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やりたい事をやる為に  作者: 千月 景葉
第一章 黒き森
152/292

156. 嵐の予感

お読みくださりありがとうございます。

今話から新しい展開です。

 その日クロエは朝から落ち着かなかった。


 先ず、朝起きたらここが居なかった。


 いつもならクロエが起きると直ぐ

(おはようございますですのー!)

 と可愛く挨拶をしてくれるのだが。


 まぁちょくちょく森の仲間に呼ばれて戻ったり、ライリーの所へ“自主的に出張”してたりして居なくなってる事はままあるのだけれど。


 又父も同じく朝から不在だった。


 母曰く、守り人の仕事で日の出前から家から出たそうだ。


 これも守り人の仕事上、折々にある事だ。


 その上、老教師も朝から小屋に籠りきり。朝食にも姿を見せない。


 母曰く、どうしても纏めたい資料があるそうで、昨日の夜から掛かりきりだそうだ。


 先生はお茶目だが仕事熱心な人なので、これも時々あることではある。


 指導する大人達が仕事に手一杯なので、必然的に子供達の今日の行動は限定されてしまう。


 女の子達は裁縫、男の子達は木工を各自の部屋でやることになった。


 ただ、コレットは台所でいつものように家事をしていた。


 母は至って普段通りだし、自分の考えすぎなのだろうな、とクロエも思うのだが、一度胸に巣くったモヤモヤは中々解消されない。


(何だろうな。スッゴく今日は落ち着かないんだよね。

 確かに今日、家の様子はいつもと違うけど、別にこんな日は時々あるのにね。

 んー、何かこの気持ちが上手く言い表せないよ)


 クロエは顔をしかめながら、針を動かす。


「クロエ、どうしたんですの?お顔が怖くてよ?」


 エレオノーラがクロエを気遣う。


「え?あぁエレオお姉ちゃん、何でもないよ。顔怖かった?

 何となく今日は朝から落ち着かなくて……。自分でも良く解んないんだけど」


 エレオノーラに微笑むクロエ。


 ミラベルが大きく頷く。


「解るわ……実はアタシもなの。

 何だろう、こう……ピリピリした空気を感じるのよ。

 母さんも普段通りだし、先生だって小屋に居られるし、父さんだって守り人のお仕事はいつものことなのに。

 あ、こう言うときは甘いものを食べたら落ち着くかな?アタシお茶の支度するよ。

 次いでにお兄ちゃん達にも淹れてあげようかな。

 エレオちゃん、悪いけど手伝ってくれるかしら?

 クロエはこのまま縫いぐるみ縫ってて。直ぐお茶を持ってくるから」


「わかりましたわ、ミラベル。クロエ、美味しいお菓子を食べたらきっと気持ちも明るくなりましてよ。

 待っていてくださいな、ミラベルと直ぐ戻りますから」


 そう言うと2人は部屋を出ていった。


 クロエは2人に頷くとウ~ンと伸びをする。


「……父さんもここちゃんも早く帰って来ないかなぁ。そしたらこの気持ちも落ち着くと思うんだけど」


 1つ息を吐くと又チクチクと針を動かし始めた。


 こういう時は何かしていた方が気が紛れると云うものだ。


 既に縫いぐるみは1つ完成していた。クロエは剣の鍛練も無く、姉達よりも裁縫の時間が取れていたお陰だ。


 チクチクチク……。


 運針も小さな手なのに、思いの外速い。


 最初、コレットや姉達はクロエの運針の速さに驚いたものだ。


「うん、アタシもしかしたら裁縫に向いてるのかも。針が思い通り動かせるの」


 驚く彼女達にクロエは笑って言った。


 どうやら昔の記憶が手を動かしているようだ。


(記憶ってホントに凄い。この調子ならあっという間に昔より上手くなりそう。

 どう動かせば良いか、記憶が体を駆け巡って教えてくれる……。何だかズルい気もするけど)


