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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第五章 エシャット村発展編
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第三十七話 別荘の購入と野鶏のたまご

2021/05/30 ケイコのステータス表記を追加しました。

《亜空間ゲート》を設置する為、プラーク街に家を購入した。


購入した家はダンジョンのある繁華街から、一キロ程離れた住宅街に建っていた。


家は大きかったが老朽化が激しく、ほとんど土地だけの値段で安く買う事ができた。

それでも、二千五百万マネーもしてしまった。


別荘という扱いにして、戸籍はリートガルド伯爵領のままである。


「あーあ、とんだ出費だったよ」


「ご主人、太っ腹二ャ」


「これも、《福利厚生》の一貫だから、しょうがないよな」


「日本の会社みたい二ャ」


「村の人達も時間とお金に余裕ができて、暇を持て余しそうだからな。ちょっとした、旅行気分を味わえればいいと思うんだ」


「ご主人は、エシャット村人事部福利厚生課の課長さん二ャ」


「どっちかと言うと、営業の平社員なんだけどな」



この後、老朽化した家をリホームし、家具やベッドや魔道具を置いた。


庭も広く厩舎もあり、こちらもシャルロッテの為にリホームを済ませた。

敷地は壁で囲まれ木が植えられていたので、外からこれらの変化は分かりにくかった。


セキュリティーの《結界》は長期間持続させる為、魔法ではなく魔道具を作成し設置した。


「さて、準備は整ったぞ」


「一旦、村に帰るのか二ャ?」


「いや、転移して来たから、時間を調整する」


「それじゃ、ダンジョンに行くのか二ャ?」


「今は、ダンジョンに行かない。先に、やっておく事があるんだ」


その日は、購入したばかりの家で就寝した。



翌日、朝食を済ませると、シロンとシャルロッテと共に転移した。


僕達が転移した場所は、野鶏のいる森の中だった。


「ご主人、また野鶏を捕まえるのか二ャ?」


「いや、野鶏がたまごを沢山生む為に、試したい事があるんだ」


「いい案が、浮かんだのか二ャ?」


「まあ、見ててくれ」


僕は元気そうな雌の野鶏に目を付けると、一気に駆け寄り捕まえた。


「コケッ! コケッ! コケッ!」


野鶏を両手で抱えると、目と目を合わせた。

すると、観念したのか野鶏は大人しくなった。


「《万能調教》」


そう言葉を発すると、野鶏は白い光りに包まれた。


そして、光りが治まると、目の前にウインドウが現れた。


〔赤色野鶏を、《テイム》しました。名前を付けてください〕


「おっ、できたよ」


「ご主人、今の光りは何ニャ?」


「今のはスキルを使って、こいつをテイムしたんだ」


「ニャにー! テイムニャとー!」


シロンはテイムと聞いて、大声で叫んだ。


「僕に《服従》し、ステータスも上がったはずだ。あと、こいつに名前を付けるぞ」


「名前なんて、どうでもいい二ャ! 動物枠は、もういっぱいニャ!」


「シロン、諦めろ!」


「嫌ニャー!」



シロンの抗議を無視して、僕は野鶏の名前を考えた。


「よし、決めた。お前の名前は、《ケイコ》だ!」


すると、再びウインドウが現れた。


〔赤色野鶏の名前を、《ケイコ》と登録しました〕


そして、ケイコのステータスを確認した。


【名前】ケイコ

【年齢】一才

【種族】赤色野鶏

【性別】雌

【職業】ニコルのペット(テイム中)

【称号】-

【レベル】1

【体力】100/100←10/10(×10)

【魔力】10/10←0/0(+10)

【攻撃力】10←1(×10)

【物理防御力】10←1(×10)

【魔法防御力】5←0(+5)

【筋力】10←1(×10)

【敏捷】20←2(×10)

【持久力】10←1(×10)

【精神力】10←1(×10)

【知力】10←1(×10)

【運】30←3(×10)


【固有スキル】-

【スキル】飛翔(Lv1)new/産卵(Lv1)new

【魔法】-

【武器】-

【防具】-

【アイテム】-


「コケー! コケー! コケー!」


「その鳥は喜んでるみたいニャけど、ご主人ネーミングセンスないニャ」


「そうかー? ヤケイのケイを取って、ケイコって付けたんだけど、駄目だったか?」


「済んだ事は、もういいニャ。それで、そのケイコをどうするつもりニャ?」


「たまごを産めるか、確かめる」


「コケッ!」


「やってみるって言ってるニャ」


「《念話》は使えないみたいだけど、僕の言葉は通じてるんだな。それじゃ、頼むぞ」


「コケッ!」



ケイコを掴んでいる手を離すと、その場で息み出した。


『ポトッ!』


「コケー!」


「産まれたって言ってるニャ」


「おお、よくやった。それにしても、交尾もせずよく産まれたな」


「コケッ! コケッ! コケッ!」


「ご主人の為に、頑張った。でも、一日一個が限界って言ってるニャ」


「そうか、一日一個でも上出来だ。よくやったぞ、ケイコ」


僕はそう言って、ケイコの背中を撫でてやった。


「コケー! コケー!」


「ご主人に褒められて、嬉しいって言ってるニャ。だけど、そのポジションは、シロンのものニャ!」


「シロンは、本当にやきもち焼きだな。ケイコ、このたまごは貰っていいのか?」


「コケッ! コケッ!」


「無精卵だけど、どうぞって言ってる二ャ」


「ありがとうな。それで、これからの事なんだけど、ケイコにはここで子供を増やして欲しいんだ」


「コケッ?」


「ケイコの子供達も、沢山のたまごを産めるようになるか試したいんだ」


「コケッ! コケッ!」


「ご主人様の為に、頑張るって言ってる二ャ」


「ああ、頼む。ケイコには、《トウモローコシ》をあげよう」


生のトウモローコシを《亜空間収納》から取り出し、皿の上に置いた。


そして、錬金術で粒と芯と皮に分離し、芯と皮を取り除きケイコに差し出した。

すると、ケイコはそれをつついて食べた。


「コケー!」


「凄く美味しいって言ってるニャ」


「そうか、また来た時にあげるから頑張れよ」


「コケー!」



多くの野鶏をテイムすればたまご問題は解決しそうだが、敢えてそうしなかった。

ケイコと意思が通じたのに、これから行う事に少し罪悪感を感じたからだ。


自分のステータスを確認すると、《【テイム】ケイコ(赤色野鶏)》という項目が追加されていた。


「それじゃ、帰るぞ」


「コケー!」


ケイコに別れを告げると、僕達は別荘に戻った。


昼食に、ケイコの産んだたまごを、目玉焼きにして食べた。


「美味しいけど、複雑な気分だ。これからケイコの子孫を育てて、それを食べるんだ」


「ご主人、深く考えたら駄目ニャ」


「分かってる。上手く、気持ちをコントロールしないとな」


昼食を済ませると、シャルロッテには留守番をして貰い、僕とシロンはダンジョンへ向かった。

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