表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第五章 エシャット村発展編
156/401

第四十七話 ダンジョンコアに近付く為の準備

ニコルの兄夫婦の子供が出てきますが、第五章四十一話に追記し出産した事にしました。

ダンジョンで手に入れたニーワトリの肉で、大量に唐揚げを作った。


それを専用の魔法袋にしまい、エシャット村に帰った。

そして、父さんを見付け早速相談した。


「ニーワトリの唐揚げを、スーパーで売るのか? そりゃ、大歓迎だ。収穫祭で、みんな喜んでたからな」


「それじゃ、いいんだね」


「ああ、別に構わないぞ。ところで、他の二つの料理は、売らないのか?」


「二つ? ああ、そっか。あの時、一口豚カツとローストビーフも振る舞ったんだっけ」


父さんはローストビーフが好きで、たまに作ってあげると喜んでいた。


「そのうちね。最初は、唐揚げだけにしとくよ」


「そうなのか?」


父さんはそう言いながら、がっかりしていた。


許可が出たので、大量の唐揚げが入った魔法袋と店先に陳列する為の保温ケースを父さんに預けた。

保温ケースは、王都の露店でトルネードポテトを売った時と同じ仕様の物だ。


お客さんが購入する時は、容器や皿を持参して貰う事にした。

この為に容器を作って、村のゴミを増やしたくなかったのだ。


ちなみにパンの販売も、籠を持参して貰っている。


「父さん。後は、よろしく頼むね。僕は、ジーナを見てから戻るよ」


「ああ、任せろ。ジーナなら、部屋で寝てるぞ」


「うん。じゃあ、寝顔を見てくる」


僕は生まれて間もない姪のジーナの寝顔を見てから、プラーク街の別荘に戻った。



別荘に戻ると、サムゼル様との会話を思い出していた。


「ダンジョンコアから出る魔素って、人に害があったんだ。死に追いやったり、凶悪な魔人に変えてしまうなんてまずいよね。僕達ダンジョンにいて、大丈夫なんだろうか?」


今までダンジョンにいて、魔素の影響を感じた事は無かった。

しかし、魔素の事を知り心配になった。


そういう訳で、《検索ツール》で少し調べてみた。



結果だけ言うと、大丈夫なようだ。


どのダンジョンも、できた当初は魔素が充満し危険だった。

しかし、次第に魔王が全体を制御するようになり、空気中に魔素を漏れなくしたらしい。


現在魔素は、地面や壁や天井を伝って各階に供給されている。


ついでに魔人について、調べてみた。


「魔人って魔族と同類だと思ってたけど、実際は違うんだ」


魔人は魔素の影響で人が変異し魔族に近い存在になっただけで、純粋な魔族とは別物だった。



「死んだり魔人になるのは嫌だけど、魔力や経験値は欲しいよなー。どうすれば、ダンジョンコアに近付けるんだ?」


少し考えて頭に浮かんだ方法は、上級の《結界属性魔法》・毒ガス用の防護マスクと防護服・宇宙服だった。


「あれ、ちょっと待てよ。このペンダント、《強力な状態異常耐性》が付与されてるじゃないか!」


僕は首に掛けて、服の中にしまってあったペンダントを取り出した。


「コカトリスの《石化攻撃》も防げたし、魔素だって大丈夫だよな」


僕は、他に危惧する事を考えた。


「ダンジョンコアの近くは、空気中の魔素が濃過ぎて酸素濃度が低いって事も考えられるな。それだけクリアすれば、いけるんじゃないか?」


そう思い立つと、直ぐに《酸素吸入》の魔道具を作り始めた。



そして、製作はその日の夜まで掛かった。


「完成だ! これなら、水中でも使えるぞ!」


僕が製作したのは、小型で口に咥えるタイプの酸素吸入の魔道具だった。

必要か分からないが、ついでに《水中眼鏡》も作った。


こうして、ダンジョンコアに近付く準備は整った。



翌朝の朝食後、一人でダンジョンに行く事を、シロンとシャルロッテに打ち明けた。


「ご主人。危険な事は、駄目って言ったニャ!」


「ヒヒーン!」


「まあまあ、ちゃんと対策したから大丈夫だ」


「対策は分かったニャ! でも、魔王は危険ニャ!」


「ヒヒーン!」


「大丈夫だ。もう、戦わないよ」


「そんな事言って、魔王が攻撃してきたらどうするニャ!」


「ヒヒーン!」


「今度は、《亜空間農場》に逃げ込むよ」


「それでも、行っちゃ駄目ニャ!」


「おいおい、それはないんじゃないか?」


「そこまで言うなら、《コカトリスの唐揚げ》を置いてけば許すニャ!」


「おっ、本音が出たな。でも、やらないぞ」


「そんニャー!」


僕は引き止める二人(二匹)を置いて、サムゼル様に渡すお土産を持参しダンジョンへ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