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第十三話 ルークの引き取り手

僕達は《亜空間ゲート》を通って、エシャット村に来ていた。


「あれっ、ここはどこ?」


「ここが、エシャット村だ。あの扉は、遠い場所を移動できる魔道具なんだ」


「マドウグ?」


「ルークに説明するのは難しいから、大きくなったら教えてやる」


「うん!」



僕達が《亜空間ゲート》の小屋の前で話していると、母さんがやって来た。


「あら、ニコルちゃん。お帰りなさい」


「ただいま、母さん」


「今日は、プラーク街にいってたのね」


「そうだね。母さんは、今《教室》が終わったんだ」


「そうなのよ。もうそろそろ、お夕飯の支度をしなくっちゃ。ところで、この子はだあれ?」


普段おっとりしている母さんでも、僕が知らない子供を連れていたら、流石に気付いた。


「この子は、ルーク。人攫いにあったのを、助けたんだ。でも、身寄りが無くて連れて来た」


「まあ、そうなの? ルーク君、家にいらっしゃい。お腹空いたでしょ」


「うっ、うん」


「良かったな。ルーク」


僕は、ルークの頭を撫でてやった。

すると、ルークは照れ臭そうにしていた。



営業中のスーパーの入り口から入ると、母さんは働いているみんなに、ルークを紹介してくれた。


「エレナちゃん、ロッシ君、ニーナちゃん、ハンス君、この子はルーク君。よろしくね」


「「「「うん(はい)」」」」


みんないきなりで、キョトンとしていた。


「この子、見掛けないわね。どうしたの?」


「エレナ姉さん。店先では何だから、後で話すよ」


「そう、分かったわ」


そして、僕達は二階のリビングに移動した。



リビングでは、ルチアナ義姉さんが娘のジーナをあやしていた。


「ルチアナちゃん、ただいま。この子はルーク君。よろしくね」


「お帰りなさい。ルーク君?、私はルチアナでこの子はジーナ。よろしくね」


ルチアナ義姉さんは、少し戸惑いながらもルークに挨拶をした。


「うん」


それにルークは、頷いて応えた。


「ジーナちゃん。元気にちてまちたかー」


「きゃははっ」


母さんは、ジーナをあやし始めた。


「ルチアナ義姉さん。ルークの事を話すから、父さんとジーク兄さんを連れて来て欲しいんだ」


「分かったわ」


ルチアナ義姉さんは詳しい事情も聞かず、僕の願いを聞いて直ぐに呼びに行ってくれた。



そして、父さんとジーク兄さんが集まったところで、ルークを紹介する事となった。

店で働いている人達には、後で説明する。


「この子は、ルーク。人攫いから、助けたんだ。身寄りが無くて、連れて来た」


母さんに言った事と、同じ事を伝えた。


「「「人攫い!」」」


父さんとジーク兄さんとルチアナ義姉さんが、驚いていた。


「全く、酷い話しだ!」


「大変だったのね。こんなに小さいのに。ルーク君は、何歳なの?」


「五歳」


「そう、五歳なの」


ジーク兄さんは怒り、ルチアナ義姉さんは同情していた。



「それで、孤児院の話しをしたら、僕に付いて行きたいと言うんだ。でも、僕は家にいない事が多いでしょ」


「そうだな」


「それで、ここで預かって貰いたいんだ。僕も協力する!」


「それは別に構わんが、どうだろうカシムのところは子供がいないんだ。養子にするってのは?」


僕には、思い付かない発想だった。


「それは、いい案だね。でも、ルークの気持ちを聞かないと」


「そうだな。大人達で勝手に決めても、可哀想だ」



僕はルークの前でしゃがみ、同じ目線で話し掛けた。


「ルーク、どうかな? 子供のいない、おじさんとおばさんの子供になるってのは?」


「ニコルにいちゃんは、あそんでくれるの?」


「ああ、村にいるときは遊んでやるぞ」


「それなら、いいよ」


「そうか。ありがとうな」


そう言いながら、再びルークの頭を撫でてやった。


「それじゃ、俺はカシム夫婦を連れてくる。その間に、綺麗に着替えさせてやってくれ」


「分かったわ。私が見繕ってあげる。ルーク君、行きましょ」


「うっ、うん」


父さんはカシムさん夫婦を連れに、母さんはルークをスーパーへ連れて、それぞれ一階に降りて行った。



「ニコルも、いろいろと大変だな。まあニコルの事だから、内緒でいろいろと関ってるだろうけど」


「ジーク兄さん」


ジーク兄さんに言い当てられ、少し戸惑った。


「もしカシムさんのところが駄目でも、俺達で面倒を見るぞ。ジーナのお兄ちゃんだ。なあ、ルチアナ」


「そうね。あの子可愛いし、賢そうよね」


「ありがとう。ジーク兄さん。ルチアナ義姉さん」


そして、父さんがカシムさん夫婦を連れて来るのを待った。

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