第九話 レベル大幅アップ
2021/08/01 ステータスのアイテムに、《腕輪》を追加しました。
2021/05/30 ステータスに、【テイム】の項目を追加しました。
2021/05/08 ステータスのアイテムの表記を修正しました。
2021/05/05 ステータス表記を追加しました。
エシャット村へ帰ると、村人の多くは家の外に出ていた。
「ただいま」
「「「「「「「「「「ニコル!」」」」」」」」」」
みんなは、僕の帰りを待っていたようだ。
「心配掛けて、ゴメン!」
「怪我は、してないか?」
そう問い掛けたのは、父さんである。
「大丈夫。全然平気」
「無事で良かった。安心したぞ。それはそうと、魔王や魔物はどうなった?」
「魔王は見てないけど、魔物はもういないと思う。《黒髪》の魔導師様が現れて、魔法で全部倒してくれた。死骸も全部、回収してったよ」
「《黒髪》の魔導師様。そんな御方が現れたのか。神様の御導きだろうか?」
「そうかもね」
今回もまた、嘘をついてしまった。
『魔物は、全部僕が倒した』なんて言ったら、驚かれてしまう。
他の街や村で、散々《黒髪姿》を晒したので、手柄を全部押し付ける事にした。
「警戒は必要だが、小麦の収穫はできそうだな」
「念の為、《結界》は張ったままにしておくよ」
「ああ、頼む」
村全体に《結界》を張った時は、多くの人に驚かれた。
しかし、魔物から村人を守る為には、どうしても必要な事だった。
「みんな。明日は、家に閉じ篭ってなくていいぞ。小麦の収穫も行う。だが、《結界》からはくれぐれも出るなよ!」
「「「「「「「「「「おうっ!」」」」」」」」」」
小麦の収穫は時期を逃すと品質に関わるので、どうしてもやっておきたかったのだ。
『ピョーン!』
もう直ぐ解散という時に、ポムがウエストバッグから飛び出してしまった。
「あっ、魔物!」
「倒すぞ!」
「待て! 今、ニコルのバッグから出たぞ!」
「ニコル。いったい、どういう事だ?!」
村人の視線が、再び僕に集まった。
「驚かせて、ゴメン! こいつは偶然、他の魔物から助けたんだ。そうしたら、懐かれちゃって。倒すのも可哀想だから、ペットにしたんだ」
「人を襲わないのか?」
「魔法で、僕の言う事を聞くようにしてある。人を襲ったりしない」
本当はスキルのお陰なのだが、説明が面倒なので魔法という事にした。
「そうか。ニコルがそう言うなら、いいだろう」
「この子、かわいいね」
「さわってもいい?」
「ポム、どうだ?」
『ピョーン、ピョーン、ピョーン』
「いいってさ」
「「「「「わー!」」」」」
僕の言葉に、子供達がポムに群がった。
「プニプニしてるー!」
「さわると、きもちいー」
「ちっちゃくて、かわいいー!」
こうしてポムは、瞬く間に人気者になった。
◇
次の日から早速、小麦の収穫が行われた。
僕は孤児院の子供達を連れて、収穫の見学をしている。
「すごい、すごい!」
「はやい、はやい!」
「かっこいい!」
「何とまあ、こんな物まであるのか!」
孤児院院長のリンゼさんは、この村に来て三ヶ月色々見たが、また驚いている。
「機械の導入で、農業が飛躍的に楽になりました」
「小さな村では、持てん代物じゃ。それにこんな高性能な機械、わしは知らん」
「あるところには、あるんですよ。お金もね」
僕が作った事は、村人同様内緒にしている。
「ニコルには、驚かされてばかりじゃ!」
「ハハッ!」
僕は、笑って誤魔化した。
◇
その日の夕食後、ある事を試したくなった。
「折角だし、やってみるか?」
「御主人。何をやるニャ?」