 雅の頃は時々マスコットを作ったり、小物を作ったりしていた。


 大物は作ったことはない。


 でも縫いぐるみはパーツ別に縫えば良いから、そう気負うことなく縫えた。


 チクチクチク……。


 そうしている内、姉達がお茶を淹れて戻ってきた。


「休憩しましょ!クロエ早いわねぇ……。絵もそうだけど、細かい作業が向いてるのね。

 縫い目も綺麗だし、普通2才の子がこんな事出来ないわ。

 凄い子ね、本当に」


 ミラベルがお茶をテーブルに並べながら、妹の縫いかけのパーツをしげしげと見る。


「ありがと。自分でも不思議だよ、何か初めて縫った気がしないの。

 よっぽど針仕事に向いてるのかな?アハハ……」


 クロエが照れ臭そうに笑う。


「本当に。クロエは何でも出来ますのね~、驚くことばかりですわ」


 エレオノーラもクロエに笑い掛ける。


「何でもってことはないよ。多分アタシ、体動かすのは鈍臭いと思うの。

 剣の練習、アタシまだやらせて貰えないけど、やったらきっと鈍臭い。そんな予感がする」


「やる前からえらく否定的ね?

 解んないわよ、そんなこと。

 まぁ剣については、もう少し体が成長してからだもの、心配しなくても大丈夫よきっと」


 クロエの言葉に苦笑しながら、ミラベルはお茶を美味しそうに飲んだ。


 暫く和やかにお茶を楽しんでると、バタバタ……と廊下を走る音がした。


「あ、父さんお仕事終わったのかな?」


「何でしょう、とても慌ただしい雰囲気ですわね?」


 ミラベルとエレオノーラが顔を見合わせる。


 クロエも首をかしげた。


 そして又戸口からバターンッ!と大きな音がして、静かになった。


「あれ?又出てったみたい。忘れ物でもしたのかな。父さんそそっかしいわね~」


「叔父様でもそんなことがありますのね。何だか微笑ましいですわ」


「確かに父さんが忘れ物なんて珍しいな。大体父さんって万能人間だもんね。

 手先は器用だし、運動は超人だし、仕事は完璧でしょ。

 森の皆の信頼を集めてるんだから凄いよ、ホント」


 クロエがウンウン頷きながら感想を言う。


「そんな父さんだけど、母さんにはものすごく弱いのよね~!」


 ミラベルが笑いながら言った。


「だよね~」


「ですわね~」


 3人でクスクス笑い合っていると、コンコンッ!と誰かが女の子部屋の扉をノックした。


 ミラベルが直ぐに立って扉を開けに行く。


 立っていたのはコレットだった。


 心なしか表情が疲れている。


「母さん、どうしたの?もしかして体調悪いの?!」


 ミラベルが声をあげる。


 エレオノーラとクロエも慌ててコレットの元に駆け寄る。


「いえ、体調は問題ないわ。……少し問題が起こっただけよ。

 それで父さんと先生が朝から対処してたんだけど、結局しょうがないってことになっちゃって……。

 全く、こんなこと許すのは今回だけにしないと。

 あのお2人なら味を占めて、何度となく繰り返しかねないもの。

 皆にもその事について話をしたいから、直ぐ客間に来てくれる?」


 そう言うとコレットは頬に手を当てながら、ハァッと溜め息を吐いた。


「良くわかんないけど……わかったわ。皆、客間に行きましょう」


 ミラベルがコレットに返事し、エレオノーラとクロエを促した。


 ミラベル達が客間に入ると、後ろからオーウェン達もやって来た。


「叔母さんが凄く困ったような、疲れた表情で呼びに来たんだ。

 流石のライリーも訳がわからないらしい。

 なぁライリー?ホントに何も心当たりないのか?」

 と後から来たライリーに振り向きながらオーウェンが聞く。


「全く無いんだよ。でも朝から何だか、家の中が変な雰囲気だなとは思ってたんだけどね。

 僕達はいつも通りだけど、大人達が妙だろう?

