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真冬の出会い2
しばらくカエルと話したアメは雪だるまを作ってみたり、雪合戦をして遊んだ。
「冬は……こんなに楽しかったのか……」
「楽しかったっしょ? でももうおしまい!」
カエルは満面の笑みのまま、手を軽く叩いた。
「おしまいなのか?」
「うん! そろそろ吹雪が来る。さすがに吹雪の中じゃ遊べないよねー!」
「吹雪……」
そういえばなんだか風が強くなってきているように思えた。
雲行きも怪しい。
「じゃね!」
カエルは軽く手を振るとどこかへと去っていった。
「……」
アメはひとり取り残され、呆然と揺れる木々を見据えていた。
やがて雪がちらつき始め、異様な寒さが襲ってきた。アメは身の危険を感じ、慌ててねぐらへと戻って行った。
雪のトンネルをくぐり、土と雪で穴を塞いでモグラの棲み家のような部屋に入った。部屋の隅には布団が敷いてあり、アメはとりあえずその布団の中に入る。
目を閉じて先程の少女を思い浮かべた。
彼女は不思議な雨神だった。
また会えるだろうか?
アメは強い眠気と共に、甲高い風の音を聞きながらそんなことを思った。
暗い穴の中、アメは再び眠りについた……。