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プロローグ

 その日、冒険者組合(通称ギルド)一人の女神官が訪れた。

 魔物や魔族が闊歩するこの世界では、奇跡が使える神官が冒険者となる事はそう珍しくもない。

 金や名声など己が求める物を手にしようと戦士や魔術師、果ては騎士までもが冒険者として活動するのだから。

 女神官もその身に何かしらの思いを抱いてギルドへやってきたのだろう。


 ギルドの扉を潜った女神官は特に委縮したことも無く堂々としたたたずまいで受付まで向かった。

それは新人であるにも関わらず、まるで手慣れたように淀みなく歩を進めた。


「冒険者への登録をお願いします」


躊躇いもなく女神官は告げると、受付は一瞬感心したような感じになったが直ぐに営業用の笑顔を返した。


「新規登録の方ですね、こちらのシートに必要事項を記入してください」


 女神官はまず自分の名前から埋めていく。「フィーナ・アレスティア」とその後もすらすらと必要事項を書き込んだ。すぐさま書き終えた用紙を受付に渡すと、


「これからギルド証の発行手続きを行います、手続きが完了しましたらこの札の番号でお呼びしますのでお待ちください。またこちらの冊子で基本的なギルドのルールが掛かれていますので待ち時間で読んでいてください。


 フィーナは札と冊子を受け取ってギルド内で空いている椅子を探しそこで待つことにした。

椅子で一息ついた所で、要約ギルド内の様子を改めて視線を流してみた。

 その昔、支部のギルドを見た事が有ったがそれに比べて数倍は広い。冒険者自身も様々な様子で、昼の盛りから酒を飲んでいるものも居るし、依頼かパーティー募集かの張り出された紙を見ているもの居る。

 そして、種族が多種多様いるのにも目が行く。今まで見た事のない種族もいるようで見ているだけでも面白そうだ。


 一通り目線をやった後に、渡された冊子を開いてみる。

・基本的な依頼の受注手順

・冒険者の実力を大まかに区別するランクの制度

・初心者が経験を積むのに良い討伐・採取系の案内

・ギルドカードの証明書としての役割や特典等

・依頼の失敗に伴う罰則


 基本中の基本が書かれたもののようだ。

初心者はランクで言うと10等級という事になるらしい。


 正直に言うとあまり冒険者で何かやりたいとも思ってないのだが、師匠からは今のまま課題を出してそれをこなすだけは上手くなったが、目標らしい目標が無いのは問題だという事で家から放りだされた。

 課題にしろ、助手手伝いにしてもそつなくこなしていたのだから別にこのままでも良かったのだが老人は気難しいものである。

 冒険者をやっていてもやりたい事が見つかるか全くわからないのだが、最初の方針として提示されたからにはそれに沿うのがよいのだろう。


 『お前さんは世間知らずだからな、少しは世間の荒波やらにもまれてこい』


との事だったんだがな。


「13番の札の方~」


札の数字を確認して、自分の事だと受付に行く。

木札と冊子を渡すとプレートが渡された。


「こちらがギルド証になります。無くされますと依頼の受注と完遂手続きが出来なくなりますのでお気をつけ下さい」


「一つ質問ですが、その冊子は結構大雑把な記述でしたよね。もっと細かい事はどこで教われば?」


「この冊子は新人用ですね、ギルドの細かいやり方は9等級になる時に正式な説明がされます。10等級は誰でもなれますが言うなれば試用期間としての意味もありますので」


「魔物や植生など新人依頼では調べる事が出来ないんですか?」


冊子には、それぞれ一種類ぐらいしか載っていなかったのだが。


「いえ、魔物や薬草類、鉱石などの情報は図鑑が2階にありますので下調べは可能です。それでもこの近隣の情報しか揃っていませんが」


 情報を調べるのもなんらかの評価対象なのかな?まあ調べれるものは調べておいたほうが良いか。


「解りました、とりあずは準備を先にする事にしますよ」


何事も下調べは大切だからなあ。


受付を離れると、酒場で飲んでる冒険者に声を掛けに行った。

先輩からの方が色々聞けそうである。強面の冒険者だったが、酒を奢ると色々と教えてくれた。

まずは拠点にする宿から決めなければならないんだと言われてそうだよなと納得した。

良さそうな宿を何件か紹介して貰い今日の宿泊先を決めた。


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