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ライバルは君だけ!  作者: にゃんころ
一章 高校一年生
18/19

第十七話 入学式放課後~追い詰められたのは明らか~(星村正史)

用語解説。テニスを理解している方であれば見る必要はありません。

・オンコート・コーチング→コーチをコート上に呼んでアドバイスを受けられるテニスのルール。

元々テニスは、試合中のコート内外からの指導やアドバイスは一切認められていなかったが。2008年から女子ツアーの一部で、1セットに1回だけ、コーチをコート上に呼びアドバイスを受けられるようになった。

 第3セット(最終セット)第1ゲーム。塩沢さんのサーブゲームだ。

 先制のクイックサーブ。リターンは望が何とか返すものの、その打球をスマッシュエース。

 15-0。

 次はフラットサーブを中央へ、サービスエース。192キロ。

 塩沢さんのフラットサーブが兎に角速い。そのせいで望が殆ど対応出来て居ないんだろうか。

 200キロクラスのサーブは、女子だとトップクラスでもそうそう狙って打てる人はいないらしい。取れないのも当然か。

 30-0。

 そして再度、フラットサーブのサービスエース。188キロ。

 40-0。

 そしてスライスサーブ。140キロ台後半だから決して遅くはない。

 外へ急激に逃げていくサーブを、ラケットの端で何とか当てるも、コートの隅に追いやられた影響で悠々と逆サイドにボレー。

 ゲームカウント1-0。


 *********


 休憩を挟んだ事により、流れは一旦リセット。その筈が、こうして再度差を見せつけられた事で、一気に塩沢さんが流れを持って行った事になる。

 塩沢さんのサーブゲームでは容易にブレークが出来ないと、はっきりと示されたような第1ゲームだったと言えるだろう。

 そもそも、もう様子見してる場合じゃないのだから、単純に対応が出来ていないという事になる。

「これは望、ちょっと厳しいな」

 率直な感想を僕はこぼす。

 野球何かはこういうタイミングでタイムを掛けて伝令を行うものだが、テニスはそもそも試合中のプレイヤーに、助言を与えるのがマナー違反のゲームだ。

 女子のプロテニスで限定的に認められた、オンコート・コーチングというシステムもあるにはあるが、テニス全体からみればその風習は変わらない。

 ていうか、呼び出した所でプレイヤーとコーチが喧嘩別れする事も多々あるって言う所を見ると。試合中に助言をする事自体が、一つのギャンブルに近いものがあるのだろう。

 今だって仮に自分がコーチだったととして、一体何と声を掛ければ良いか…。

「望-! 頑張れー!」

 ふと自分のしている事に気付いた僕は、慌てて声援を送る。

 応援を送る側が不安になってどうするんだ。望が一番不安なんだろ。

 応援を送る側の不安はプレイヤーにも伝染する。

 その事を僕は良く知っているだけに、声色で悟られない様精一杯応援するのだった。

流石に気付いたかもしれませんが、星村と白水は幼馴染です。

正確には桃野と星村と白水のこの三人が幼馴染という形になります。

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