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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第五章 エシャット村発展編
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第五話 女の子の成長は早いな

エシャット村をシロンとシャルロッテに案内しながら、僕は家を建てる土地を探していた。


「それにしても、家を建てるいい場所って、なかなか見付からないな。母さんに来て貰わないといけないから、やっぱり実家の横が一番いいのかもな」


「独り立ちするのに、実家の横って無いニャ」


シロンにそんな事を言われたが、合理性を考えると実家の横が良かった。

不都合があったら、セカンドハウスを建てるという策もある。


結局いい土地は見付からず、家に着く頃には夕方になっていた。



家に着くと、シャルロッテを厩舎に入れ食事を与えた。


「シャルロッテ、僕特製の食事は美味しいか?」


今あげている飼葉は、この村で取れたものを使っている。

それに栄養バランスを考慮し、穀物をいろいろと混ぜてみた。


「ヒヒーン!」


シャルロッテは、頷いている。どうやら、気にいってくれたようだ。



「ご主人、シロンもお腹すいたニャ」


「そうか、ならここで食べるか?」


「食べるニャ」


僕は《亜空間収納》から、シロン用に調理してある《ミノタウロス》のひれ肉を出してやった。


「やったニャ! 今日は《ミノタウロス》ニャ!」


シロンは、匂いで分かるらしい。それを、美味しそうに食べ始めた。



僕が二人(二匹)の様子を見ていると、そこに父さんがやって来た。


「ニコル、帰ってたのか」


「うん。ちょっと、前にね」


「そうか。馬と猫に、餌をやってるんだな」


「もう、夕食どきだからね」


「そうだな。ところで、その猫『シロン』って言ったか? 随分、上手そうな肉を食べてるな」


「ま、まあね」


今朝、我が家の食卓に上がった《ミノタウロス》の肉とは、言いづらかった。



丁度いいので、父さんに家を建てる場所の話しをしてみた。


「父さん。今日村を回って考えたんだけど、やっぱりこの家の隣りに僕の家を建てる事にするよ」


「おお、そうか。それは良かった。それなら母さんも、許してくれるだろう」


「それで、近々着工しようと思うんだけど、場所をちゃんと決めたいんだ」


「分かった。もう遅いし、明日でいいか?」


「うん」


家を建てる場所はほとんど決まったが、『母さんに、先生になって貰いたい』という事は、まだ伏せていた。

あくまでも僕の勝手な希望なので、家を建ててから相談する事にした。



「あれっ? 何か忘れてるような気がする」


「そう言えば、ミーリアが来たな。『ニコルは、帰って来てない』って言ったら、落ち込んでたぞ」


「あー、忘れてたー! ちょっと、ミーリアの家に行って来るよ!」


「ニコルも、大変だな」


父さんに、同情されてしまった。


だが、その言葉に返事を返さず、僕は慌ててミーリアの家に向かった。



『トントン』


「はーい」


「こんばんは。遅くにすみません』


「あら、ニコルちゃんじゃないの。ミーリアにお土産、ありがとね」


「いえ」


「ミーリアなら、部屋に一人でいるわよ。元気が無い様だから、頼むわね」


「はい、おじゃまします。あとこれ、お土産です。《落花生》と言う名前の豆で、殻を割って食べてください」


「あら、悪いわね」


僕は落花生の入った袋をおばさんに渡し、家にお邪魔した。



『トントン』


僕は、ミーリアの部屋のドアを叩いた。


「ミーリア、入ってもいいか?」


「ニコルちゃん? 来てくれたんだ。入っていいよ」


僕はドアを開け、部屋に入る。

そして、ミーリアの目が赤い事に気付く。


「ミーリア。遅くなって、ごめんな」


「遅いよ、ニコルちゃん。ワンピースに着替えて、ずっと待ってたんだから」


ミーリアは、お土産の白いワンピースと赤い靴を身に着けていた。


「どうしたら、許してくれるんだ?」


「『ギュッ!』としてくれたら、許してあげる」


「えっ!」


思わず、聞き返してしまった。


「『ギュッ!』として」


僕は、正直照れてしまった。だが、直ぐに覚悟を決めた。


「分かった」


そう言うと、僕はミーリアに体を寄せ、両腕を背中に回し優しく抱きしめた。

すると、ミーリアも僕の背中に腕を回し抱き返した。


どのくらい、時間が経っただろうか?


「もう、大丈夫」


ミーリアが、腕を解いてそう言った。


僕も腕を解いてミーリアの顔を見ると、ミーリアは『ニコッ』と微笑んだ。


僕はその笑顔に、『ドキッ』としてしまった。


「ニコルちゃん。このワンピースと靴、私に似合ってる?」


「ああ、凄く可愛いよ」


「やったー! ニコルちゃんが、可愛いって言ってくれた」


ミーリアは、ワンピースと靴を身に着けたところを、僕に見せたかったらしい。


「それじゃ、夕食の時間だし帰るよ」


「うん。また、明日ね」


僕はミーリアの家を、お暇した。


そして家までの帰り道、『今まで妹みたいに思ってたけど、女の子の成長は早いな』なんて、呟いていた。

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