 母さんは努めて平静にしてるようだったし……一体何が起こったんだろう」


 ライリーが首を捻りながら考え込む。


 コリンが少し心配そうに顔を強張らせていた。


「母さんがあんな顔するなんて。

 体は大丈夫だって言ってたけど、本当なのかな……母さんは直ぐ無理をするから、心配だよ~」


 兄達が弟を気遣って肩を叩く。


「大丈夫だ、コリン。だけど、もし母さんの体調が本当に悪いなら、僕たち皆で家事をしような。

 確かにお前の言う通り、母さんは無理しがちだから」


「僕とエレオも少しは役に立てると思う。コリン、大丈夫だよ。皆で叔母さんを助けるから」


 兄達が交互に弟の不安を軽くしようと話す。


 すると後ろから

「あら嬉しい。流石、森の家の天使達ね!皆優しくて有り難いこと。

 嬉しい申し出で、助かるわ。

 ……実は本当に貴方達にお手伝いを頼まなくてはならなくなりそうなの。今から訳を話すわ。

 あ、大丈夫、体調がどうのこうのじゃないのよ。コリン、いえ貴方達皆に心配かけちゃってごめんなさい。

 私や父さん、そして先生もとっても健康よ、だから安心してね」

とコレットが優しく声を掛けてきた。


「良かった、母さん。

 さっきより表情も明るいもの。体調はホントに心配ないんだね、ホッとしたわ。

 だけど、それなら一体……」


 ミラベルが胸を撫で下ろしながら、母に問う。


 皆もコレットを見つめる。


 コレットが口を開こうとしたとき

「コレット。ジェラルドを怒鳴り倒して、ライモンドを直ぐ呼び寄せるように命じたからな!

 全く何をしておったんじゃ、ジェラルドもライモンドも!

 あ奴等の行動がいつも突拍子無い事くらい解っておるだろうに!

 グレースもあ奴等に関しては余り役に立たぬしのう……。

 うん?客間か……おおっ?!

 あぁそうか、まだ説明をしておらなんだな……すまんな皆。

 朝から不安にさせてしまったの」

と、頭を掻きながらディルクがばつ悪そうに客間に顔を覗かせた。


「先生!凄くお怒りの様子ですが、一体何があったんですか。

 それにライモンド様って、ジェラルド様のご子息の現フェリーク公ですよね?

 何故今その方のお名前が……」


 ライリーがディルクに直ぐ様反応し、問い掛ける。


「そうじゃな、時間もないことだし、儂から話そう。

 実は、これから直ぐにこの森に、招かれざる奴等がやって来る。

 ガルシアも儂も、勿論コレットも今朝まで知らなかった事だ。

 と言うか、知らんで当たり前なんじゃ。

 奴等は連絡無しでシェイロ村まで来て、その立場を最大限利用して、村の連絡役を宥め強請り、揚げ句の果てに泣きついた。

 ……どうしようもなくなった連絡役がガルシアを呼んだんじゃ。

 しょうがなくガルシアが森を出て、奴等を諭そうとしたのだが、奴等は中々諦めない。

 だから儂が奴等の“製造元兼飼い主”ライモンドの親であるジェラルドに回収に来るよう連絡したら、有り得ないことにあんのクソジジィは奴等の望みを叶えてやってくれと抜かしよった!

 ……今度絶対シメる、あのクソがっ!

 で、奴等を排除出来なくなってしまった。

 残念ながら、ガルシアがこれから奴等をこの森の家に連れてくることになってしもうたのじゃ。

 せっかくオーウェンとエレオが滞在中にすまぬな」


 苦虫を口一杯に入れて噛み潰したかのような、これ以上苦り切った顔は出来ないだろうと言う位、苦い表情をしたディルクが子供達に頭を下げた。


「え?!ええっ!先生が何で謝るの!

 お客様が来られるのは良くわかりましたが、何故そんなに先生が謝られるのか、さっぱりわからないんですけど?!

