【閑話】 ニコル神界にて
2020/12/11 魔法の名称を変更しました。
例)聖魔法⇒聖属性魔法のように、最上位に《属性》を追記します。
以降のページも、随時修正を行います。
せっかく書いたので、掲載する事にしました。
今後、神界が出てくるか分かりません。
ニコルは、元女神の屋敷にいた。
そして、鏡を見て自分が若返っている事に気付く。
「また、若返ったか。今回、わしは何もしていないぞ」
容姿の変化を、あまり気にしてなかった。
だが、『この二十歳位の見た目で、自分の事を《わし》と言うのも何だな』と、思っていた。
『コンコン!』 扉を叩く音がした。
この家には、呼び鈴が無いようだ。
「どうぞー、勝手に入ってください」
ニコルはこの時、見た目に合わせた口調に直す事にした。
「ニコル様。御初にお目に掛かります。私、ニコル様の部下に任じられた《ジェフ》と申します。今後とも、よろしくお願い致します」
目の前に現れた《岩跳びペンギン》に、挨拶をされた。
なぜペンギンなんだと思いもしたが、『何でも有りの世界なんだな』と、一人納得し挨拶を返す。
「えーと、先ほど神を押し付けられたニコルだ。正直、まだ受け入れられてないんだけど、今後ともよろしく」
「はー、心中お察しします」
「ところで、神様って職業みたいな風に言ってたのが気になったんだけど、何か知ってる?」
「はい。私達の所属は《天の川銀河カンパニー》です。星に神様を派遣し、生命の誕生や守護が仕事です」
「えっ、天の川銀河? やっぱりそうだよね。ネタバレになるから言わないけど、そうだと思ったよ」
「ネタバレ? 何の事でしょうか」
「いやいや、いいんだ。気にしないでくれ。それで、仕事と言うからには《対価》は支払われるのか?」
「人のような、お金が支払われる事はありません。神様は無からでも大概の物は作れますし、食事も睡眠も必要ありません」
「ただ働きということ?」
「厳密に言えばそうですが、星を納めれば経験値が得られ《神レベル》が上がります。それと共に、《神力》が上がります」
「んー、それが何に役立つか分からないけど、まあいいや。他には何かある?」
「いえ、ございません」
「それじゃ、もう一つ質問。さっきの口ぶりだと、他にも生命が存在する星があるんだよね?」
「天の川銀河には、現在百柱の神様が派遣されています。しかし、生命体のレベルは様々です」
「そうなんだ。あと、地球には神様がたくさんいるみたいだけど、この星はどうなの?」
「この星の神は、ニコル様だけです。多くの星は、唯一神です。しかし、地上で神が生まれる事もあります。その場合は、それらを束ねるのも仕事となっております」
「ふーん。それで地上の神殿には、代替わりをどう伝えればいいのかな?」
「特に、必要ありません。神の名前は代々受け継がれる物で、初代様の名を受け継ぎます。地上の生命体は、代替わりに気が付きません」
「そうなんだ。あとは仕事内容なんだけど、何をしたらいいんだ」
「基本的には、生命体の維持です。ニコル様の御心のまま《神託》《加護》《神罰》を御与えください。特に何もしなくてもかまいません。またニコル様の存在は、適正のある者にとって《聖属性魔法の源》となります」
「じゃあしばらくは、地上を覗き見するだけにしようかな」
「ニコル様の御心のままに」
わたしはこの後《並列思考》スキルを行使し、モニター越しに地上を覗き見しながら、転生してからの事を思い出していた。




