表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第二章 王都行商編
21/401

第九話 王都の買物と食事処

2020/12/14 魔法書の金額を十万マネーから、二十万マネーに変更しました。

朝食を簡単に済ませ借家を出た。

日の当たる街並みを見ながら、三十分歩いて繁華街に着いた。


「当たり前だけど、村とは比較にならないなー」


すでに朝から人が溢れ、賑わっている。


村の食事を豊かにしたかったので、スパイスを探したが黒胡椒しか見当たらなかった。

変わりに、ハーブの種類がふんだんにそろってる。

他の街では見かけない、いろんな食材に興奮した。


そして、トマトがあったのは僥倖である。

スープに入れて煮込んだり、ミートソースパスタにしたり、料理のバリエーションが増える。

それに、フライドポテトに合うトマトケチャップも作れる。


そして、僕はついに出合った。


「米だ。やっと出会えた。ずっと君に合えるのを待っていたんだ」


この世界で、初めてのオリジナルの米である。


《検索ツール》でこの世界にあるのは知っていたが、この目で見るのは初めてだった。

しばらく王都にいるにもかかわらず、三十キロも買い込んでしまった。



「へー、魔道具の品揃えがいいな」


食材を買い込んだ後、魔道具と魔法書の店に足を運んだ。

王都にある店だけあって、いろいろ揃ってる。


魔道具の値段を見ると、当然だがバカ高い。まあ、王都だから金持ちが多いんだろう。

僕の《亜空間収納》の在庫も、早く売ってしまいたい。


そして、この店に来た一番の理由は《魔法書》だ。

今までお金が無かったから、買う事ができなかったのだ。


魔法書も品揃えがいい。

《上級魔法書》もあったが、カウンターの後ろの棚に飾られていた。

買うには、国から許可がいるらしい。


その他は手の届く棚にあったが、『立ち読み禁止』の張り紙が張ってある。


「《防御属性魔法》と《結界属性魔法》、どちらも初中級編か。勇者パーティーとダンジョンに行くんだったら、守備力向上は必要だな。これ見たいなー」


思わず呟いてしまった。そして、店主と目が合った。


「すみません。《防御属性魔法》と《結界属性魔法》の初中級編を、見せてもらってもいいですか?」


「少しだけじゃぞ。うちは立ち読みお断りなんじゃ」


そう言いながらも、店主は許可してくれた。


「はい。すぐ返します」


そう言って、《防御属性魔法》の魔法書を手にし読んだ。


「ふむふむ、防御するのに使い勝手がいい。それに自分だけでなく、他の人も守れそうだ」


今度は、《結界属性魔法》の魔法書を手にした。


「これは夜テントを張ったとき、人や動物や虫を気にしなくて済みそうだ」


僕は二冊共、買ってしまった。

十年前に決めたのだ。魔法は魔法書で勉強すると。


それほどページがあるわけじゃないが、初中級の魔法書だけあってそれぞれ二十万マネーした。

とんだ出費である。

他にも欲しい本はあったけど、さすがに使いすぎだと思い買うのを控えた。



そうしているうちに昼飯時をむかえ、食事処の前で立ち止まった。

外に張られたメニューに目が行き、興味を引かれたのだ。


「おっ、この店日本の食堂のメニューがたくさんある。入ってみよう」


この店のメニューを見た時、勇也さんの顔が過ぎった。

コーヒーやケーキといい、勇也さんは王都でやらかしているのかもしれない。


定番の《豚の生姜焼き定食》を注文した。

そして、僕の目の前に運ばれてきた物は、前世日本で見たままであった。


生姜は何度か見た事はあったが、醤油を使った料理は村以外で初めてである。

醤油は僕が作って、すでに村のスーパーで販売している。


原料となる大豆は村の畑で作ってもらってるけど、醤油作りはまだ任せられないでいる。

黒胡椒と砂糖黍も育てているので、村の食卓の味は大分豊かになった。


「美味い。この生姜焼き、凄く懐かしい。そして、この米。甘みがあって日本米に近い。豆腐とねぎの味噌汁もいける」


豚の生姜焼き定食は、前世で食べたのと遜色なく凄く美味しかった。思わず涙が出た。

錬金術で作ったりもしたけど、オリジナルの食材で人に料理してもらうと感動が違う。


料金は二千八百マネーと僕には高かったが、大満足した。

塩で稼いだお金があるし、今後ちょくちょく足を運ぼうと思う。



午後も店を見て回った。

午前中は食材を衝動買いしてしまったが、冷静になったら王都の物価はどれも高い。

《鑑定スキル》でみると、王都ではそれなりの相場だった。


「村に持ち帰って売ろうにも、原価でも売れないな。今日買ったのは、自分用にしよう」


僕は王都で商品を仕入れるのを、二日目にして諦めた。

王都では売る方に専念して、他所の街や農村をあたって安く仕入れられるルートを探す事にした。


「明日は露店を出してみるかな」


ダニエル商会との約束の時間まで、露店の場所探しとそこで何を売るか思案しながら過ごした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