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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第五章 エシャット村発展編
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第十六話 帰宅の報告

母さんは僕を充分堪能し、ニコニコしている。


そして、幾分肌艶が良くなったように見えた。

普段から実際の年齢より若く見えるのだが、一層若返ってしまった。


「久し振りに、ニコルちゃんを堪能できたわ。母さん、満足よ」


「母さん。晩御飯、僕のとシロンの分も頼むね」


「今日はニコルちゃんが帰って来たから、ご馳走にするわね」


母さんはそう言うと、ウキウキしながらキッチンへ向かった。



僕は母さんから解放され、父さんのところへ向かった。


「父さん、ただいま」


「ニコル、お帰り。みんな、無事に帰って来たのか?」


「うん、無事だよ。みんな、成長して帰って来た」


「おお、そうか。それは、良かった。それにしても、ニコル以外に魔法使いが三人もいるとはな。今でも、信じられんぞ」


「今まで、魔法使いの資質を確認する方法も、魔法を学ぶ環境も無かったからね」


「これからは、定期的にやっていこうな。ニコル、頼んだぞ」


「うん、任せて。それで、みんなの仕事の事なんだけど、どうしようか?」


「ニコルの言ってた、村の警備の事だよな」


みんなをダンジョンに連れて行くので、農作業への支障と彼らの給料の事を父さんに相談していた。

その際、彼らの才能と村の警備の事を打ち明けている。


「うん」


「あいつらに、言ったのか?」


「いや、まだ」


「どうしたものか。今までこの小さな村に、専任で警備を置く余裕なんて無かったからな」


「それじゃ、保留だね」


「そうだな。だが、ダンジョンの経験を活かして、狩猟班に移るって手もあるぞ」


「そうか。それじゃ、それとなく聞いとくね」


「ああ、頼む」



「あと、今回ダンジョンで、魔物の肉を手に入れたんだ。他にも、野菜や果物もあるよ。どれも、凄く美味しかった」


「それらは、スーパーで売るのか?」


「うん。でも、売れ行きが良かったりすると、直ぐに無くなっちゃいそうなんだ」


「そうか。だったら、毎日は売らないほうがいいな」


「そうだね。週一ペース位が、いいかもね。後で、手に入れた食材のリストを渡すよ。ダンジョンの買取り価格も、載せとく」


「ああ、済まんな」


僕はその後、スーパーへ向かった。



スーパーは、丁度店仕舞いをしてるところだった。


そこには、ロッシとニーナがいたので声を掛けた。


「ロッシ、ニーナ、仕事はもう慣れたか?」


「ニコルにーちゃん、お帰り。僕はもう、大丈夫だよ」


「私も、大丈夫。スーパーのお仕事、楽しい」


「それは、良かった。二人には、お土産をあげるよ」


「「やったー!」」


僕は魔法袋から《モーモ》を二つ取り出し、二人に差し出した。


「ほら、一つずつやるよ」


「「わー、いい匂い」」


そこへ、エレナ姉さんがやって来た。



「あー、二人にだけお土産あげてるー。ずるーい!」


「エレナ姉さんの分も、ちゃんとあるよ」


「そうなの? なら、今直ぐちょーだい!」


「はい、はい」


僕はそう言いながらモーモを魔法袋から取り出し、エレナ姉さんに渡した。


「やったー!」


姉さんは子供の様に喜んでいるが、既に十八歳である。

八月の十九歳の誕生日には、嫁ぐ事も決まっている。


「エレナ姉さん。もう少し、大人になった方がいいんじゃない?」


「ムッカー! ニコルの癖に、生意気!」


「もうすぐ、結婚するんでしょ」


「そんな事、ニコルが心配しなくても大丈夫よ! ありのままの私を、受け入れてくれるんだから!」


「良かったね。相手の家族が寛大で」


「当たり前じゃない。生まれた時から、私の事を知ってるんだから」


「そうだったね」


エレナ姉さんには、『嫁ぎ先の家を、大きく建て替えてよ!』なんて事を、以前言われた。

しかし、今は断っている。


手加減した錬金術で家を建てるのは、結構面倒臭いのだ。

増築くらいだったら、してあげようと思っている。


「それじゃ、僕達帰るね」


「ニコルにー、バイバイ。お土産、ありがとね」


「ああ。二人共、気を付けて帰れよ」


「「うん」」


ロッシとニーナは、お土産に上機嫌になりながら帰っていった。



「そう言えば、ルチアナ義姉さん見ないね」


「ルチアナさん、悪阻が酷いみたいなのよね」


「えっ! おめでたなんだ。良かったね」


「ニコルも、叔父さんね」


「そう言うエレナ姉さんだって、叔母さんだよ」


その僕の言葉に、エレナ姉さんの表情が変わった。


「私を、『叔母さん』って言うなー!」


「そんなの、理不尽だ」


エレナ姉さんは、『叔母さん』と言われた事に腹を立ててしまった。


この後、ダンジョンでドロップした《メーロン》をあげたら、機嫌を直してくれた。


その日の夕食は、《ミノタウロス》のステーキだった。


僕が久し振りに帰って来たので、母さんが高級食材を振舞ってくれた。

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