5話 仲良くなりましたわ
短いです。
お茶会は大成功でしたわ。
今いる場所や私達の世界のことなど話題に事欠きませんでした。イベリスによる丁寧な解説をテーブルに仕込まれた投影機による3次元映像の補助の元行いました。
アリステラ様などはさすが侯爵家令嬢です。何と地動説という学説が外国ではあるのだと教えて頂きました。そこから話題が膨らみ1日や1年の概念、恒星や衛星についてなど様々なことを話しました。いえ、教えてくれたのは震電とイベリスで私も聞く立場でしたのですけれど。
ただアリステラ様曰く、地動説というのは未だマイナーな説なのであまり大声で喧伝しない方が良いとのことですね。最悪異端者扱いされるとのことです。
そうして大盛況の後に、お茶会は終了しました。
さらにお土産にはフォレスタをバックにした私達がお茶会をしている最中の“写真”を皆に配りました。写真ならば紙に印刷するだけですので10年後でも見られますし保管も容易です。
皆さん、喜んでくださいました。
翌週登校したときです。
放課後、アリステラ様に呼び出されました。何かと思っていくとお茶を用意していてくださり、先週のことで是非話がしたいとのことでした。
私の他にカトレア様やデイジー様も呼ばれていたようで学園の食堂そのテラス席に案内されました。
あのアリステラ様に呼ばれるなど、内心ではワクワクです。
「すまない。急に呼び出して」
「いえ、かまいませんが……」
「実は先週のことでな」
「は、はい、何かありましたでしょうか」
何か問題でもあったのでしょうか。もしかしてご家族の方にお茶会の件がバレたとかでしょうか。そうなるとまずいですね。侯爵家からの質問などであれば無碍にするわけにも行きませんし。
「いや、そう構えなくていい。実は例の話を出来る者が他にいないだろう? 是非、他の話も聞いてみたいと思っていたんだ。」
「まあ、そうなんですの」
「あ、それなら私も聞いてみたいですわ」
「私も私も~」
アリステラ様の話に、カトレア様達が賛同します。皆さん、誰かに話したいとうずうずしていたいそうです。ただ、安易に口外できないので私達を招いたそうですね。
「震電、補足をお願いね」
『イエス、お嬢様』
「震電さん?」
「いきなり現れるな」
横でフヨフヨと浮きながら震電が光学迷彩を解いて現れます。まあ、現れて貰わないと困りますね。私一通り説明を受けましたが、全部を覚えているわけではありませんので。
そうして何度かアリステラ様のテーブルに呼ばれているうちに、どうも私達3人はアリステラ様と中のよいご友人であると周囲には認識されてしまったようです。
別に問題ないのです。アリステラ様を慕っていることは事実ですし。確かに友人っぽいやりとりはしていますし。
高嶺の花だという印象のあったアリステラ様ですが、どうも立場の関係で親しいご友人がいなかったそうなのです。最近では何とアリステラ様主催のお茶会などにも招かれた他、ご家族にも紹介して頂きました。アリステラ様のお父様は厳しそうな方でしたがお母様は優しそうで「ぜひ、今後もあの子を支えてやってね」と言われました。
◇ ◇ ◇
そんな充実した日々を送っていた合間でした。
私、大変な場面を目撃してしまいました。