「ん? 魔王ゼルリル様から回収した魔素で、《レベル》を上げようと思って」
「ニャに? 御主人まで、ズルイニャ! シロンだけ除け者ニャ!」
昨夜、シロンにポムを紹介した。
いきなりポムで球遊びを始めて驚いたが、ポムは嫌がってはいなかった。
その時、ポム・シャルロッテ・ケイコが、レベルアップした事を告げている。
「契約するか?」
「嫌ニャ!」
「そう。別にいいけど」
「ダンジョンに、連れてくニャ!」
「えっ?」
「ダンジョン行くニャ!」
「うーん。そのうちな」
「約束したニャ!」
そうは言ったが、今は孤児院の方で忙しい。
行くとしたら、夕食後の短い時間になる。
シロンには、それで勘弁して貰おう。
「それじゃ、魔素から魔力へ錬成開始!」
そう号令を掛けると、《亜空間収納》内で錬成を始めた。
魔素は魔力に錬成され、次々と《賢者の石》に保存されていった。
一回の変換で100,000MPの魔力を消費し、2,000,000MPの魔力を回収した。
変換効率、2,000%である。
以前行った時の、十倍だった。
「凄いや。効率が良すぎる!」
その後、錬成量を十倍に増やすと、レベルが上がった。
「よし、この調子!」
暫くの時間錬成を続け、《賢者の石》の魔力量がどんどん増えた。
その一方で、魔素の塊は質量が大き過ぎて、さほど減ってる様子が無い。
そして、レベルも順調に上がった。
「凄い凄い。こんな上がり方したの、五歳の時以来だ!」
レベルの上がるスピードに、僕は興奮していた。
「レベル200か。この辺で、止めておこう」
切りのいいレベルになったので、この日は止めた。
そして、現在のステータスはこの様になった。
【名前】ニコル
【年齢】十八才
【種族】人族
【性別】男
【職業】(本業)大魔導錬金術師・ダンジョン探索者・見習い商人
【称号】影の英雄(特典:戦闘時のステータス六倍)
【テイム】ケイコ(赤色野鶏)・シャルロッテ(馬)・ポム(ベビースライム)
【レベル】200
【体力】2910/2910
【魔力】291000/291000
【攻撃力】282
【物理防御力】282
【魔法防御力】282
【筋力】282
【敏捷】282
【持久力】282
【精神力】282
【知力】572
【運】282
【賢者の石魔力量】115,333,888,115
【スキルポイント】143
【固有スキル】大魔導錬金術(Lv10)/検索ツール(Lv10)/亜空間収納(Lv10)/万能調教(Lv2)
【スキル】剣術(Lv10)/体術(Lv10)
魔力感知(Lv5)/危機感知(Lv10)
魔力操作(Lv10)/魔法言語(Lv1)/身体強化(Lv10)/威圧(Lv5)/瞬動(Lv5)
農業(Lv1)/採取(Lv1)/狩猟(Lv1)/採掘(Lv1)/御車(Lv1)/騎乗(Lv1)/料理(Lv1)
【魔法】火属性魔法(Lv1)/水属性魔法(Lv1)/風属性魔法(Lv7)/土属性魔法(Lv1)
氷属性魔法(Lv1)/雷属性魔法(Lv1)/光属性魔法(Lv1)/闇属性魔法(Lv7)
聖属性魔法(Lv7)/空間属性魔法(Lv10)/防御属性魔法(Lv7)/結界属性魔法(Lv7)
重力属性魔法(Lv1)/飛行属性魔法(Lv7)/付与属性魔法(Lv1)/無属性魔法(Lv7)
生活属性魔法(Lv3)
【武器】-
【防具】-
【アイテム】指輪(魔力回復(超特級)付与:全魔力回復所要時間8H)
ネックレス(状態異常耐性(超特級)付与:完全耐性)
腕輪(変装付与・ステータス変更機能)
既に深夜になっており、シロンとポムは僕のベッドで寝ている。
僕はその横で興奮を冷まし、眠りに就いた。




