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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第四章 行商仕入れ旅編
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第十六話 お前ら全員、ぶっ飛ばす!

僕は展開した《防御壁》の上に、《目視転移》をした。


「《亜空間収納》」


そして直ぐに、《亜空間収納》を開いた。


「《防御壁》上の物を、回収!」


次の瞬間、《防御壁》の上で広範囲に転がっていた岩や塵が、全て消えた。


「できた! なんとなく、できるような気がしたんだよね」


《防御壁》上にある物全てを、一つの物として解釈した。


人目に付く可能性もあったが、緊急を要しているので、《亜空間収納》を使ってしまった。


「仮面をつけているし、人に見られても大丈夫だよね」


僕はそう言いながらも、少し心配になった。


「まだ爆発の余波で落石の危険があるし、《防御壁》はしばらくこのままだな。次は、爆破を起こした連中でも捕まえに行くか!」


僕はジャンプを繰り返し、崖を登った。

《転移魔法》を一回使ってしまったが、これも人目に付きたくなかったので二回目は使わなかった。



崖崩れを起こした場所に行くと、近くには男が五人いた。


「なっ! 崖が崩れたばかりだというのに、どうやって登った!」


「そんな事、どうだっていいだろ!」


「こいつ、報告にあった《仮面の男》じゃないか?」


「そう言えば、トンネルを塞いだ奴が、仮面を着けてたと言ってたな」


「お前が、落石を防いだのか? こっちは狼煙を見て、段取りが終わってないのに、計画を早めたんだ!」


「それは、お前らの都合だろ! それこそ、どうだっていい!」


「チッ! みんな、こいつを殺るぞ!」


「「「「おうっ!」」」」


五人の男は、ダガーナイフを構えた。



僕は戦争とはいえ、無差別殺人を起こそうとしたこいつらに、だんだんと怒りが込み上げてきた。


「お前ら全員、ぶっ飛ばす!」


「「「「「うっ!」」」」」


次の瞬間、僕は超高速で五人に近付き、《腹パン》を食らわせていた。


「お前らは、人を殺めようとしたんだ。その逆の覚悟も、できてるんだろうな!」


僕の《威圧》スキルはレベル1だったが、奴等に向かって放った。


「「「「「ひいっ!」」」」」


充分、効果はあったようだ。


『バシッ!、バシッ!、バシッ!、バシッ!、バシッ!』


今度は顔面に、パンチを食らわせてやった。

その結果、全員吹っ飛びながら意識を失った。


その後、武器や爆弾を取り上げ、魔法で縛り上げてシロンの元に戻った。



「ただいま、《クロン》。何か変わった事はあったか?」


せっかく《黒猫》に変装しているので、その名前で呼んでみた。


「大丈夫ニャ! こいつら、まだ眠ってるニャ」


「そうか。僕は爆弾を回収してくるから、こいつらを見張っててくれ」


「分かったニャ!」


「その前に、やる事があるな」


最初に捕まえた奴等の武器や爆弾を回収し、念の為十人全員に《睡眠》の魔法を掛け、岩壁の爆弾の回収に向かった。



「ただいま」


「ご主人、早いニャ!」


「まだ、全部仕掛け終わってなかったみたいだからな。こいつら、早く軍に引き渡しちゃおう」


「賛成にゃ!」



シロンにはシャルロッテのところに戻って貰い、僕は十人の爆弾魔を連れてトンネルの近くに転移した。

そこには、ガーランド兵を警戒したエステリア王国軍が、見回りを強化していたからだ。


「ここに置いて行けば、エステリア兵が見付けてくれるだろう。そうだ、これを使うか!」


早く見付けて貰う為、爆弾魔の持っていた狼煙を使った。

『崖崩れの犯人』という書置きも、ちゃんとしてある。


この後、爆弾魔は思いのほか早く発見され、僕はこの場を後にした。


「これだけの騒ぎがあったんだ。そのうち、山の上に人が来そうだ。もう、あの場所から離れないといけないな」


僕はこの時、場所を移して戦争の終わりを見届けるか、戦争の終わりを見ずにエシャット村に帰るか考えていた。

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