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やりたい事をやる為に  作者: 千月 景葉
第一章 黒き森
50/292

50. じゃんけんぴょん?!その2

お読み下さりありがとうございます。


手遊びその2です。

じゃんけんぴょんだけじゃ飽きますから、新しい派生のゲームを提案します。

後1つ次話で提案し、手遊びの回は一先ず終わります。

「え、2人で何やってるの?……玩具で遊んでる訳じゃ無いのよね?」


 ミラベルが余り仲良くない筈の弟妹が、向かい合わせになってキャッキャッと楽しそうに遊んでいるのを見て、驚いた顔をしながら近寄ってきた。


 丁度コリンが又クロエに負けた所だった。


「くそっ!又考えを読まれたのか?!何で勝てないんだよーー!クロエ!もう一回!」


(だってコリンお兄ちゃん、絶対にパー出すもん。たまに本人が気付いてパー以外のもの出す時は必ず暫く手を見つめてるし。その時はグー出したら先ず負けないし。あいこになったら又絶対パー出すしね!……分かり易すぎる、可愛い!)


 クロエはコリンをニコニコしながら見ている。


「ねぇ!だから何してるのって聞いてるんだけどっ!」

 とミラベルがちょっと苛立たし気に答えを催促する。


「ぎょ免にゃしゃい、ミヤベユお姉ちゃん。あにょにぇ、今キョリンお兄ちゃんに……」

 とクロエがミラベルに説明をしようとしたら

「あーもぅ!姉ちゃんジャマしないでよっ!クロエ!早く勝負だっ!」

 とコリンが彼女の言葉を遮って勝負を急かした。

 完全にミラベルが眼中に入っていないコリンである。


 コリンの邪険な扱いを受けたミラベルはすぐさま彼に近寄り

 “ゴツンッ!”

 と一発かました。


「アウッ!……ッテェーー!何すんだよ、姉ちゃんのバカッ!」


 コリンは拳骨が落とされた頭を擦りながらミラベルを睨む。


「もう一度やる?嫌ならちゃんとアタシに説明しなさいよ」

 と拳を握った右手をもう一度降り下ろす仕草をして見せるミラベル。


「ミヤベユお姉ちゃん!説明しゅりゅきゃりゃ落ち着いちぇ!」

 とクロエが間に入ってミラベルを止める。


 ミラベルはクロエの横に座り

「うん、わかった。だから教えて。何してたの?何でコリンがこんなに興奮してるのよ。アタシも知ってること?」

 とクロエに顔を近づけて聞く。


(ハハ、お姉ちゃん目が怖い。仲間外れの気分になっちゃったのかな?)


 クロエは苦笑しながらミラベルに実演を交ぜつつ、じゃんけんの説明をする。

 説明を受けたミラベルも

「何で紙が石を包んだら勝ちになるの?!紙に石ぶつけたら破れるじゃない!石のが強いわよ、クロエ!」

 と案の定突っ込みを入れてきたが

「破れにゃい紙みょありゅよ。羊皮紙ちょきゃ。じゃ無きゅちぇきょれは決まりにゃにょ。らきゃら決まりにちゅいちぇはごちゃごちゃ言っちゃ駄目!小ちゃい事は気にしにゃいにょ。いい、お姉ちゃん?」

 とクロエは彼女にも強引に理解を迫る。


 ミラベルもいつものクロエらしくない強気の会話に

「え、ええ……何かクロエ迫力あるわね……納得出来ないけど、分かったわ。そういうものだと考えたら良いのね?で、コレで勝負と……。ん、理解できたわ。さて、アタシと誰が勝負する?」

 とクロエに頷きながら、早速参戦とばかりに弟妹を見る。


「え、待ってよ!僕とクロエの勝負のが先だよ!まだ僕さっきからクロエに勝ってないんだからさ」

 とコリンがあわてて、途中参戦のミラベルに抗議する。


 ミラベルがキッとコリンを見て

「あら、アンタ負け続けてるの?弱いのね~!分かったわ、ならコリン、アタシと勝負して勝った方がクロエと勝負って事でどう?」

 と彼を挑発する。


「な、何だよ!姉ちゃんは関係ないだろ!割り込んでくんなよ、バカッ!」

 とコリンが再び姉に抗議。


「あ~ら?アタシに勝つ自信無いんでしょ!そうよね、妹に負けてるんだもの、姉に勝てる訳ないわよねー!悲しいわねぇ、少し手を抜いてあげるからさ~やろ?ね、か弱い弟よ!」

