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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第五章 エシャット村発展編
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第五十話 ケイコの変化

2021/06/12 ケイコのステータス表記を追加し、一部内容の修正をしました。

昼食後シャルロッテに騎乗し、野鶏のケイコのいる森に出掛けた。


「ヒヒーン!」


「そうか、嬉しいのか」


シロンは機嫌が悪いようで通訳してくれなかったが、これくらい僕にも分かった。


暫く走ると、目的地の森に着いた。


「コケー!」


「出たニャ! ケイコ!」


他の野鶏が警戒してる中、一羽の金色掛かった野鶏?がやって来た。

シロンは、それに向かって『ケイコ』と叫んだ。


「あれっ、お前ケイコなのか?」


「コケー!」


ケイコは一鳴きすると羽ばたき、騎乗する僕の元に飛んできた。


「シャー! 来るニャー!」


しかし、シロンはケイコを威嚇し、近寄せようとしなかった。

ケイコはそれに反応し、飛んで逃げて行った。


「シロン、()めるんだ!」


「ご主人、()めるニャー!」


「そうか、止めないんだ。なら、しょがない」


僕はシロンを掴み、胸の前で抱えた。


「ご主人、離すニャ!」


「ほら、止めろって」


そう言いながら、シロンの頭を撫でてやった。


「フニャー」


シロンは先程までの勢いは無くなり、大人しくなった。

うるさい時には、これが良く効く。



数回頭を撫で、シロンに声を掛けた。


「どうだ。落ち着いたか?」


「ご主人、ずるいニャ」


「もう、ケイコに手を出さないか?」


「出さないニャ。でも、もう少しこのままいさせてニャ」


「少しだけだぞ」


シロンが大人しくなるのを見計らって、空中へ飛んで逃げていたケイコが僕の肩に止まった。


「ケイコ。随分長く、飛べるんだな。それに、羽が金色っぽくなってる」


以前の羽色は、薄茶色にこげ茶が混ざっている様な感じだった。


「コケッ、コケッ、コケー!」


「どっちも、数日前に変わったって言ってるニャ」


シロンは機嫌が直り、通訳してくれた。


「数日前? 何だろうか」


ケイコを鑑定してみると、レベルがかなり上がっていた。


【名前】ケイコ

【年齢】一才

【種族】赤色野鶏

【性別】雌

【職業】ニコルのペット(テイム中)

【称号】-

【レベル】16

【体力】250/250

【魔力】40/40

【攻撃力】40

【物理防御力】40

【魔法防御力】20

【筋力】40

【敏捷】80

【持久力】40

【精神力】40

【知力】40

【運】120


【固有スキル】-

【スキル】飛翔(Lv2)1up/産卵(Lv2)1up/毛艶(Lv2)new

【魔法】-

【武器】-

【防具】-

【アイテム】-



「ケイコ。レベルが上がってるぞ。何かしたか?」


「コケッ、コケッ、コケッ、コケッ、コケー!」


「レベルが何か分からないけど、今日と数日前に体の変化を感じたって言ってるニャ」


「そうなんだ。自分で、何かした訳じゃないんだな」


「コケー!」


「そうだって言ってるニャ」


「ふーん」


不思議に思い、《検索ツール》で調べてみた。

その結界、僕がダンジョンで魔物を倒した経験値が、ケイコに入っている事が分かった。


僕自身には、魔物を倒しても経験値は全く入らない。

パーティーを組んでいる場合は、僕の分の経験値は他の人に振り分けられる。


だがテイムしたケイコには、その場にいなくてもパーティーメンバーと同様の経験値が入るらしい。


ケイコが経験値を得たのは、一回目はシロンと初めてコカトリスを狩りに行った時で、二回目は今日の午前中の出来事だった。



シロンとケイコをシャルロッテの背に乗せ、僕は下馬した。


そして、みんなに向き合い、その情報を教えてやった。


「そんなのずるいニャ!」


すると、一度落ち着いたシロンが騒ぎ出した。


「ヒヒーン!」


シャルロッテも、不満なようだ。


「コケー!」


ケイコは、羽ばたきながら喜んでいた。


「まあまあ、落ち着け」


「落ち着いてられないニャ!」


「ヒヒーン!」


「シロンは僕と一緒にダンジョンに入れるし、シャルロッテは走る度に経験値が入るだろ」


「ケイコは、何もしてないニャ」


「ヒヒーン!」


「そんな事言ったら駄目だ! ケイコには、たまごを産んで育てて貰ってる。それに自立してるから、世話をしなくて済んでいる」


ケイコは今、三回目のたまごを温めているところだった。

二回目は十個中七個が雌の雛で、既にダリルさんに預けてある。



「贔屓ニャー!」


「ヒヒーン!」


「そんな事言ってもケイコはテイムしてるだけで、僕の意思とは関係無く経験値が入るんだ」


「ヒヒーン! ヒヒーン!」


「ニャに?!」


シロンが、困惑した顔になった。


「シャルロッテ、それ本気で言ってるニャ?!」


「シロン。シャルロッテは、何て言ってるんだ?」


「私もテイムされるって、言ってるニャ」


シャルロッテが、思い掛けない事を訴えてきた。


「分かってるのか? 前世が人間の君が、僕の言いなりになるんだぞ!」


「ヒヒーン! ヒヒーン! ヒヒーン!」


「ご主人様と繋がれるなら、それでもいいって言ってるニャ」


僕はそれを聞いて、言葉に詰まった。

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