パーティーを組む為に
「という訳でパーティーメンバー募集をお願いします」
受付の人に話をすると、すぐさま用紙を取り出してくれた。
「こちらが募集用紙になりますが、欠員等で10等級冒険者を望んでいるパーティーに関しては何とも言えません。一応希望に沿うように声は掛けてみますが、フィーナさんの方でも募集用紙へ記載をお願いしますね」
「解りました」
早速手堅く書き込んでいく。
自分の職業等級特技などを記載の上に、前衛、後衛等のバランスを考えて募集と書き。その下の方へ現状のパーティーで神官職を入れてもいいと思うパーティーに声を掛けてほしいと書き込む。
「これでいいでしょうか?」
受付にわたすとさっと目を走らせて内容を確認してくれた。
「問題はないと思いますよ、それでは早速張り出しておきますが連絡が取れるように頻繁にギルドへは顔を出しておいてください」
「時間帯はいつ頃が?」
「一応相手方に時間の都合を聞きますので、確認にくるのはいつでも大丈夫ですよ。話が来た時点でお知らせして最終的に面会の時間を決めますから」
「ありがとうございます」
「とりあえず今日直ぐにという事は無いので、本日は気にしなくてもよいですよ」
「では...あと一つ質問なのですが、今現状のソロで出来る仕事というのはやはり無いですかね?」
新しい情報は無いかとダメ元で聞いてみる。
「10等級でだと一応薬草採取ぐらいなんだけど、ソロだと危険だからね。町中の依頼ももう朝のうちに出て行っているから今日の所は無いかな。フィーナちゃんが戦士系の前衛職ならソロでもいいんだろうけど」
「いえ、一応何かあればと思っただけなので。明日からはもっと早く来ることにします」
「まだまだ新人なんだから無茶だけはしちゃ駄目だからね」
「ご心配下さってありがとうございます」
受付を離れてギルドを出る。さてどうしたものか?パーティー自体は時間が解決してくれるとしても、金銭的な問題は解決できていない。いざとなれば師匠の元に帰ればいいが、冒険者になって自分の目標を見つけて来いという課題は失敗したことになる。それはまずい。
ふむ、と言ったところでまずはパーティーが組めるまではなにか日雇いの仕事を探してみるのはどうだろうか。まあ探すといっても当てはないから無駄足になるかもしれないが。
町の地理を覚えるのと一石二鳥だという事であっちをふらふら、こっちをふらふらしてみた。
そこでふと目に着いたのは工事現場。力仕事である。最初声を掛けるといぶかしげな顔をされたが、自分の特技を紹介してどのように手助けできるかを説明して実践したら是非にと言われた。
やった事と言えば筋力増加と速度増加と技量増加の祝福。掘られる穴はその効率を増し、資材運搬も早くなり、壁の漆喰などはそれはもう均一になった。
効率の上がった親方から明日も是非に来てくれと言われ礼金をせしめた。稼ぎとしては当然少ない謝礼金だが何も稼げないよりはましなのである。
日が傾き仕事を終えたガテン系の紳士たちに食事を奢ってもらい宿に戻った。