 とコリンをからかって挑発し続けるミラベル。


(うわぁ……容赦無いね、お姉ちゃん。お兄ちゃん半泣きだよ。でも、やっぱりこういう手遊びがここには無いんだね。まさかこんなに2人とも食い付いてくるなんて思わなかったわ……。あ、そうだ。じゃんけんを2人共に覚えたら、アレとアレも出来るじゃない!よし、ならお姉ちゃんを先ずじゃんけん自体に慣らさせてあげなきゃ!)


 クロエは何かを思い付いたようで

「お兄ちゃん、お姉ちゃんちょ対戦しちぇあげちぇ!アチャシ良い事思い付いちゃにょ。お姉ちゃんぎゃじゃんけんに慣れりゅ為にお願い!」

 とコリンに頼む。


「え、良い事?……何か又楽しい事なのか?う~ん、ならまぁしょうがないか。分かったよ、クロエがそこまで頼むなら姉ちゃんの面倒見てやるよ」

 とコリンが渋々承諾する。


 これにカチンと来たミラベルは

「面倒見てやる……?よくも言ったわね、コリンのくせに!アッタマ来た!メチャクチャに叩きのめしてやる!覚悟してきなさい、アタシがアンタに負ける訳無いんだから!」

 とコリンと向かい合わせに座る。


(よーしよし!これで2人共じゃんけんに慣れてくれるわね。さて、アレは何にも要らないけど、アレは道具が要るんだよね~。玩具入れに有るかな?見てみよう。その前に……)


 クロエは勝負の真っ只中にいるコリンに声を掛ける。


「お兄ちゃん、玩具入れ見ちぇも良いきゃにゃ?」

 とコリンに尋ねる。


「へっへ~ん!姉ちゃん弱っ!これで僕が3回勝ったー!……何、玩具入れ?ああ、良いよ。勝手に見てよ」

 とコリンがアッサリOKする。


「このっ!アタシだってアンタに2回勝ってるわよ!未だ5回しかやってないじゃない!えっらそうにぃっ!次よ、次!行くわよ!せーのっ……」

 とミラベルが悔しそうにコリンを急かす。


(ハハハ、流石に姉弟よね~。そっくりだわ。勝負事ってやっぱり夢中になるのよね。

 でもこのままだと直ぐ飽きちゃうからね。

 さて、お兄ちゃんから許可も得たし、玩具入れを漁りますか。

 ……確かアレは有るのよね、この間見たし。ならもしかしたらアレも作ってあるんじゃないかな~って……えっとコレじゃないか……コレでもない……ああ、コレは必要だから、取り出して……っと。

 ……あっ!有ったーー!コレよコレ!コレとコレが有れば大丈夫。だって多分あのタイプは無いだろうから、コレなら代用出来るもんね!

 重さは……さっすが父さん!お兄ちゃんの為にメチャクチャ軽量!完璧ね!よしっ!)


 クロエはハイハイしながら玩具入れに近寄り、中を漁り始め、やがてお目当ての品を2つ中から取り出した。

 2つの玩具を代わる代わる持ち上げたり振り回したり、色々と試しているとやがて不審気な声がした。


「ね、ねぇ……クロエ怒ってるの?アタシがじゃんけんに割り込んだから……。何でそんな物を振り回してるの?」

 とミラベルが恐る恐る声を掛けてきた。


「ね、姉ちゃんが悪いんだぞ!クロエと僕の勝負をジャマしたりするから!……なあ、勝負するからクロエも落ち着いてさ……」

 とコリンも気遣わし気に声を掛ける。


「ほぇっ?!何にょ事?」

 とクロエが玩具を持ったまま2人を見る。


「え、だってクロエ急にそんな物振り回してるから。怒ったんじゃないかなって……」

 とミラベルが言いにくそうに話す。


「まっしゃきゃあ!違う違う~。あにょにぇ、じゃんけんじぇ他にょ遊びみょ出来りゅんらよ~しょにょ為にょ道具。お兄ちゃんにょキョレちょキョレを使うにょ!良いきゃにゃ?お兄ちゃん」

