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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第五章 エシャット村発展編
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第三十一話 野鶏の捕獲と食材の確保

2021/06/06 シロンのレベルと一部の文章を修正しました。

プラーク街の郊外に転移すると、馬車で目的の森へ向かった。


「シャルロッテ、ちょっと待ってくれ。目的地は、この先の森なんだ」


街道を進むと、森が見えた。

しかしその場所は馬車では近付けず、一旦停止した。


「ヒヒーン!」


「ここからは、騎乗して行く」


「ヒヒーン!」


荷車を《亜空間収納》にしまい、僕とシロンはシャルロッテに騎乗した。


「さあ、行こう」


「ヒヒーン! ヒヒーン!」


いつもの事ながら、シャルロッテは僕を背に乗せ喜んでいた。



森を奥へ行くと、開けた場所があった。


そこは雑草が生い茂り、崩れ掛けた石積みの家が二十軒程建っていた。

人の気配は無く、既に廃れた集落の様だ。


「コケッ!」


「コケッ!」


「コケッ!」


そして、この場所には目的の《野鶏》が、数え切れない程いた。

こんな廃れた集落にいるなんて、昔ここで飼われてたのかもしれない。


その野鶏達はこちらを見つめ、明らかに警戒している。



「いっぱいいるニャ」


「これだけいれば、エシャット村の肉とたまご事情は改善できるぞ」


「シロンの狩猟本能が、疼くニャ」


「ふっ、まるで猫みたいだな」


「シロンは、れっきとした猫ニャ」


「人語をしゃべるけどな」


「そんなのどうでもいいニャ。早く捕まえるニャ」


「待ってくれ、シロン。生け捕りにしたいから、僕一人で捕まえる」


シロンが狩ったら、折角の野鶏を傷付けてしまう。


「そんニャー。でも、生け捕りならしょうがないニャ。その代わり、ダンジョンに連れてってニャ」


「ああ、連れて行ってやる。元々行くつもりだったしな」


シロンはやる気満々だったが、僕の意見を尊重してくれた。



僕は《瞬動》スキルを使い、一瞬で野鶏の前に移動した。


「「「「「コケッ?」」」」」


野鶏は、何が起こったのか理解していなかった。

すぐさま二羽の首を両手で鷲掴みにし、《亜空間農場》に投げ入れた。


「コケー!」


「コケー!」


「コケー!」


野鶏はやっとその状況を理解したらしく、一斉に逃げ出した。

しかし、僕から逃げられる筈も無く、片っ端から捕まえて《亜空間農場》に放り込んだ。



「よし、五十羽は捕まえたぞ。これだけいれば、充分だ」


「この調子で、豚や乳牛も確保するのかニャ?」


「そう思ってたけど、良く考えたらこいつらを飼育するのって結構大変なんだよな」


「今頃、そんな事言ってるニャ」


「本当だよな。でも、一応確認しておくか」


将来の為に、《検索ツール》で豚や乳牛を探してみた。



「野良の豚や乳牛はいないな。猪や品種の違う野生の牛ならいるけど」


「それじゃ、駄目なのかニャ?」


「猪はいつでも捕まえられるし、牛は生クリームやバターやチーズ用に牛乳を確保したかったんだ」


「そうだったニャ」


「取り敢えず、野鶏だけでいいや」


「それは良かったニャ。用事が済んだなら、さっさとダンジョンに行くニャ!」


「分かったよ」


「久しぶりのダンジョンニャ!」


「ヒヒーン! ヒヒーン?!」


「私は、留守番ですか?って言ってるニャ」


シャルロッテは、今の会話を聞いていた。

だが、今回も連れては行けない。



「シャルロッテ、すまない。今回も《亜空間農場》で、待っててくれないか?」


僕はシャルロッテの首を、優しく撫でてやった。


「ヒヒーン! ヒヒーン!」


「しょうがない。ご主人の為に待つって言ってるニャ」


「ありがとな」


そして今度は、頬擦りをしてやった。


「ヒヒーン! ヒヒーン!」


「ああ、幸せって言ってるニャ。くっ、羨ましい!」


シャルロッテが満足したところで、《亜空間農場》に入って貰った。


「それじゃ、シロン。ダンジョンに行くぞ」


「はいニャ!」


僕とシロンは、プラーク街のダンジョン近くに転移した。



僕達はダンジョンに入場すると、五日間狩りまくった。


前回のようにサジ達がいないので、自由に動けて大量の食料を確保できた。

シロンも活躍し、首に小型の魔法袋をぶら下げ、自分でドロップ品を回収していた。


「何だ、あのネコ。魔物を狩ってるぞ!」


「ドロップ品を、魔法袋に回収してやがる!」


「あのネコ、可愛いなー!」


シロンの狩りが人目に付き、噂になるという一幕があった。

しかし、この事は予想していたので、僕とシロンは《変装魔法》で姿を変えていた。



「クロン。これくらいで充分だ」


シロンは今、黒ネコのクロンになっている。


「もう、いいのかニャ?」


シロンは、終始狩りを楽しんでいた。


「ああ、今度はエーテル街に行くぞ」


「また、ダンジョンの街ニャ」


「悪いけど、ダンジョンには行かない。孤児院に行く」


「それは、残念だニャ」


シロンは嘆きつつも、レベルが一つ上がりレベル25になっていた。

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