↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第五章 エシャット村発展編
142/406

第三十三話 スーパーとパン工房と服飾工房と養鶏場

十一月の下旬の夕暮れ時、僕達は予定より早くエシャット村に帰って来た。


「ワン!」


ワン太が尻尾を激しく振って、出迎えてくれた。


「おっ、ワン太。出迎えご苦労。僕のいない間、異常は無かったか?」


「ワン!」


「そうか。それは良かった。後で魔力を補充してやるから、みんなを集めてくれないか?」


「ワン!」


ワン太に村の状況を確認すると、自宅へ向かった。



自宅に到着すると馬車を車庫に入れ、シャルロッテを厩舎に入れた。


「シャルロッテ、お疲れ様」


「ヒヒーン!」


そして、シャルロッテの食事を用意しようとした時、人の気配がした。


「ニコルちゃん!」


僕はその声の方を振り向いた瞬間、母さんに抱き付かれていた。


「母さん、ただいま」


「やっと帰って来た。母さん、寂しかったのよ。今直ぐ、補充させてね」


前にも思ったが、いったい何を補充してるのだろうか。


◇


二日後、早速僕が仕入れた品やダンジョンのドロップ品が、スーパーの店先に並んだ。


しかし、今年の仕入れ状況は良くなく、値上がりした物が多かった。


去年は運良く、ヤッチマッター街で大量に安く仕入れられたが、今年はそうもいかなかった。

まとまった数量を買う代わり、相場より安くして貰うのが精一杯だった。


その代わり、プラーク街のダンジョンには何度も足を運んだので、こちらは若干安くしてある。

ダンジョンでは、その度に《クロン》の事が話題になっていた。


値段は高くなっても、久しぶりに店に並ぶ商品に、村のみんなは喜んでいた。


「ニコル君のお陰で、いろいろな土地の物が楽しめるわ」


「ダンジョン産のお肉や野菜や果物も、大量にあるらしいわよ」


「モンブランケーキも、あるらしいわ」


仕入れ品の値上がりの不満を解消する為、旅の途中でモンブランケーキを大量に作った。

そして、値段も若干安くしてある。


こんな事もあり、村の人達に顔を合わせる度に感謝された。


◇


パン工房には、新しい器具を導入した。


今までパン生地の醗酵は、王都のパン工房を真似していた。

発酵用の保温ボックスに、お湯を張った容器を入れて温湿度の調整をする物だった。


しかし、これだと作業の手間や管理に、随分と時間を取られていた。


それを改善したいと思っていた僕は、旅の途中でその醗酵用の魔道具を、設計し作ってしまったのだ。

これは、お湯を用意せずとも、自動で温湿度を調整できる優れものだ。


そして、パン生地の手捏ねも大変な作業だったので、同じく魔道具を作成してしまった。


「ニコル。便利な魔道具を手に入れてくれて、本当にありがとう。随分と、お金が掛かったんじゃないのか?」


「うっ、うん。でも、大丈夫。気にしないで、マルコさん」


僕は本当の事を、言えなかった。

魔道具は、未だによその街で買った事にしている。


素直な村の人達は、そんな僕の言葉を疑わなかった。

ちょっと、後ろめたい気持ちがある。



「これからは、効率良くパンが作れるぞ」


「そうですね。これなら、ミーリアの助っ人は、必要なさそうですね」


「えっ! ミーリアちゃんの手伝いは、終わりなのかい?」


「そうしたいんですけど、駄目ですか?」


「ニコル、何か理由があるのか?」


「そうですね」


僕は服飾工房の事を、マルコさんに話した。


「そうだったんだ。なら、しょうがないな。ミーリアちゃんに、直接話してくれ」


「はい。どうするかは、ミーリアに決めさせます」


この事は、服飾工房の準備が整ってから、ミーリアに話す事になった。


この時、魔道具の精麦機と製粉機も作ってあったのだが、また人手が足りなくなりそうなので、パン工房に導入するのは見送った。


◇


パン工房への新しい魔道具の導入も済み、服飾工房に取り掛かった。


建物は完成しているので、何も無い部屋に棚・収納・テーブル等の家具を設置し、ミシン・裁縫道具・マネキン・デザイン画付きの型紙等の仕事道具を配置していった。


服用の生地も、お金は掛かったが、去年の十倍仕入れてある。


「ミーリア。可愛らしいのが、できたな」


「うん。このミシンと型紙があれば、割と簡単にできるね。それに楽しい」


「そうか良かった。ミーリアが断ったら、他の人を探すところだった」


「私、こっちを選んで良かった。ニコルちゃん、女の子連れて来るもん」


「ははっ。まあ、頑張ってくれよ。人手が足りないようだったら、連れて来るぞ」


「うん。そう言えば、お母さんが興味持ってた」


「アリアおばさんか。ミーリアの先生だし、適任かもな」


この後ミーリアは、ミシンを上手く使いこなす練習に、自分が着たい服を作りまくるのだった。


◇


服飾工房の立ち上げも済み、今度は《野鶏》を村で飼う為に、養鶏場を建てていた。


「よし、できたぞ」


養鶏場は、割りと早くでき上がった。

餌の準備もできたし、野鶏を捌く施設も別に建てた。


「後は、これを誰にまかせるかだ」


毎日の餌やりと、掃除は結構面倒だ。

それに、卵の回収に野鶏を捌かなきゃいけない。


「兄ちゃん。これは、何の建物だ?」


「クルートか。野鶏という鳥を、ここで育てるんだ。これで、肉とたまごが定期的に、手に入いるようになる」


「いいなー、肉かー」


「なあ、クルート。鳥の世話を、毎日してくれそうな人を知らないか?」


「俺やってもいいけど、《土属性魔法》が畑で活躍してるからなー」


「クルートは、畑の方から抜けないな。誰かいたら、教えてくれよ」


「分かったー」



暫くすると、クルートが戻って来た。


「兄ちゃん、連れて来たー。隣りのダリルおじさん」


「もう、連れて来たのか? 随分、早いな。ダリルさん、鳥の世話やってくれるの?」


「ああ、別に構わんぞ。ニコルが、新しい事をしようとしてるんだ。協力しないとな」


「ありがとう。それじゃ、詳しい説明をするから、父さんのところに一緒に来てくれるかな?」


「ああ、いいぞ。それと、一番下のエレンも一緒でいいか?」


「うん、いいよ。一人じゃ、大変だからね」


「済まんな」


こうして、野鶏の飼育の件も何とか目処が付いた。


これで、《亜空間農場》の野鶏の世話をしなくて済むし、エシャット村でも肉とたまごが確保できそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。