 母さんも何だか遠い目をしてるし……。

 一体どなたがいらっしゃるんですか?」


 ミラベルが驚きの声をあげながら、客の正体を問う。


 すると子供達の中で反応が変わる者が出始めた。


 オーウェンとエレオノーラだ。


 オーウェンが片手で顔を覆いながら

「……うわ~最悪だ。あの人達には絶対言うなって言ってあったんだけど。お祖父様、口車に乗せられたな。

 て言うか、あの人達王都に居たんじゃ無かったのかよ?!参ったなぁ~くそっ!

 お祖父様、ホント全然役に立たない……」

 と嘆いた。


 反対にエレオノーラは

「まぁ!久しぶりにお会いできますのね!楽しくなりそうですわ~」

 と手を叩いて喜んだ。


 2人の180度違う反応に、シェルビー家の子供達は顔を見合わせる。


 ライリーが嘆くオーウェンの肩を叩いて

「差し支えなければ、僕達に教えてくれないか?

 一体誰が我が家に来られるんだい、オーウェン?」

 と尋ねた。


 その声を聞いたエレオノーラが、ライリーに輝くような笑顔を向けた。


「わたくしがお教えします!

 いらっしゃるのは現フェリーク公であるライモンド伯父様の御令息ですわ。

 あ、ごめんなさい!御令息、ではありませんわね、御令息“方”でした。

 なんと双子でいらっしゃいますのよ。

 今はそれぞれ近衛騎士団と王都騎士団に所属されてまして、近衛騎士団に所属されているのが、兄のマティアス兄様。王都騎士団に居られるのが弟のリュシアン兄様です。

 楽しくてお優しいお2人なんですのよ、わたくし、あの方達に遊んでいただくのが大好きでしたの!

 それにとても優秀でいらして、先生も良くご存じなんですのよ。

 そうですわよね、ディルク先生?」


 エレオノーラは笑顔でディルクに確認する。


 ディルクは顔を歪ませて吐き捨てる。


「ご存じ、な。存じておりたくは無かったが。

 確かに優秀じゃ。たまに奴等の“しつけ”をライモンドとクソジジィに頼まれて、仕方無く引き受けることも有ったんじゃが、小憎たらしい事に奴等、儂の課題を直ぐにこなしておったしな。

 だが奴等の腹立たしい所は別にある。

 奴等……貴族なのにとんでもない輩でな、とにかく破天荒なのじゃよ。

 兄は一応勉強は出来るんじゃが、超がつくイタズラ好きでの。弟は兄より更に勉強が出来て、又発想力が有るもんで色々な物を作り出すんじゃが、それが全て人をからかう為の物ばかりでな。

 奴等の側に居たら何をされるか解ったもんじゃない。

 ライモンドは柔軟な考えの持ち主であるが、どちらかと言えば真面目な方だ。クソジジィの背中を見てきて、自分はああはなりたくないと成長してきた男故、落ち着きもある。

 しかし息子共はクソの血が濃く出よった!

 だからこの森の平穏のため、今までは奴等が何と言おうとライモンドが訪問を許さなかったのじゃ。

 本来ならばこの森の視察自体、領主であるライモンドがすべきなんだが、奴等が

「父上だけ狡い、俺達も連れてけ連れてけ」

 と煩いから、奴等の首根っこをライモンドが抑える為に自身は州都に残り、父のジェラルドに任せるようにしたんじゃよ。

 ここの視察に領主が来ないのは、そう言う情けない事情があったのじゃよ」


 ディルクが吐き捨てる様に話す驚く内容に、シェルビー家の子供達は目を丸くする。


 コレットも苦笑しながら同調する。


「だけど、お2人とも良い子達、いえ良い人達なのよ、本当に。

 私が側仕え見習いの時、初めて未だ幼かったお2人とお会いしたんだけど、何故か妙に懐かれてしまってね。元々ガルシアにも凄く懐いていたらしいんだけど。

 だから私達にはイタズラなんて滅多に仕掛けてこなかったのよ?

 ……1番お2人の被害に遭っていたのは、ジェラルド様よ。似た者同士だからかしらね?

