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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第七章 魔王襲来編
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第五話 魔王との交渉

魔物の亡き骸を飛び越え、直径三十メートルはある大穴の淵に近付いた。


そこには《結界》で蓋をされ、外に出たくても出られない魔物が見てとれた。


「相手は魔王だ。念の為、最強装備で行こう」


僕は直ぐ様、《オリハルコン》装備を身に付けた。


「よしっ!」


『危険・危険・危険・危険・・・・・』


「うっ、何だ?」


気合いを入れ穴に飛び込もうとすると、《危機感知》スキルが働いた。

それも、強力なやつである。


「この装備でも、穴に飛び込むのは危険なのか?」


『漆黒の球体? 魔王? 魔物?』


意識を集中しその原因を探ると、直近の原因はどれも違っていた。


「何だっていうんだ? 《鑑定》」


大穴を《鑑定》してみて、その原因が分かった。



「プラーク街のダンジョンで、懸念してたのをすっかり忘れていた。魔素が濃いせいで、酸素濃度が低くなっている。《酸欠》を起こすところだった」


《状態異常耐性》のアイテムで魔素に含む毒素を消せても、空気は作り出せない。

空気が薄ければ、流石に長くは持たないだろう。


「そうだ。対策を用意してあったんだ!」


《亜空間収納》から、以前作った《酸素吸入》の魔道具を取り出し口に咥えた。


すると、《危機感知》スキルが大幅に和らいだ。


『良し。今度こそ大丈夫だ!』


頭の中でそう呟くと、大穴へ飛び込んだ。



飛び込むと同時に、《飛行属性魔法》を使った。


「「「「「「「「「「ギャギャギャーーー!!!」」」」」」」」」」


壁に張り付いてる魔物や空中を飛んでる魔物が、僕の姿を見て襲い掛かって来た。


『《立体防御壁》』


『『『『『『『『『『ドスッ!』』』』』』』』』』


魔物は《防御壁》にぶち当たり、落下していった。


「「「「「「「「「「ギャギャギャーーー!!!」」」」」」」」」」


今度は、《防御壁》に飛び乗る魔物が現れた。


『《高速回転》』


僕はそれに対し、《防御壁》を回転させ振り落とした。


そしてそのまま、底を目指し降下した。



『流石に、下の方は暗いな。《暗視》』


外の明かりが届かなくなり、暗闇でも目が見える《闇属性魔法》を使った。


『それにしても、どこまで続くんだ?』


穴は、想像以上に深かった。


『掘った土は、いったい何処へ行ったのやら?』


どうでもいい事を、考え始めた。


『魔王がする事だから、何でもありだな』


そして、勝手に納得した。



大穴を降下する事約五キロ、ようやく底に辿り着いた。


そこには空間が広がり、直径十メートル程の漆黒の球体に美少女?が両手を翳していた。

しかし、その美少女?こそ魔王であると、直ぐに気付いた。


「おわっ! なぜ人間が、こんな所におるのじゃ?」


口に《酸素吸入》の魔道具を咥えているので、答える事ができない。


「妾を、討伐に来たのかえ?」


僕は慌てて、首を横に振った。


「どうやら、嘘ではないようじゃな。この《魔眼》で、嘘は分かるのじゃ。じゃが、妾は今忙しい。邪魔立てするでないぞ!」


僕はその言葉に、一応頷いた。



『《結界》』


『《空気錬成》』


『ポワーン』


話せないと用件を伝えられないので、僕の回りに《結界》を張り、魔素が混ざった空気を通常の状態に変えた。


そして、口に咥えていた魔道具を外した。


「魔王様。提案が御座います!」


「邪魔をするなと、言ったのじゃ!」


「その魔素の塊、私が何とか致しましょう」


「何を言うておる! 人間ごときに、扱える代物ではない!」


「私の固有スキル《亜空間収納》なら、それをしまう事ができます」


「固有スキルとな? 妾の《アイテムボックス》に収まらぬ物が、お主には可能と申すか?」


「はい!」


「大した自信なのじゃ。どれ、お主の《亜空間収納》とやらの性能を、視てやるのじゃ」


『ジーーー!』


美少女魔王は、僕を睨み付けた。



「驚いた。本当なのじゃ!」


「では」


「駄目じゃ!」


「えっ!」


「お主の魂胆が、分からぬ。この塊は、国を滅ぼす事も可能なのじゃ!」


「うっ!」


「これは、一個人に持たせて良い物ではないのじゃ」


御尤もな、話しである。

これはもう、僕が何を言っても駄目な気がした。


「そうだ!」


突然、閃いた。


「少しの間、この場を離れます」


そう言い残すと、僕はプラーク街のダンジョンに《転移》した。

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