表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第五章 エシャット村発展編
110/402

第一話 帰郷

2020/11/01 《万能調教》の《念話》のくだりを、修正しました。

2020/09/03 ジーク兄さんの嫁の名前を変更しました。

僕達は《ノースブルム大峡谷の砦》を後にし、約二ヶ月掛けて《エシャット村》の近くまで来ていた。


「もう直ぐ、エシャット村に着くぞ!」


「やっと、着くニャ!」


「ヒヒーン!」


僕がエシャット村を旅立ったのが四月の初めで、今はもう十二月の下旬だ。

七月に一度、納税に行く父さんの護衛をする為に戻ったけど、約九ヶ月間旅に出ていた事になる。



戦争の方は、《ガーランド帝国軍》が正攻法では攻めきれず、一昨日約二ヶ月で撤退した。


そして驚く事にそのタイミングで、《影の英雄》という称号が、僕のステータスに追加された。


その《影の英雄》の称号には特典があり、戦闘時に全てのステータスが二倍になるそうだ。

『どこかの誰かが、僕に戦闘をさせたいんじゃないか?』なんて、勘ぐってしまう。



それと、これは秘密にしている事だが、ステータスの職業を《ダンジョン探索者》に変えた時、固有スキルを一つ取得している。

その増えた固有スキルは《万能調教》なのだが、これは生物をテイムできる能力だった。


スキルレベルによって、《テイムできる生物》や《能力の効果》は変わってくるみたいだ。

ラノベの異世界物では、テイマーなら《念話》が定番である。


二人(二匹)と契約するか迷ったが、その結果僕に《服従》する事になり、《元人間》という事もあって言えなかった。



そして、長い行商の旅を終え、久しぶりにエシャット村へ帰って来た。


「ニコルちゃーん! お母さん、寂しかったよー!」


母さんが僕を真っ先に見付け、馬車の御者台に駆け寄り、きつく僕を抱き締めた。


「もう、どこにも行っちゃイヤッ!」


母さんは、未だに子離れできないでいた。

恥ずかしい台詞を、人目を憚らず僕に向かって言ってくる。


『知らない人が見たら、いったいどう思うのだろうか?』そんな事を考えてしまう。


「母さん、落ち着いて。僕は行商人になったから、そういう訳にはいかないんだよ」


「イヤッ! ニコルちゃん、行っちゃダメー!」


母さんは駄々を捏ねながら、涙目になってしまった。


「母さん。しばらく村にいるから、泣くのはよそうね」


「しばらくって、どのくらい?」


「さあ、どれくらいだろうね」


「うえーん!」


母さんは、なかなか納得してくれなかった。


そうしている内に、村の女性達も集まって来て、てんやわんやだった。



騒ぎが収まり、母さん以外の家族にも顔を合わせた。


すると、僕のいない九ヶ月の間に、家族構成が一部変わっていた。


だからと言って、弟か妹ができた訳じゃない。

ジーク兄さんが結婚して、お嫁さんが家にいたのだ。


そして、兄さんからお嫁さんを紹介された。


「ニコル。俺、ルチアナと結婚したんだ。今はここに住んで、店の手伝いをしてる」


「えっ、そうなの? おめでとう」


「ニコル君、久し振り! これからは、私も家族だから。よろしくね」


「はい、よろしくお願いします。これからは、ルチアナさんを『姉さん』って呼ばなきゃね」


兄さんもルチアナさんも二十歳で若いが、この世界ではこの年齢での結婚は普通である。


ルチアナさんは、昔から知っている健康的で愛嬌のあるお姉さんだ。


以前から結婚するとは聞いてたが、僕がいない間に済ませたらしい。

とは言っても、村人は一般的に結婚式というものはしない。

互いの家族が集まって、小規模な宴会をするだけだ。



「ニコル、お帰り。お土産、買ってきてくれた?」


「う、うん、買ってきたよ」


実は、お土産を買ってなかった。

この時、『仕入れた服や下着を、お土産すればいいか』なんて事を、思い付いた。


「やったー!」


エレナ姉さんは、相変わらず元気である。

今は、実家のスーパーで働いていた。



「おお、ニコル。無事に帰って来たな」


「うん、ただいま」


「どうだ。収穫はあったか?」


「うん。いろいろ、あったよ」


「ああ、そうか。父さん、ちょっと忙しいから後でな」


父さんは、村長とスーパーの仕事を兼任していて、忙しくしていた。



その後、シャルロッテを厩舎に入れに外に出た。


「シロン、シャルロッテ、お待たせ」


「気にしなくていいニャ」


「ヒヒーン!」


シャルロッテは僕の顔を見ると、顔を摺り寄せてきた。

頭を撫でてやると、気持ち良さそうにした。


僕は馬車を倉庫まで誘導し、シャルロッテを荷車から外す。


「シャルロッテ。厩舎に行くぞ」


僕が厩舎の方へ手綱を引くと、シャルロッテは嫌がって歩こうとしない。


こういった行動は、今までも何回かあった。

それは、決まって牡馬がいる時だ。

シャルロッテは牡馬に異様にモテルが、決して近付けさせない。


「そう言えば、家の馬は牡だったな。シャルロッテ、気付いたんだ」


シャルロッテは、厩舎と反対の方へ逃げようとした。


「なあ、シャルロッテ。今日は、我慢してくれないか?」


「ヒヒーン!」


シャルロッテは、首を激しく横に振った。


「しょうが無いな。シャルロッテ専用の厩舎を作るから、それでいいな」


「ヒヒーン!」


シャルロッテは首を縦に振って、納得してくれた。


僕はシャルロッテの為に、急遽厩舎を作る事になった。

だからといって勝手に作る訳にもいかず、父さんの許可を貰う必要があった。


「じゃあ、シャルロッテ。厩舎の場所を父さんに相談してくるから、大人しく待ってるんだぞ」


「ヒヒーン!」


シャルロッテは、嬉しそうに頷くのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