 その後私が側仕えをやめてガルシアに付いてこの森に入ることが決まった時、それを知ったお2人も一緒に行くって駄々こねだして、大変だったの。

 元々神秘の黒き森に並々ならぬ興味を抱いておられたしね。私が森に行くなら、余計に一緒に行きたいって。

 勿論ライモンド様もジェラルド様も、許可なんてなさらなかったわ。

 寧ろ屋敷全体が警戒体制に入ってね。あのお2人が何かしでかすのは間違いないって、使用人も皆戦々恐々になっちゃって!

 結局用心のため、私が屋敷を辞する日の3日前から、お2人は屋敷の奥の離れた2部屋に別々に閉じ込められて、屈強な護衛騎士に扉を見張らせた位よ。

 お2人一緒に居させると、とんでもない手を使うからってライモンド様がおっしゃって。だからお別れは扉越しに申し上げただけなの。

 それ以来、私もあのお2人とはお会い出来ていないのよ。

 今は騎士になっておられたのね~。……騎士団内、大丈夫かしら?」


 コテンと首をかしげるコレット。


 ディルクがスッ……と無表情になると

「……だから別々の騎士団に入団させたのじゃ。同じ団に入れたら、奴等は間違いなくその団内で騒ぎを起こす。奴等は一緒に居させてはならんのじゃ。

 幸い両団の今の団長同士の仲が良くてな。ライモンドが直接両団長と宰相のブライアンに訳を話し、全員の了解を得て 12歳になった奴等を直ぐ様団に放り込んだ。

 その後も奴等の休みが重ならぬ様、小細工して別に取らせ、会う機会を減らし悪巧みを行えないようにしておった筈なんじゃがなぁ……。

 まさか2人揃って直接森に突撃を掛けるとは思いもよらなんだ。

 どうやって休みを合わせたんだか。

 恐らくオーウェンとエレオノーラがこの森に長期滞在するのを知って、我慢が出来なくなったのだろうの。

「俺達は何度言っても行かせて貰えなかったのに!もう、我慢できないっ!」

とか言ってな。目に見えるようじゃわ、全く。

 オーウェン達の情報が誰から漏れたかは、調べるまでもないが……あんのクソジジィめっ!絶対シメる!」

 と、手に持っていた杖をダンッ!と床に突いた。


「先生、床が痛みますので余り興奮なさらないで。

 ですが、お2人はいつまでこちらに滞在するおつもりかしら?

 何だかオーウェンとエレオちゃんが居る間、一緒に滞在するって言いそうな予感がするのよね~。

 はぁ……この家でも騒動が起きそうよ」


 コレットが頬に手を当てて、溜め息を吐いた。


 オーウェンは小さな声で

「何で喋ったんだよ、お祖父様!僕の安息をそんなに邪魔したいのかっ。くそっ、何でよりにもよってこの時に……!」

 と悪態を吐いている。


 エレオノーラは

「ウフフ!素敵になられているんでしょうね、兄様達~。

 見目麗しいのは元々からですし、お会いするのが楽しみですわ~」

 と嬉しそうにはしゃいでいる。


 シェルビー家の子供達は4人で顔を見合わせながら、困惑していた。


(なんか凄く個性的な人達が来るんだ。良い人達だって話ととんでもない奴等って話、どっちが真実に近いのかな?

 どうも後者っぽい予感しかしないんだけど……。

 まぁオーウェンお兄ちゃんもエレオお姉ちゃんも素敵な人達だったし、最初から決めつけちゃダメダメ!

 とにかく明るく出迎えなきゃね)


 ミラベルを見るとクロエと同じことを考えて居たらしく、妹の視線に気付くと照れ臭そうに笑った。


「とにかくキチンとお出迎えしなきゃね、でしょ?」


 クロエも微笑みながら頷いた。


 コレットがパンパンッ!と手を叩く。


「じゃ事情説明も済んだので、今からお部屋の準備とか色々しなきゃだから、手分けしてお手伝いをお願いね!さぁやるわよ~っ!」


 皆も頷いて、招かれざる客“達”を迎える準備に動き出したのだった。

なるべく早く更新します。


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