お姉さんとお風呂にはいろう
近くにいるカエルを掴むと、アンリさんの家に向かって歩き始めた。
このカエルは呪いを解くことで、本来の姿、エルフに戻らせることができる。
放っておいても付いて来るが、目的地は一緒だ、連れて行った方が効率がいい。
上空でみた光景を思い出しながら、方向を確認し、森の中を進んでいく。
夕方に来る頃には、森を抜け、高原が広がっている場所まで出てこれた。
遠くには、小さな小屋が見える。
小さな小屋には、目的であるアンリさんが住んでいる小屋だ。
彼女は、生来の嫌悪もちであったたた、村でなじめなかった。
そのため、村のはずれに、犬と一緒に暮らしている。
トントン、僕は、ドアを叩いた。
「はい、なんでしょうか?」
「申し訳ないのですが、一晩泊めてもらえないでしょうか?
彼女は、驚愕のような困ったような表情を浮かべている。
彼女からしたら、嫌悪のスキルで会話などまともにされないはずなのに、
好意が僕から感じられるからだ。
この嫌悪スキル、同一嫌悪スキルもちには、効果がない。また、克服した人間にも同様だ。
すぐに、彼女は理解したんだろう、表情に出ている。
「どうぞ、おはいりください。
できたら、お話させてもらっても、よいでしょうか」
「もちろんです」
彼女は、おしゃべりだ。だが、スキルのせいで、一人での生活をせざるを得ないのだ。 前回も彼女が暮らせるように嫌悪スキルから救った。今回も救ってみせる。
彼女には、それほどの恩があるし、救うだけの価値があると知っているからだ。
そして、しばらく談笑することで、魅力的な提案がなされるはずだ。
「あら、話し込みすぎちゃった。
ごはん、食べるでしょ? 」
「はい、いただかせてもらいます」
僕は、アンリさんが作ってくれた食事をとり、
おなかが満腹になる。アンリさんは後片付けを終わると、話かけてきた。
「リイナちゃんに、お願いがあるの」
さっきと打って変わって、らんらんとした目に代わってる。
「一緒にお風呂に入りたいの。背中のながしっことか。うふふ」
すでに目が、変な方をみてる。
「はい、喜んで!」
僕は、全力で返事をした。
全てはこの時のために、間違えた。
お姉さんの願いを叶えるために、しかたなく付き合うのだ。
こうして僕は、念願だった、アンリさんとのお風呂をはいり、
幸せいっぱいで、眠りにつくのだった。