大団円をむかえる
リイナとジーンとユキナは、魔王を前に何を話すもなく、
静かに立っていた。
僕とスズネは、3人に近づくと、話たい内容があるが、静止し、
魔王と勇者との会話、いや、勇者による魔王への説得を聞くことにした。
魔王を説得できるのは、同じ体を共有し、同じ記憶を持つもの以外、ありえないのだ。
勇者は、泣きながら魔王がこれまで、どれほどの時間を大陸の民に費やしてきたかを、
ひとつひとつ、語っている。
魔王が男性が上陸できない呪いをかけた理由が、他国からの侵略により、
大陸の都市の男性が死に、女性が奴隷化され始めた状況を打破するため、
涙を呑んで、かけたものだった。
戦争の爪痕により、統治者不在の大陸を、教会による統治にかえ、
問題は、すべて魔王が解決していった。
絶対悪を自分に向けることで、教会での統治をたやすくさせ、裏では、大司教へ指示し、
国民が豊かになるように、すすめ、ここまでの発展を迎えることができた。
そんな思いは、聞いた話で説得できるとは、とても思えない。だからこそ、
勇者であり、ともに記憶を保有する身でないと、説得できないと考えたのだ。
最後に、勇者は、魔王との共存と今後は仲間として、一緒にこの大陸を
よくしていくことを告げると思いが爆発したのか、号泣し抱き着いた。
僕は、魔王にかけた呪いをとくと、魔王はやさしく、勇者の頭をなでている。
周りにいるみんなも、もらい泣きをし、勇者が落ち着くまで、
静かに、待っている。
魔王は、勇者の提案を受け入れると、大陸の呪いをといた。
「今後は、わたしの呪いは、不要だろう。
問題があったら、人間たちで協力するのだ。
もちろん、必要があれば協力するから、頼ればよい」
勇者に向けて、発言すると、また、泣き始め、強く抱きしめている。
そして、ジーンのおなかが鳴った。
みんなは、笑い始めると、ジーンは少し恥ずかしげだ。
魔王を含めたみんなで魔法陣で都市に戻った。
都市では、呪いが解けたことにより、祝福の声があちらこちらで聞こえた。
魔王は、次のステップが来たことを実感したのだろう、
喜んでいる人たちをみるたびに、やさしい笑顔をむけている。
これまでのやってきたことが、間違いではなかったと思いたいのだと思う。
僕は、聖都にあるリイナの家にで、宴を提案すると、魔王の魔王ですぐに聖都まで、移動した。
これまでに、ためていた料理の数々やお酒などを、すべて出し、
夜通し、語り合った。
そして、僕は、リイナの家の3階の大浴場にいる。昨日というか、朝方までの酔いを醒ますためだ。
周りには、魔王を含めた、色とりどりの女性達と一緒だ。
全ては、計画通り、この一瞬のために、二度目を行ったのだ、ちがった。
大陸のためだった。うんうん。
お風呂場で、魔王 ジルと目が合った。時間が戻った話をふると、説明してくれた。
魔王の杖を魔王以外のものが使用すると、そいつが、生まれたときまで、
時間がさかのぼる呪いがかけられているんだとか。
普通なら、同じように討伐にくるから、負けた時と違う手で対処するから、簡単なのに、
今回の説得には、まいったよと、こちらに、いろっぽい視線を送ってくる。
やり取りを聞いていた仲間は、次々と僕を誘惑し始めてきた。
これ以上はよくない、僕は、にやけた顔を隠せないままで、
急いで、浴室を出て行った。
この大陸は、ユキナとスズネとジーンにまかせ、
僕とリイナは、新大陸に向けて出発するのだから。
ps.そういえば、あと数日で、マーメイドの美女親子を助けて、
混浴を…ちがった。村を一望できる天然温泉に入りにいかないといけない。
新大陸へは、そのあとだった。
多少興味が持てましたら、こちらもどうぞ。
僕は、この出会いに感謝する!!
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