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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第二章 王都行商編
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第四話 突然の勧誘

ゆっくり寄り道をしながら、二ヶ月掛けて《エステリア王国》の《王都エストーレ》に到着した。

今回移動で《転移魔法》を使ったのは、行った事のある隣街に行く時だけである。


今の時刻は、昼を過ぎたくらいだ。

大きな街だと、昼食は普通に食べられている。


故郷の《エシャット村》でも、最近昼食を食べる人が増えた。

僕も門の行列で待っている間に、軽く済ませた。


この国に街や領を越える時の通行税は無い。しかし、壁に囲まれた王都と領都に入る時は、入都税・入領税が徴収される。

しかし、商業ギルド会員の僕は、それらを免除された。


「うわー、すごい街並みが綺麗だ。さすがに王都は違うなー」


僕は街並みの美しさに、目を奪われた。


「さて、王都ではどんな物を売ってるんだろう。少し見てまわるかな」


露店を開くのに、王都の店でどのような物が売られているのか調べる事にした。

高額商品を売るのに資格を取得する事も考えたが、取り合えず今売れる物をリサーチする。


「ここは雑貨屋か。凄く大きいや。僕の主力商品とかぶるから、調査が必要だな」


僕は店に入り、商品を見ていると視線を感じた。


『ん? 何だこれ! 魔力を感じる』


僕が振り向くと、同年代の少年がこちらをじっと見ている。そのとき、『これは、やっかい事に巻き込まれる』と、直感した。

その少年は、《黒髪黒目》で《日本人》の風貌をしていた。


僕は直ぐに目をそらし、場所を移動して商品を見てまわる。 

すると、その少年が後を着いて来るのを感じた。


僕が立ち止まって商品を見ていると、少年が背中越しに声を掛けてきた。


「ねえ君。いきなりで悪いんだけど、ちょっと話しを聞いてくれないかな?」


僕は気付かない振りをする。


「ねえ、ねえ、君だよ」と、言って肩をつかまれた。


しょうがないので振り向いた。


「お茶の出来るところで、話を聞いてもらいたいんだ」


「ナンパですか? 僕は男でそんな趣味は無いです」


「違う、ナンパじゃない! それに、俺はストレートだ!」


少年は、少し慌てた口調で返事をした。実は、間近で見たニコルの美少年っぷりに動揺していた。


「じゃあ、何ですか? ここじゃ話しができないんですか?」


「そうだ」


「でも、僕は忙しいんです。それに、ついて行く理由がありません」


「まあ、まあ、まあ」と、言いながら両肩を捕み、僕を強引に連れ出した。



連れて来られたのは、個室のある高級感漂う喫茶店だった。

彼は、二人分のホットコーヒーとイチゴのショートケーキを頼んでくれた。


僕は、ビックリした。

村にいる時に錬金術で作った事はあったが、この世界にコーヒーも生クリームを使ったケーキも無かったはず。

そんな事を考えていると、少年が話し始めた。


「不躾を許してくれ。俺は《神崎勇也》。異世界から召還された《勇者》だ」


あっ、勇者って言っちゃってるよ。予想はしてたけど。いやな予感が、的中しそうだ。

勇者って事にあえて触れないで、僕も名乗ろう。


「僕は、ニコル。行商人です」


「ニコル、よろしく。話しはお茶が来るまで待ってくれ」


しばらく待つと、コーヒーとイチゴのショートケーキが目の前に置かれ二人きりになった。

勇也さんはそれらを僕に勧め、僕は口を付ける。想像以上に美味しい。


「美味いだろ。今、王都で流行ってるんだ」


「ええ。すごく美味しいです」


「そうか、よかった。それで聞いてもらいたい事なんだけど・・・」


言葉に詰まっていたがこちらから促さず、勇也さんが話すのを待つ。


「君に仲間になってもらいたいんだ」


「えっ!」


「あの店に入る前、君から不思議なオーラを感じた。後をつけて、《鑑定》スキルで君を見させてもらった」


あの魔力は、《鑑定》されてたんだ!


「君の能力を見て驚愕し、ぜひ仲間に欲しくなった」


「・・・」


僕は何も応えないが、勇也さんはそのまま話し続けた。


「この世界は百年に一度、太陽暦の六十六の付く年の六月六日に魔界とのゲートが繋がり、魔王が攻めて来るんだ」


「魔王?」


「ああ、今は太陽暦三千六百六十三年の六月だ。あと、三年で魔王が攻めてくる」


「・・・」


「俺は異世界から、勇者として召還された。それが、今から一年前だ」


「・・・」


「俺には仲間がいる。しかし、俺を含めて君には誰も敵わないだろう」


「・・・」


「俺も突然この世界に召還されたから、今の君の戸惑いも分かる。俺の我侭だが、お願いだ魔王討伐の仲間になってくれ!」


「・・・」


僕は、言葉が出なかった。この急な展開にフリーズした。

魔王が攻めて来るまで、3年にするか2年にするか悩んでます。

修正するかも。

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