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第三十七話 アレン対勇者・魔槍士・暗殺者

アレンさんの前に、《勇者》と《魔槍士》と《暗殺者》が現れた。


どうやら《大魔導師》を下がらせ、近接戦闘に持ち込むようだ。


「行くぞ!」


「おう!」


「キーシャシャシャシャ!」


『『『シュタッ!』』』


掛け声の直後、三人の姿が消えた。

彼らは、《瞬動》スキルを使った。


《狂戦士》のような爆発力と自由度は無いが、直線的な移動であれば速さは勝っている。


『キン! キン! キン! キン! キン! キン! キン! キン! キン! キン! ・・・・・・・・・・』


アレンさんは彼等の目まぐるしい攻撃を、高速で移動しながら剣で受けた。

余裕がありながら攻撃を仕掛けず、わざと受けに回っているようだ。


「凄いな」


アレンさんの戦闘センスに、思わず感心の言葉が出た。


ちなみに、勇者は《聖剣》、魔槍士は《魔槍》、暗殺者は《二本の曲刀》を得物にしている。


この攻防は、膠着したまま暫く続いた。



均衡を破ろうと、勇者が《剣術》スキルを放った。


「《メギドスラッシュ!》」


『ギュオーーーーー!!!』


勇者の聖剣は、目映い光りと高熱を発した。


『ギーーーーーン!!!』


その威力は驚異的なものだが、アレンさんは難無く返した。


「まだまだだな」


「くっ!」


「俺が見本を見せてやる。《ライトニングスラッシュ!》」


『ピカーーーーー!!!』


アレンさんが放ったのは、《剣術》スキルの下位スキルだった。


『ガギーーーーーン!!!』


『ズザザザザザー! ドン!』


勇者は聖剣でその剣戟に耐えたが、十メートル程その体勢のまま地面を滑り壁に激突した。


「グッ!」


衝撃はあったものの、怪我には至らなかった。


下位スキルでのこの結果は、格の違いを感じさせられた。



「《サンダースピア!》」


『バリバリバリバリー!!!』


魔槍士が放ったのは、魔槍に雷を纏わせる《槍術》スキルだった。


『ギーーーーーン!!!』


しかし、アレンさんはこれも難無く返した。


「《ライトニングスラッシュ!》」


『ピカーーーーー!!!』


『ガギーーーーーン!!!』


「うわーーーーー!」


『ズドン!』


「グハッ!」


魔槍士は衝撃を魔槍で殺したが、その剣戟に耐え切れず空中に飛ばされ壁に激突した。



「《ポイズンスプラッシュ!》」


『ギーーーン!』


『ブシューーー!』


剣がぶつかり合った瞬間、激しい飛沫がアレンさんに向かって飛んだ。

これは、《暗器》スキルの技の一種である。


『シュタッ!』


しかし、アレンさんはそれも難無くかわした。


「毒の飛沫か。油断ならねえな。だが、技の名前を正直に叫んじゃ、予想がつくぜ」


「キヒャー! 避けたのは、てめーだけだ!」


『キン! キン! キン! キン! キン! ・・・・・・・・・・』


暗殺者はアレンさんの挑発に切れ、二本の曲刀を振り回した。


「攻撃が、軽いな。せめて、これぐらいの威力がねーと」


そう言うと、アレンさんは剣を振るった。


『ガイーーーン!』


暗殺者はその攻撃を、二本の曲刀をクロスして受けた。


「ぐっ!」


その威力に、暗殺者の両手は痺れた。

しかし、暗殺者はアレンさんの脇腹に隙を見付けた。


『ブオンッ!』


暗殺者は剣を押し退けながら、わき腹目掛けて回し蹴りを放った。


『シャキン!』


その蹴り脚の靴の爪先からは、突如刃が現れた。


『ガシッ!』


「キヒャー!」


しかし、アレンさんはその蹴り脚を、剣の柄で受けた。


暗殺者はその痛みで、堪らず間合いをとった。


「その隠し刃、毒付きか? 今度誘いに乗って足なんか出したら、切り落とすぜ」


「キヒッ!」


勇者達の攻撃は、一旦止まった。



「やっぱ、レベル20の強さじゃねーな。思った以上だ。ダンジョンボスより、つえーぜ!」


「このまま戦ってても、ジリ貧だな!」


「キーヒッヒッ。ぜってー、殺ってやる!」


「「「《身体強化!》」」」


三人はアレンさんの強さを改めて認識し、ギヤを上げた。


「《超速剣!》」


勇者は続け様に、《剣技》スキルを発動した。


『ギンッ! ギンッ! ギンッ! ギンッ! ギンッ! ・・・・・・・・・・』


《身体強化》スキルと合わさり、その剣の威力は数倍に増し、速さは常人には残像しか見えないような凄まじさだった。


だが、アレンさんはそれを、全て剣で受けた。


「《超速槍!》」


そこに、《槍術》スキルを発動した魔槍士も加わった。


『ギンッ! ギンッ! ギンッ! ギンッ! ギンッ! ・・・・・・・・・・・・・・・』


相手の手数が二倍になったが、アレンさんは凄まじい剣裁きでそれをも受けた。



「ん?」


この時、アレンさんに《第六感》スキルが働いた。


『シュタッ!』


同時に、《瞬動》スキルで二人の攻撃の間合から外れた。


『シュン! シュン!』


すると、アレンさんがいた場所で、二本の曲刀が空を斬った。


「お前。気配消すのうめえな」


「チッ!」


暗殺者は敢えて攻撃に加わらず、気配を消す《隠密》スキルを使いタイミングを見計らっていた。


しかし、アレンさんの《第六感》は、暗殺者のそれを上回った。

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