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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第五章 エシャット村発展編
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第十五話 ダンジョンの街プラークからの帰宅

僕はダンジョンにいる間、二日目以降もみんなの目を盗んで《亜空間農場》を抜け出した。


そして、夜な夜な魔物を狩って食材を確保した。

サジ達が獲得した食材だけでは、スーパーに並べるには数が少なかったのだ。


一番多く手に入れたのは、シャルロッテの好物のトウモローコシで五千本以上ある。

野菜や果物の魔物の狩りはそこそこにして、肉をドロップする魔物を中心に狩った。


鶏の魔物の《ニーワトリ》・烏骨鶏の魔物の《ウーコッケイ》・兎の魔物の《ホーンラビット》は、小型の為か丸々一羽ドロップした。

しかし、山羊の魔物の《ヤーギ》・羊の魔物の《ヒツージ》・豚の魔物の《ブータ》・猪の魔物の《ボア》・牛の魔物の《ウーシ》は、丸々一頭とはいかず部位ごとだった。


ヤーギの肉は二キロ程だったが、ブロックを先に進むにつれ肉の大きさも増していった。

そして、ヤーギやウーシがドロップした物の中には、チーズや瓶に入ったミルクなんかもあった。



今回のように夜遅く頑張らなくても、エシャット村に帰ってから《転移魔法》でいつでもダンジョンに行けたのだが、この魔法の事はみんなに内緒にしている。

じゃないと、サジが『また、連れて行け』と煩そうだし、それ以前に他人に知られたくなかった。


スーパーの在庫の多さをサジ達に指摘されたら、『毎晩、こっそり一人でダンジョンに行ってたんだ』と、言ってやるつもりだ。


でも、いつまでもこの言い訳は通用しないので、肉の供給方法をいつか確立したいと思っている。



そして、僕達は今ダンジョンの街プラークから、エシャット村に向かっていた。


既に、今日中に村に着くところまで来ている。


「シャルロッテ、村はもう直ぐそこだ。そんなに、飛ばさなくてもいいぞ」


「ヒヒーン!」


シャルロッテがとばすので、帰り道は六日で着いてしまう。

十日間も《亜空間農場》にいたので、ストレスが溜まったのかもしれない。



僕達はエシャット村に到着する前に、最後の休憩をとった。


そして、僕からみんなに《小遣い》を配った。


「ニコル、十万マネーも貰っていいのか?」


「みんな、一ヶ月近く仕事を休んでたから、給料貰えないだろ。頑張ってたし、少し色を付けといたぞ」


「むふふっ。このお金で、ケーキがいっぱい買える」


「おいらは、母ちゃんに全部あげるんだぜー」


「僕も、お母さんにあげよう」


「私は服を作るのに、生地を買おうかな」


みんなは、突然の収入に喜んでいた。



「ニコルっち。最後に、《モーモ》が食べたい」


「ウェンディ、今回が最後だぞ。ダンジョンで手に入れた物は、スーパーの売り物にするんだ。今度から、買ってくれよ」


「分かってるって」


前世の記憶にある桃より二回り程大きいモーモを、切り分けて皿に出した。


「やったー、モーモだ。これ、甘くて美味しいよね」


モーモは僕も好きだし、みんなにも大人気だった。


僕はシロンとシャルロッテにも、切り分けてあげた。


「ニャー、ニャー」


「ヒヒーン! ヒヒーン!」


二人(二匹)も、美味しくて上機嫌だった。



日が沈み掛けた頃、僕達はエシャット村に到着した。


そして、みんなの家を順番に回り送り届けた。


「ニコルちゃん、ありがとう」


「ああ。また、明日な」


最後に、隣りの家のミーリアを送った。



自宅に到着すると、シャルロッテを荷車から外し厩舎に入れた。


「シャルロッテ。今日はもう遅いから、魔法で綺麗にするけど勘弁してくれないか?」


「ヒヒーン! ヒヒーン!」


「残念。でも、しょうがないって、言ってるニャ」


「ごめんな」


僕はそう言いながら、シャルロッテの体を《生活属性魔法》の《清浄》で綺麗にしてやった。

いつもは、僕の手でブラッシングや蹄の手入れをしている。


その後、シャルロッテに食事と水の用意をした。

お気に入りのトウモローコシも、二本添えてやった。


「長旅、ご苦労だったな。食事が済んだら、ゆっくり休むんだぞ」


「ヒヒーン!」


美味しそうに食事をするシャルロッテの背中を、優しく撫でてやった。


「さて、実家に行くかな。シロンも付いておいで」


「ご主人、ママさんと久し振りだから大変ニャ」


この後僕は、母さんを相手にしなければならなかった。



僕の顔を見た母さんは、思いっきり抱き付いてきた。


「ニコルちゃん、やっと帰って来てくれた。母さん、寂しかったよー」


「母さん、ただいま。子供達の相手、一人で大丈夫だった?」


「うん。みんな良い子だから、大丈夫よ」


「それはそうと、母さん抱きつくのは、もうそろそろいいんじゃないかな?」


「駄目よ。まだ、ニコルちゃんの補充が、終わってないもの。もう少し、このままにさせてね」


母さんは、なかなか僕を離してくれなかった。

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