↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177/406

第十七話 子爵邸での闘争

《悪事矯正リング》を百個作り終えた後、僕は変装し子爵邸の庭に《転移》した。


警備が更に増えているのかと思えば、そうでもなかった。


「メイドさんが庭の掃除をしてるのは分かるけど、門番もしてるのか」


敷地内を探ってみると、屋敷の玄関や裏口にもメイドさんが立っていた。

警備兵の宿舎もあるけど、いるのは管理や給仕をする人達だけみたいだ。


今、屋敷の外にいる男性は、庭師だけだった。



屋敷の中を《検索ツール》の《地図》で確認してみると、昨日より多くの人がいた。

どうやら、警備兵が閉じ込められてるらしい。


「思った以上の、効果があったみたいだ。何も知らず、屋敷に入ったんだろうな」


屋敷にいる全員が悪人という訳ではないが、子爵家に仕える者の大半がいるようだ。


「げっ、昨日の今日で、地下牢に二人の子供が捕まってる」


どちらも、昨日の子供のようだ。


僕はこの状況に、呆れてしまった。


◇


屋敷の裏口に回り、メイドさんに声を掛けた。


「手荒な真似を、したくない。扉を開けろ」


「あなたのその頭、黒髪。分かりました。今、開けます」


そう言って、直ぐに扉の鍵を開けてくれた。

先日、奪った鍵を持っていたが、使う必要が無くなった。


「随分、素直だな」


「『黒髪の男が来たら、屋敷に入れろ』と、命じられてます。中では大勢、あなたを待ち構えてますよ」


「そうか。親切に、済まないな」


「いいえ、仕事ですから」


僕は礼を言い、堂々と裏口から屋敷に入った。


◇


扉を開けると、男が二人いた。


「てめえー、現れやがったな」


「黒髪だー! 裏口に、黒髪が現れたぞー!」


その声に、他の男達が集まって来た。


「てめえが、俺達を屋敷から出られなくしたんだな!」


男は、随分お怒りのようだ。


「知らんな」


「しらばっくれるな! 夕べ、屋敷の外にいたただろうが!」


そう言えば、昨夜僕を発見した奴かもしれない。


「さあな」


「くそっ! 取り押さえるぞ!」


「「「「「「「「「おうっ!」」」」」」」」」


逃げようと思えば逃げれたが、子供達が捕らえられてるので戦闘の構えをとった。



男達は棍棒やダガーナイフを手に、襲い掛かって来た。


「おりゃー!」


『ドスッ!』


「ウボッ!」


「うりゃー!」


『ドゴッ!』


「ガハッ!」


僕は一瞬で、鳩尾と顔面に拳を叩き込み、二人の意識を奪った。



「待て! こいつは、強い。素手だからと言って、舐めるな」


「「「「「「「「はい!」」」」」」」」


後ろいる指揮官らしき男が声を掛けると、男達は気を引き締め少しずつ間合いを詰めてきた。


「いくぜ」


「ああ」


小声で合図をすると、二人は同時に襲い掛かって来た。

しかし、それらの攻撃はフェイクで、僕の横を駆け抜けていった。


そして、すかさず前からは残りの男達が詰めて来た。


「挟み撃ちか。一応、考えているな」


「お前は、強い。動きを見て分かった。いったい、何者だ?」


指揮官らしき男が、質問してきた。


「そんな事、教える訳ねえだろ」


「そうか。それじゃ、質問を変えよう。屋敷に張った結界は、お前が死んだらどうなる?」


「結界? さあ、何の事やら」


「あくまでも、シラをきるんだな。お前ら、殺さぬ程度にやれ!」


「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」


その合図に、警備兵達は襲い掛かって来た。


『ドカッ! バキッ! グシャ! ドスッ! ドカッ! バキッ! グシャ! ドスッ!』


男達は戦闘慣れした動きではあったが、僕はその上をいく動きで蹴散らした。


「ふっ、一瞬か。本当に、強いのだな」


「お前らが、弱いだけなんじゃねえか?」


「我等は、それ程弱くはないのだがな」


「そうかい」



『タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ』


そこに、複数の足音が聞こえてきた。


「何だ。お前らまで来たのか?」


「ああ。だが、来て正解みたいだな」


鑑定したところ、こいつらは《裏の部隊》だった。


「それじゃ、頼んだ」


「ああ、任せろ」


すると、後から来た六人が前に出て来た。


僕は誘うようにゆっくりと、床に落ちているダガーナイフを拾った。

そして、その屈んだところを狙って、二人の男からナイフが飛んできた。


『キンッ! キンッ!』


そのナイフを、僕はダガーナイフで弾いた。


『『バッ!』』


次の瞬間、一気に二人に間合いを詰められた。


『シュバッ!』


しかし、僕はそれを予期して、《瞬動》スキルで後ろへ下がった。


『『シュン!』』


そして、僕がいた場所では、二本のダガーナイフが空を切った。



『ダッ! ダッ! ダッ!』


その二人の間から、槍を持った男が一気に間合いを詰めた。


「せりゃー!」


狭い廊下で振るうには不利な武器だが、槍使いは◯斗百◯拳のような勢いで突いてきた。


『キンッ! キンッ! キンッ! キンッ! キンッ! キンッ! キンッ! キンッ! キンッ! キンッ!』


しかし、それもダガーナイフで、全ていなした。


「どけっ!」


「ムッ!」


その指示に、槍使いは素早い動きで下がった。


「《空気圧壁》」


今度は魔法を唱え控えていた男が、逃げ場の無い程の大きさで《高密度の空気の壁》を放った。


「はっ!」


『バシーン!』


僕はそれを、空いてる左手に魔力を込め、気合いと共に相殺した。


「馬鹿な!」


「《連続水矢》」


『シュバッ! シュバッ! シュバッ! シュバッ! シュバッ! シュバッ! シュバッ! シュバッ! シュバッ! シュバッ!』


今度は別の男が水の矢を放ったが、ダガーナイフに魔力を込め、切り裂くと同時に全て消失させた。


「なっ!」


水矢を放った男は、僕の芸当に驚きを示した。



「どうやら、ただならぬ者のようだな。しかし、これではどうかな?」


その言葉を発した男が横にずれると、ナイフを突き付けられた子供二人が現れた。


「「おじさーん」」


子供達は戦闘中に、地下牢から連れて来られたようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。