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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第四章 行商仕入れ旅編
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第十一話 くっ、僕は行商人だぞ!

2020/12/12 二ヶ所カインだったところを、アレンに修正しました。

南地区へ行くと、劇場が見えた。


そして、掲げられている看板の絵に目が留まった。


「あれっ、これってアレンさんに似てるな」


アレンさんは、Aクラスのダンジョン探索者だ。

そして、僕のダンジョン探索者試験の試験官を担当した人だ。

僕は実技試験で全然歯が立たなかったし、アレンさんが凄く強い事を知っている。


「アレンさんって、もしかして有名人なのか? それとも、他人の空似?」


看板には、演目も書かれていた。

それは、どこかで聞き覚えがあった。


看板の演目には、『光の英雄伝説』と書かれていた。


「これって、エミリが言ってたアレンさんの《称号》じゃないか?」


僕は、《ダン防》での出来事を思い出した。


「やっぱり、アレンさんだよな。だったら、どんな活躍をしたのか見てみたいな」


「ご主人、知り合いかニャ?」


「ああ、エーテルのダンジョンの試験官だったんだ。こてんぱんに、やられたよ」


「それは、凄いニャ!」


「もしかして、八年前の戦争を止めた英雄ってのも、アレンさんかもな」


「戦争を、止めたニャ?」


「ああ。さっき食堂で、そういう英雄がいたって聞いたんだ」


そんな話しをしていると、劇場の敷地から見るからに貴族という豪華な馬車が出てきた。

すると、馬車の中のカーテンが突然開き、外を見る人物がいた。


その視線は、僕に向けられてるような気がした。



《その頃、馬車の中では》


「お爺様。どうなさったのですか?」


「いや、外に強い気を感じてな。そこには、馬に騎乗した少年がいた」


「少年ですか? 何者でしょうね」


「それは分からぬが、ただ者ではないな」



馬車は、そのまま貴族街に向かって走っていった。


僕は演劇の内容が気になったが、シロンとシャルロッテを待たせる訳にもいかず、繁華街へ買い物をしに向かった。



南地区でも、目ぼしい食品を買い終えた。


昨日行った店の店員には、『また、そんなにたくさん買うのかい?』なんて、言われてしまった。

僕はめげずに、『明日も来ます』と、言ってやった。


そして今、入店しようか悩んでるのは、女性用下着の販売店。


「くっ、僕は行商人だぞ! 何を、恥ずかしがってるんだ!」


僕は店の中に、なかなか入れないでいた。

エシャット村には、この店で売っているようなお洒落な下着は、普及していないはずだ。


僕は周りの目を気にしながらも、勇気を振り絞って店に入った。


「あら、かわいい坊やね。今日は、誰かにプレゼントかしら? それとも、自分で着けるの?」


魅惑的なスタイルの女性店員が現れ、とんでもない事を言ってきた。


「ちっ、違います。僕は行商人で、商品を仕入れにこの街に来たんです」


「ほんとに? 怪しいなー。綺麗な男の子に有りがちなのよねー」


「本当ですって。これ、商業ギルドの会員証です。それに、仕入れた商品です」


「あら、本当みたいね。疑って、ごめんなさいね」と言って、ウインクをしながら舌を『ぺろっ』と出した。


『はいはい。年下の男を、からかったんですよね』と、心の声。


「田舎の村の店で売るんですけど、どんなのがいいですかね?」


「君は、どんなのが好みかな?」と言って、僕に腕を絡ませてきた。


「いやいや、まじめにお願いしますよ」と言って、僕は店員の腕を振り払った。


「もう。ちょっとくらい、いいじゃない」


僕はこの人に頼ったら、駄目な気がした。

彼女のペースになる前に、僕は行動に出た。


「それじゃ、これと、これと、これと、・・・・・・・・・・・・・・・」


僕はサイズを問わず、安いのからブラを五十着とパンツを五十着選んだ。

その中には、上下セットのも含まれている。


「こんなに買うの?」


「はい」


僕はお金を支払うと、そそくさと店を後にした。


金額は三十五万マネーくらいだったが、慣れない商品を買うのに精神的に疲れてしまった。



買い物を終え、僕達は借家に帰った。


「シャルロッテ、お疲れ様」


「ヒヒーン、ヒヒヒーン!」


「今日はご主人様を乗せて走れて、嬉しかったと、言ってるニャ」


シャルロッテは僕から見ても、終始上機嫌だった。


「シロンは、シャルロッテの首しか見えなかったニャ。次は、ご主人の服の中から顔を出して乗りたいニャ」


僕はその光景を、想像してしまった。確かに、普通の猫なら可愛らしいと思う。しかし。


「暑苦しいな。却下だ」


「そんな言い方、酷いニャ」


「そんなに景色が見たいなら、鞄に入ってろ」


「ご主人の温もりを、もっと感じたいニャ」


「却下だ!」


「それじゃご主人、暑いなら半ズボンはどうかニャ? それなら、今日の場所でもいいニャ」


「シロンは、僕にどんな妄想をしてるんだ。却下に決まってるだろ!」


その後、『留守番にするぞ!』と言ったら、シロンは大人しくなった。

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