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ひやむぎVSそうめん1

七月になった。

蒸し暑い日が続く。

こんなに暑い中、この島に住む、かえるの雨神達は暑苦しい喧嘩をしていた。


「ひやむぎ!」

「そうめん!」

島に住む、かえる達は半々にわかれて戦っていた。


「そうめんがいいー! 細いのが喉ごしいいじゃん!」

「いやいや、ひやむぎだ! 喉ごしを楽しむならひやむぎ!」

かえるフードを被っているカエルと、編み笠に和装のアメは議論を戦わせている。


「あたしもそうめん! ぜったいそうめん!」

「わ、わたし……は、ひやむぎのが……」

赤いかえるイチゴと、青いかえるコバルトも無駄なにらみ合い。


「ケケー! そうめん! そうめん食べたい! ケケー!」

「まいったのぉー、私はひやむぎじゃ……」

紫なのに黄色のかえるキオビと、一番長く存在する雨神、長老も意見が割れていた。


「……、ところでさ、なんでひやむぎかそうめんの争いしてんの? 私、途中から入ったから全くわからないんだけど」

ふと、カエルが額の汗をぬぐいながらアメに尋ねた。


「知らずに意見していたのか……」

「カエルちゃんははじめてじゃな。教えてあげようぞ」

アメが呆れた声を上げ、長老が説明を始めた。


「えー、毎年この時期は、七夕があるじゃろ? 七夕はひやむぎを食べる習慣が我々にはあって……」


「ひやむぎじゃない! そうめんさね!」

こちらの話を盗み聞きしていたイチゴが声を張り上げるが、長老は苦笑いで話を続ける。


「はは……えーと、この時期になると、大陸から麺が届くのじゃよ。私が、知り合いの神に食べられる分だけ頼んでるんじゃが、ひやむぎとそうめんのハーフアンドハーフがなぜか受け入れてもらえなくて、どっちの麺を多めにするか争っているんじゃ……」

「ああ、それで。でも、そうめんがいいよ。そうめん多めにしよ!」

カエルは納得したが、そうめんの部分は譲れないらしい。

「うむ……じゃがこれでは、話が終わらぬ。どうしたものか」

「ディベートするのは?」

「は? でぃ……」

カエルの発言に長老は首を傾げた。

「ディベートだよ! さあ、やろ!」

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