 とニパァ~と笑いながらミラベルに説明し、コリンに聞く。


「え、ソレとソレを使うのか?!何か怖いな……良いよ、使うのは構わないけどさ。一体どう使うんだよ?」

 とコリンがその示された玩具を見て少し不安気に許可する。


「良かったぁ!まぁクロエが怒るなんて事無いと思ったけどね!で?ソレをどう使うの~?」

 とミラベルもホッとしたように話に乗ってくる。


「ん~、先に道具は置いちょいちぇ、道具無しじぇ出来りゅ方きゃりゃやりょうよ。んちょにぇ、“アッチ向いちぇヒョイ”っちぇにょ!」

 とクロエが笑って説明を始める。


「「アッチ向いてヒョイ?!」」


(……まただよ。アタシの滑舌悪すぎて又ホイがヒョイだよ……。あー、もう良い!ヒョイでも可愛いし、構わないって!)


 クロエは間違いを訂正する(すべ)が無いので早々に間違い直しに見切りをつけ、話を進める。


「……しょう、アッチ向いちぇヒョイ。あにょにぇ、じゃんけんじぇ勝っちゃ方ぎゃ、きょう指じぇ好きにゃ方向を指しゅにょ。上下左右にょじょれきゃにぇ。じぇ、負けちゃ方は指しゃれちゃ方向以外に顔を向けりゅにょよ。顔を方向以外に向けりぇちゃりゃ“あいこ”っちぇ事じぇ、又じゃんけんしゅりゅ。じぇ、又勝っちゃ方ぎゃ方向を指差しゅ。じぇ、指差しちゃ方に顔を向けちゃっちゃりゃ勝負有り!顔向けちゃ人ぎゃ負け。……じょう、解りゅ?」

 とクロエがアッチ向いてヒョイの説明をザッとする。


 解ったような解らないような顔をしている2人に、クロエがデモンストレーションをする為ミラベルを指名する。


「お姉ちゃん、アチャシぎゃ合図をしゅるきゃりゃアチャシぎゃ指差しちゃ方向以外に顔を向けりゅんらよ?じゃあ先じゅアチャシぎゃじゃんけんに勝っちゃちょしちぇ……アッチ向いちぇヒョイ!」

 と指を先ずミラベルに指した状態からヒョイで上を指す。


 ミラベルは自分を指しているクロエの指をじっと見つめて、クロエの合図で顔をクロエの指差した方向に向ける。


「はい、きょりぇはお姉ちゃんにょ負け~。アチャシ、指差しちゃ方向以外っちぇ言っちゃれしょ?」

 とクロエがニッコリ笑って勝敗を告げる。


「あ、そうか、そうだった!こういう合図ね。よし、もう一回やってみて?次は違う方向を向くから!」


 ミラベルが気合いを入れて請け負う。


「じゃ、又アチャシぎゃ勝っちゃちょしちぇ……アッチ向いてヒョイ!」

 とクロエが又指を先ずミラベルに向けてから、掛け声と共に下を指差す。


「ヒョイッ!……ってええ?!うそっ、何で?!」

 とミラベルが“下”を向きながら自分自身に驚く。


「んひゅひゅ~。釣られちゃうれしょ~?らから難しいんらよ。慣れりゅちょ中々勝負ちゅきゃにゃきゅにゃりゅけろにぇ。じゃあアチャシぎゃ掛け声掛けりゅきゃりゃ、お姉ちゃんちょお兄ちゃん2人じぇやっちぇみよう?」


 クロエの提案に2人が頷く。


 「じゃあ、いっきゅよ~!しぇーにょっ!じゃ~んけ~ん、ぴょん!……アッチ向いちぇヒョイ!」


 クロエの掛け声に合わせて、2人は最初ぎこちない動きながらも何とか合わせて“アッチ向いてヒョイ”をする。


 しかし2・3回すると要領が飲み込めたらしく、掛け声も2人が出してやり始めた。

 と同時に急速に白熱し始め、2人の顔が勝負師の様に鋭くなり、アッチ向いてヒョイの顔を向けるスピードもアップし、指もキレが出てきた。


 クロエはニコニコしながら2人の勝負を眺めている。





 やがて昼御飯の時間になり、コレットが3人を呼びに来るまで“アッチ向いてヒョイ”の掛け声がずっとリビングにこだましていたのであった。

次話は明日か明後日投稿します。

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