「何年かしたら、またお願いします」


「任せるのじゃ!」


ゼルリル様は、ホクホク顔で帰って行った。



地響きから、暫くした村役場では。


「何っ! ダンジョンで、地響きだと」


村長に帰り咲いたイアン・リートガルドが、兵士から報告を受けていた。


「はい。食料調達に行っていたら、いきなり起こりました」


「我々が初めてダンジョンに入った時と、同じ事が起こったというのか?」


「多分」


「《魔王》が、戻って来たのか?」


「姿は、確認していません」


「ダンジョンに、変化はあったか?」


以前は各層が数倍に広がり、魔物の生態系が変わった。



「残念ながら、変化は確認できてません」


「そうか。もし魔王が関係しているなら、何かある筈だ」


「それでは、調査をした方が宜しいですね」


「そうだな。注意喚起も含め、《ダン防》の連中にも教えてやろう」


「はい」


やがて兵士達により、地下六階層へ続く階段が発見される事となる。

お読みいただき、ありがとうございます。

《第七章》は、ここまでです。


また、ストックが切れ筆も進まなくなってしまったので、投稿を暫くの間休ませていただきます。

今回、今までで一番長くなりそうです。


申し訳ありません。

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