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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第五章 エシャット村発展編
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第五十一話 シャルロッテの覚悟

2021/06/12 シャルロッテのステータス表記を追加しました。

先程ダンジョンで職業を《大魔導錬金術師》に戻したが、固有スキルの《万能調教》は今でも使える。


レベル1のままだが、シャルロッテをテイムするには問題無い。

しかし、元人間の彼女に対して使うのは、奴隷にするみたいで引け目を感じた。


「ヒヒーン! ヒヒーン! ヒヒーン! ヒヒーン! ヒヒーン!」


「ご主人様とケイコの関係は、見ていて嫌な感じはしない。むしろ、羨ましいって言ってるニャ」


僕が黙り込んでいるので、シャルロッテの方が話し掛けてきた。


「羨ましいのか? でも、このスキルの本質は、僕に《服従》させる事なんだ」


「ヒヒーン! ヒヒーン! ヒヒーン!」


「ご主人様を信頼してるし、別に構わないって言ってるニャ」


「別に構わないったって」


「コケッ、コケッ、コケー!」


「ケイコは、口出さなくていいニャ!」


「コケー!」


「おいおい、また喧嘩をする気か」


「ご主人様に飼われて、幸せなんて惚気るからニャ」


「そうか。幸せなんだ、ケイコ」


僕はそう言いながら、ケイコの背を撫でてやった。


「コケー!」


「ムカつくニャ!」


「ヒヒーン!」


「何ニャ、シャルロッテ。話しが逸れてるって言いたいニャ!」


どうやら、シャルロッテのツッコミが入ったらしい。



「ヒヒーン! ヒヒーン!」


シャルロッテが何か訴え掛けているが、僕には分からなかった。


「シロン。シャルロッテは、何て言ってるんだ?」


「ご主人様、覚悟はできてますって言ってるニャ。それで、ご主人はどうするニャ?」


「そうか、覚悟ができてるのか。気は進まないけど、そんなに望むならテイムするよ。だけど、不要だと感じたら取り消すからな」


「ヒヒーン!」


「それでいいって言ってるニャ」


「分かった。それじゃ、いくぞ!」


「ヒヒーン!」


「《万能調教》」


手を翳しそう呟くと、シャルロッテは白い光りに包まれた。


その光りが治まると、目の前にウインドウが現れた。


〔馬のシャルロッテを、《テイム》しました〕


シャルロッテのステータスを確認すると、全てが以前の数値の二倍になっていた。


【名前】シャルロッテ

【年齢】三才

【種族】馬

【性別】雌

【職業】ニコルのペット(テイム中)

【称号】-

【レベル】8

【体力】3400/3400←1700/1700(×2)

【魔力】240/240←120/120(×2)

【攻撃力】480←240(×2)

【物理防御力】3400←1700(×2)

【魔法防御力】32←16(×2)

【筋力】480(160×3)←240(80×3)(×2)

【敏捷】480(160×3)←240(80×3)(×2)

【持久力】480(160×3)←240(80×3)(×2)

【精神力】32←16(×2)

【知力】32←16(×2)

【運】32←16(×2)


【固有スキル】走行経験値取得(負荷変動)/[?]

【スキル】筋力上昇(Lv2)1up/敏捷上昇(Lv2)1up/持久力上昇(Lv2)1up

     体力回復(Lv2)1up

【魔法】-

【武器】-

【防具】-

【アイテム】-


「シャルロッテ。テイムできたぞ」


「ヒヒーン! ヒヒーン! ヒヒーン! ヒヒーン!」


「力が漲ってる。ご主人様と繋がってるのを感じられて、嬉しいって言ってるニャ」


「そうか、良かったな」


そう言いながら、シャルロッテの首を撫でてあげた。



その後、《念話》を試したが使えなかった。


「《万能調教》のレベルを、上げてみるか」


《スキルポイント》は大事に使っているので、まだ大分残っている。

ステータスを開き、早速レベルを上げてみた。


〔《万能調教》が、レベル2に上がりました。《魔物(下級)》のテイムが行えます。テイム対象と《念話》が行えます〕


「ははっ、ここでも《ご都合主義》が出たよ」


僕はシャルロッテに、《念話》で話し掛けてみた。


『シャルロッテ、聞こえるか?』


『えっ! この声、ご主人様ですか?』


驚くシャルロッテの声の印象は、上品で綺麗な声質だった。


『そう、僕だ。テイムするスキルのレベルを上げたら、《念話》が使えるようになった』


『嬉しい』


そう言うと、シャルロッテの目から涙が零れ落ちた。


『大袈裟だな』


『そんな事無いです。こんな日が来るとは、思ってませんでした』


『これからは、シロンの通訳はいらないな』


『ふふっ、そうですね』


シャルロッテはさっきまで涙を溢していたが、既に笑顔になっていた。



「ご主人とシャルロッテ、何ニヤニヤしてるニャ」


不思議に思ったのか、シロンがツッコんできた。


「今、《念話》で会話をしてたんだ」


「ニャに、《念話》!」


「ああ、頭の中で会話するやつだ」


「そんなのずるいニャ!」


「コケー!」


「ケイコも、《念話》するか?」


「コケー!」


「よし、それじゃいくぞ!」


そう言って、《念話》でケイコに話し掛けてみた。


『ケイコ、聞こえるか?』


『コケー!』


『あれ? 鳴き声しか聞こえないぞ』


『コケー?』


ケイコとの会話は、いつもの鳴き声しか聞こえなかった。



「ケイコとは、《人語》で会話できないみたいだ」


「コケッ?」


「どうして?って言ってるニャ」


「ちょっと、調べてみるか」


《検索ツール》で調べてみると、シャルロッテが元日本人という事が関係していた。

思考が人間なので、言葉が通じたようだ。


一方ケイコは僕の言葉が理解できても、人間の言葉で思考できないでいた。

この場合、僕かケイコが言語系のスキルを取得しないと、通じ会えないらしい。


「ケイコ。念話は使えるけど、聞こえる言葉は今までと同じらしい」


「コケー!」


「どうにかならないかって言ってるニャ」


「ごめんな。今は、方法が無いんだ」


「コケッ、コケー!」


「それならしょうがないって言ってるニャ」


「そうか、随分素直だな。ところで、シロンはいいのか?」


「うっ、直ぐに答えは出せないニャ」


「そうか。別に今のままで、いいけどな」


その後ケイコにトモローコシを与えると、ケイコは雄のパートナーと子供達に分け与えた。

そして、トモローコシを食べ終えると、『たまごを温めたい』と言ってきた。


「そうだな。それじゃ、帰るぞ」


「コケー!」


僕が別れを告げると、ケイコは羽ばたいて見送ってくれた。

お読みいただき、ありがとうございます。

悩みましたが、《第五章》はここまでにします。

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