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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第五章 エシャット村発展編
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第三十八話 亜空間ゲート使用開始

家を買いにエシャット村を発ってから、十日後に《亜空間ゲート》を通り帰宅した。


「どうだ、シャルロッテ。狭くないか?」


「ヒヒーン!」


「大丈夫って言ってるニャ」


この間作成した《亜空間ゲート》は、人を想定して作ったので、シャルロッテには窮屈だった。

なので、馬でも通れる大きさで、新たに作り直した。


当初《亜空間ゲート》は、別荘の家の中とスーパーの一角に設置するつもりだった。

しかし、シャルロッテや他の馬も移動する事を想定して、別荘と自宅の車庫に設置した。


ところが、エシャット村の《亜空間ゲート》は父さんやスーパーの従業員に管理して貰うので、スーパーの横に専用の小屋を建てて設置し直した。



小屋を建てた翌朝、父さんと母さんを別荘に案内する事になった。


「ここが、プラークか。本当に、扉で繋がってるんだな」


「凄いわ! ニコルちゃん」


二人は初めて《亜空間ゲート》を通り、驚いている。


「これが、僕の別荘だよ」


「自宅より、大きいんじゃないか?」


「平屋だから広く見えるけど、床面積は自宅より小さいかな」


「ニコルちゃん。母さんも、泊まっていいんでしょ」


「母さんや父さんや家族は、自由に使っていいよ」


《亜空間ゲート》を使えば直ぐに帰れるけど、旅行気分を味わうなら宿泊するのもいいかもしれない。

村の人達には、《亜空間ゲート》の使用料金と同じ、一人一泊千マネーで貸す予定である。


「ありがとう。ニコルちゃん」


母さんは、そう言って僕に抱き付いて来た。

恥ずかしいので、何かある度に抱き付くのは、そろそろ止めて欲しい。



この後、家の中を一通り案内し、家の鍵と《亜空間ゲート》の鍵を父さんに渡した。


エシャット村へ帰る時は、《亜空間ゲート》を自由に使用していい事にした。

なので、プラーク側の鍵は掛けてない。


「街もゆっくり見て回りたいが、休みの日に改めて来るとしよう」


「残念だけど、しょうがないわね」


「そうだね。それじゃ、帰ろうか」


父さんと母さんは改めて来る事になり、その日はエシャット村に帰った。



数日後、父さんと僕とサジとスギルを含む狩猟班で、改めて打ち合わせを持った。


狩猟班からは先日父さんとの打ち合わせで、『《亜空間ゲート》なんて、この目で見ないと信じられない』と言う意見が出たそうだ。

そんな事もあり、一度体験して貰う事になった。


「うおー! 何だこりゃー!」


「全然、違う場所に来たんだぜー!」


「「「「「おー!」」」」」


当然の事ながら、みんな驚いていた。


「ニコル、すげーぜ。ここまでしてくれるなんて、やっぱりお前は親友だな」


「勘違いするなよ。お前らに頼まれたのが切欠だけど、ここまでしたのは村の人達の為だからな」


「そうなのか? でもよ、こんなとんでもない魔道具に家まで買って、随分金が掛かったろう」


「ああ。サジの言う通り、随分掛かったぞ」


「ニコル! 本当に、感謝するんだぜー!」


スギルが僕の両手を掴み、『ブンブン』と何度も上下に振り感謝してくれた。


「ああ、分かった。もういい、止めろ!」


そう言いながら、スギルの手を振りほどいた。


「「「「「俺達からも、礼を言うぜ!」」」」」


今度は狩猟班の五人組が僕を囲んで、抱きしめて来た。


「もう、分かりました。離して下さい。男に抱き付かれても、嬉しくないですから」


僕が解放されると、みんなで別荘のリビングに移動した。



飲み物を用意し落ち着くと、父さんから狩猟班に改めて確認が行われた。


「ダンジョンには、以前決めた通り仕事として行くという事でいいんだな。その代わり、経費は全て村の運営費から出す」


「はい、いいです。ここまでお膳立てして貰って、文句は無いです」


そう応えたのは、狩猟班若手リーダーのニックさんだった。


「僕からも、武器や防具や魔法袋を提供するよ」


「ニコル。何から何まで、済まないな」


「いえ、いいんですよ。その代わり、ドロップ品はスーパーにちゃんと渡してくださいね」


「ああ、分かってる。任せろ!」


この後父さんは帰り、僕は用意してあった武器や防具を取り出し、みんなに選んで貰った。


「俺は、この大剣だ」


「俺は、片手剣と盾だ」


「俺は、槍にする」


「俺は、このボーガンってやつにするかな」


「しょうがない。俺が守備の要、大盾をやってやる」


最後に大盾を選んだのが、リーダーのニックさんだった。


この後、皮鎧等の防具を装備して、木製の武器に持ち替えて特訓を行った。



数日後、狩猟班の五人組は、見事《ダンジョン探索者試験》に合格した。


そして、クルートとウェンディとミーリアの魔法使い組三人も合流して、僕達はプラーク街のダンジョンに来ていた。


「兄ちゃん。ダンジョン、久しぶりだな」


「クルート。随分、楽しそうだな」


「ニコルっち。ドロップ品、少し貰ってもいいよね」


「僕が狩ったのをやるよ。みんなが狩ったのは、スーパーの分だからな」


「ニコルちゃん。私、頑張る」


「ああ、怪我をしないようにな」


パン工房は魔道具の器具導入で時間に余裕ができ、服飾工房はミーリアのお母さんのアリアおばさんが働くようになった。

畑の方も今は忙しくないので、三人共連れて来る事ができた。


「さて、ここからは、みなさん主体で行動してください。僕は、極力手を貸しません」


「ああ、分かった。それじゃ、みんな行くぞ!」


ここは、狩猟班リーダーのニックさんに任せる事にした。

流石に十人で行動するのは多いので、ダンジョン経験者組と未経験者組に分かれた。


サジ達は慣れたもので、どんどん野菜の魔物を狩っていく。

未経験組の方も、それを見て狩りを始めた。


「おー、やったぞ!」


相手が野菜の魔物なので、手こずる事は無かった。


ドロップ品は麻袋に入れ、魔力を消費する魔法袋は、溜まった麻袋を入れる時使うようにした。


僕は彼らを見守りながら、たまに近くにいる魔物を狩っていた。

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