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第四十三話 勇者達の動向、再び

前話後書き(追伸)の続き


2021年1月21日深夜、何も起こらず《意気消沈》。

今日。えっ! まだ、終わってなかったの?

米の国が《共和国》になる?

今のところ何が《真実》か分かりませんが、スパイ映画の現実版のようです。


※ 都合上、言葉を濁してます。

アレンさんと僕は、領主城を後にした。


「なあ、ニコル。利用するようでわりーんだが、勇者達のとこまで送ってくんねーか?」


「いいですよ。僕も、気になってたんで」


「それじゃ、変装して行くか?」


「はい」


アレンさんと僕は、変装後ガーランド帝国の帝都へ《転移》した。



勇者達は、既にダンジョンから帝都の屋敷に戻っていた。


「ウガーーーーー!」


「キヒャーーーーー!」


「ウオーーーーー!」


「《平常心》」


「「「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」」」


《悪事矯正リング》の影響で悲鳴を上げていたのは、《狂戦士》と《暗殺者》と《大魔導師》である。

それを《賢者》が、魔法で落ち着かせた。


「お前ら、起動条件を教えたろ。良い子にしてろよ」


「「「うるせえ!」」」


三人は、《悪意》に対する心のコントロールが下手だった。


「しかしよ。俺らこのままだと、本当に良い子ちゃんになるしかねえな」


「外そうにも、今は手立てがねえ」


罵烙(バロク)の《聖剣》なら、首輪を斬れそうなもんだけどよ」


「俺にそんな繊細な腕がねえの知ってんだろ。首ごとぶった斬っちまうぞ。それに、今更腕を上げてもおせえ。聖剣を握って、ぶった斬ろうと意識しただけで、感電しやがる」


「外される側も意識しちまうと、感電しちまうしな」


「外す方も外される方も感電しちゃー、どうしようもなんねーぜ」


「糞ムカツクが、宰相に頼るしかねー。今頃、何か分かったかもしれねーからな」


「アイテムが糞の役にも立たなかったって、文句言ってやる」


こうして、勇者達は皇帝城へ《転移》した。



アレンさんと僕は《光学迷彩》で姿を消し、今の様子を見ていた。


「行ったな」


「行きましたね」


「奴等には、リングを外せそうもないな」


「そうですね」


「皇帝城で、どうにかなると思うか?」


「オリハルコンのナイフとか持ち出されると、『スパッ』と切れそうですけどね」


「オリハルコンか。可能性としては、無くもないな」


「でも、リングには《修復機能》がありますし、最低でも《二ヶ所》切断しないと外せません」


「それと、ナイフを伝って流れる電気にも耐えなきゃいけねーのか?」


「そうです」


「面倒くせー作りだな」


「ハハッ」


できるだけ、外されない様にした結果である。



「後は、俺が奴等を見張る。ニコルは、自由にしていいぞ」


「そうですか? それなら、お言葉に甘えます」


「元気でな」


「たまに、様子を見に来ます」


「ああ」


僕は《光学迷彩》を解いて貰い、ノーステリア大公爵領に《転移》した。



勇者達は、宰相の執務室を訪れていた。


「いきなり城に来るなと、言っておろう!」


「緊急事態だ!」


「いったい、な、な、な、何ーーー!! お主達もか?」


宰相は勇者達の首輪を見て、悲鳴を上げた。


「ああ、やられた」


「何という事だ!」


「このアイテム、効かなかったぜ」


そう言って、勇者は手の甲を向け《指輪》を見せた。


「まさか、眠らされたのか?」


「そうだ」


「有り得ん!」


「言っとくが、本当だ」


「アイテムのレジスト力を、上回ったという事か?」


「ああ。だが、それだけじゃねー」


「何だと言うんだ?」


「《召喚者狩り》には、仲間が一人いた」


「それが、どうしたというのじゃ?」


「そいつに、俺ら六人束になって負けた」


「お主達が、負けただと!」


「俺らだって、信じらんねーよ!」


「くっ! またもや、邪魔が入ったというのか。これで、三度目じゃ」


「三度目? 聞いてねーぞ」


「二年前の戦争で、邪魔が入ったのは知っておろう?」


「ああ。俺達は戦争に参加しなかったが、聞いている」


「十年前の開戦直前にも、あったのじゃ。其奴は突如として現れ、我が軍の頭上に数千の《光槍》を待機させた」


「何だそりゃ。すげー数だな。それで、どうしたんだ?」


「其奴は、我等に退去を迫った」


「おめおめと、退いたのか?」


「いや。戦争の総指揮である《元帥》は、進軍を命じた」


「ほう。ビビらなかったのか」


「だがその直後、先頭にいた元帥が数多の《光槍》に貫かれ死んだ」


「何だそれ? 笑えるぜ!」


「そして、待機している《光槍》に兵士は慄き、指揮系統が乱れ進軍は止まった」


「頭が真っ先に殺られりゃ、ビビるわな」


「もしや、今回と同一人物なのでは?」


「そんなの知んねーよ。どうでもいいけど、首輪は外せたのか?」


「いいや、まだじゃ」


「クソッ、駄目か」


勇者達は淡い期待を抱いていたが、その願いは叶わなかった。



僕はノーステリア大公爵領へ戻ると、家を借り二週間過ごした。


その間、街に出て仕入れをし、時々アレンさんの所へ様子を見に行った。


領都には定期的に仕入れに来ていたが、今回は仕入れの旅という事で大量に購入している。

そのついでに、鋼のインゴットの売却も済ませた。


家畜の購入は世話が大変なので、エシャット村に帰る直前の予定だ。


一方、ガーランド帝国の様子はというと、未だ戦争の準備が進められていた。


しかし、勇者達召喚者の《悪事矯正リング》の取り外しができず、参戦が危ぶまれている。

それに伴い、議会では開戦の審議がされたが結論に至ってなかった。


僕はノーステリア大公爵領を出て、次の目的地に向かった。

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