自分の体をとりもどす
勇者の体の隣に幽体であらわれると、飛行の魔法を使うように促し、
共に、教会へ行くようにお願いした。
「わかったよ、おにい」
あたりは、夕陽が沈んでいく時間だった。夕陽を横目に、勇者のスズネは、まっすぐ全力で向かっている。
その途中で、勇者には、魔王への思いを告げてほしい旨を告げると、快諾してくれた。これまで、6年勇者の体には、魔王がはいっており、すべての行動の記録が脳に刻まれているからだ。
スズネは、彼女が行ったことを思い出しているようだ。ときおり、悲しそうな表情をみせているが、その思いをくみ取ることは、できなかった。
スズネの好意により、教会にある僕の体を先に取り戻してもらえることになった。
自分の体には、魔王が施した魔法によって、戻れなくなっており、魔王を解除するためのスクロール勇者が持っていた。
スクロールを唱えると、スクロールは燃え尽き、薄く張られていた膜は無くなり、
僕は、吸い寄せられるように、自分の体に戻った。
「ありがとう」
僕は、スズネに感謝を述べると、二人で、魔王がいるダンジョンに飛び立った。
そのころには、既に日が落ち、魔法陣にならんでいる冒険者はいなかった。
僕と勇者は、最後の魔王との対峙を決意し、魔法を発動するのだった。
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僕は、この出会いに感謝する!!
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