お正月編 前編
雪が目立つ林の中、15才の少年リオと剣霊の少女カリューが元気よく特訓していた。
「のうのう主人!今日は何の日か知ってるか?」
特訓中の唐突の質問に疑問を抱く。
「いきなりなんだよ、ケーキの特売の日か?」
特訓中普段は話をかけないカリューが話をかけてくるということはだいたい好きなもののことだろうとリオは思う。
「主人....」
ため息をつき人を憐れむような目で見てくる。
「なんだその目は....ゴミでも見るかのような目しやがって、俺そんな大事な事忘れたか?」
今日は何の日かと聞かれてもどうしても何も思いつかない。
「主人....今日は12月31日今年も今日で終わりだぞ?」
カリューは半分呆れていた。
「あれ?そうだっけ?」
誤魔化すように笑いながら聞く。
「そうだ!今日で今年は最後なのだぞ!」
今日で最後........
「....で、何が言いたいの?」
「分かってないなぁ〜。主人は今年にやり残した事とかないのか?」
「今年にやり残した事?」
しばらく首を傾げ考えてみる....
「あー」
「お!主人!なんか思い出したのか!」
「やっぱ今日ケーキの特売「そうじゃなぁぁぁぉぁぁい!」
途中でリオの声がカリューによってかき消される。
「そうじゃないだろ!主人!もっとこう、たとえば.....大掃除とか!」
「メンドクサイ」
即答で断られる。
「そ、そうだよな私もめんどくさい。じゃあ.....あ!そうそう!カレンダーを買うとか!」
「正直いらない、日付はあまり気にしないから」
これもダメときた。
「ん〜。それじゃあ.....宝く「ダメ、賭け事嫌い」
「まだ最後まで言ってないのに!主人!なぜ分かった!?」
「分かるわ!」
「それにしても本当にやりたい事とかやり残した事はないのか?」
カリューが心配そうに見つめてくる。
「人生の終わりじゃあるまいし、やり残した事とかはねぇよ」
「そうか....それじゃあ........」
カリューはそう言うと別空間から何やらポスターを出した。
「主人!これを見ろ!年越しのパーティーだ!この国の城下町の中心でやるらしい。花火とかやるらしいから、行ってみないか?主人は何もないんだろう?」
満面の笑みで目を輝かせながら「行きたい!」ということをアピールしてくる。
(別に何も無いって言っちゃったしな、たまには付き合ってやるか....)
「いいぞ、その年越しのイベント連れてってやるよ」
「主人、今ちょっと心の声が聞こえた気がするのだが、気のせいだよな?」
顔は笑っているが目が全然笑っていない。
「き、気のせいだと思うぞ。お、俺も行きたかったし〜」
「そうか!それはよかった!この服だと少し汚いな、家に帰ってシャワーを浴びてから行くとするか!」
「ああ、カリューが先シャワー浴びていいぞ、剣も磨いといてやる」
「おお!そうか!それはありがたい!では早く帰るぞ!5時からだからな、早く準備して行こう!」