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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第七章 魔王襲来編
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第一話 孤児達の引越し

グルジット邸を訪れてから、二ヶ月半が過ぎた。


ユミナとの一件は、当日の内にシロンやシャルロッテに打ち明けた。


「ヒヒーン、ヒヒーン『ユミナさん、不憫ですぅー』!」


「ご主人なら、王子だろうが王様だろうが奪えたニャ!」


「そうは言うがな、ユミナ一人の問題じゃないんだぞ」


という具合に、責められてしまった。


村に帰ってからも、前世の話しを抜きにして、ミーリアや関係者に伝えた。


「ニコルちゃんが私だけの旦那様になってくれるのは嬉しいけど、ユミナさん可哀想」


ミーリアは複雑な気持ちを抱き、ユミナに同情していた。



そんな事がありながらも、孤児院の建設を再開し先日完成させた。


そして今日が、待望の引っ越しである。


「さあ、みんな。引っ越しだ。エシャット村に行くぞ!」


「「「「「「「「「「うん!」」」」」」」」」」


僕を先頭に《亜空間ゲート》を通り、エシャット村に移動した。


すると小屋の前で、村の人達が大勢待っていた。


「「「「「「「「「「わー、来たー!」」」」」」」」」」


「いらっしゃーい!」


「待ってたぞー!」


「みんな、仲良くしようねー!」


『『『『『『『『『『ポカーン』』』』』』』』』』


子供達は、大勢の人に圧倒されていた。



そして、その大勢の中から、父さんが一歩前に出た。


「私がエシャット村の村長、ジーンだ。みんな今日から、村の一員だ。歓迎するぞ」


すると、一番後ろにいたリンゼさんが、子供達の間から前に出てきた。


「ジーンさん。わしらを受け入れてくれて、本当にありがとう。これから子供達共々、お世話になりますじゃ」


「任せて下さい」


「ほれ。お前達も、挨拶するのじゃ」


「「「「「「「「「「よろしくおねがいします!」」」」」」」」」」


『『『『『『『『『『パチ! パチ! パチ! パチ! パチ! パチ! パチ! パチ! パチ! パチ!』』』』』』』』』』


子供達の挨拶に、村の人達は拍手で温かく迎えた。


「みんな、歓迎ありがとう。引越しが済んだら、孤児院に遊びに来てください」


村人との交流も大事だが、引越しを優先させたかった。


僕は子供達を先導し、孤児院へ向かった。



「着きましたよ。ここが、孤児院です」


「なんじゃ、これは。こんな立派な孤児院を、建ててくれたのか!」


「「「「「「「「「「わー!」」」」」」」」」」


孤児院は三階建てで、以前の建物より随分大きくなった。


一階には院長室と応接室があり、その他大食堂・キッチン・風呂・洗濯室・洗面所・トイレがある。


二階と三階には居室が六部屋ずつあり、各階に洗面所とトイレも付いている。


居室は年齢に応じて、一部屋四人から六人生活できる広さになっている。

ベッドや布団も、新品を用意した。


余裕があるので、もう十数人増えても大丈夫だ。



「ニコル。何から何まで、すまんのう」


「いいんです。エーテル街やプラーク街に比べ田舎ですが、その分安全に暮らせますよ」


「ああ。それは、何よりじゃ」


この後恒例の建物の案内をし、部屋割りを決めていった。


その結果、二階が女子で三階が男子となった。

しかし、小さな男の子は三階まで上がるのが大変なので、二階に変更している。


そして、私物やなんかを魔法袋から取り出し、各部屋へ運んだ。


「それじゃお昼になったから、食堂へ行こう。おやつだ」


「きょうは、なにー?」


「引っ越しのお祝いに、今日は特別にケーキをご馳走しよう」


「ケーキ?」


「そうだ。甘くて美味しいぞー」


「やったー!」


「ニコル。わしの分も、あるのか?」


「リンゼさん。ちゃんと、ありますよ」


リンゼさんは、相変わらず食いしん坊である。



「あまあまー!」


「うまうまー!」


「ほんに、美味しいのう!」


「気にいって貰えて、何よりです」


今回ご馳走したのは、イチゴのショートケーキである。


「もっと、たべたーい!」


食べ終わった子が一個では物足りなかったのか、声を上げた。


「ぼくもー!」


「わたちもー!」


「これこれ、無茶を言うでない」


『チラッ、チラッ』


リンゼさんが何かを期待する目で、僕を見てきた。


「分かりました。今日だけですよ」


「「「「「「「「「「やったー!」」」」」」」」」」


「すまんのう」


二個目はモンブランケーキを、ご馳走してあげた。



お昼のおやつが終わり、食器を片付けていた。


「ニコルにーちゃん。遊びに来たぞー!」


「来たよー!」


「きまちた!」


「おお、みんな来たか。入っていいぞ」


すると、村の子供達がやって来た。

そして、交流が始まった。


子供達は打ち解けるのが思いの外早く、かくれんぼや鬼ごっこ、そしてボール遊びを始めた。


その日の夕刻、村の人達が料理を持ち寄り、孤児院の前の広場で歓迎会が行われた。

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