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【01-07】

「そう言って頂けると助かります」

「あの、僕を迎えにってどういうことですか? どうして僕のことを知ってるんですか?」

「失礼しました」

 

 慌てて姿勢を正し、額に手を当てて敬礼する。

 

「自分は武装風委員の委員長を務める。小鬼田こおにだ 函辺はこべです」

「ぶ、武装風紀委員?」

 

 聞いた事もない単語に春乃の声が裏返る。

 

「武装風紀委員第一斑、小鬼田以下十名。本日一日、草陰様の身辺警護をさせて頂きます」

 

 その声に応えるように、函辺の後ろに並んだ九名。

 先ほど、警棒を手にしていた女子四人と男子五人が一斉に敬礼する。

 

「身辺警護って?」

「草陰様が学区の正式な生徒となるのは明日からです」

「そう、ですけど」

「つまり今日は、まだ学区の生徒ではないということになります。そうなると今日一日、ルールの庇護下から外れてしまうのです」

「ルール?」

「この学区のルールです」

 

 ややずれた答え。

 春乃がどう聞くべきか考えている間に、函辺は説明を先に進める。

 

「ルールの庇護下にないということは、また奴らの襲撃を受ける可能性があるのです」

「奴ら? さっきの人達はなんだったんですか。何が目的で……」

「彼らは『ハルベルデ』の構成員です。草陰様の拉致を企んでいたと思われます」

「ハルベルデ?」

「この学区の生徒会に反抗する武装組織です」

「ぶ、武装組織? そんな物騒な連中がどうして僕を?」

「草陰様がまろみ様の幼馴染だからです」

 

 まろみという単語に春乃の動きが止まる。

 

「まろみって、菜綱 まろみ?」

「もちろんです。草陰様とは幼馴染と聞いています」

「え、でも、それって……」

 

 春乃の言葉を始業のチャイムが飲み込んだ。

 

「草陰様、まずは転校の手続きを。その後、まろみ様の所にご案内致しますので」

「そう、ですよね。まずは手続きをしないと」

 

 

                    ※ ※ ※

 

 

 十一学区の生徒は一学年千人。全校生徒は五千人になる。

 

 この学区の卒業者は基本的に陸軍に編入される。

 

 陸軍とは、その名が示す通、陸上戦闘が主とされる軍隊。

 それに加え宇宙ステーションやスペースポートの警備も彼らの管轄となっている。

 

 十一学区の学校施設は中央グラウンドを六つの校舎が囲み、その周囲に外壁。

 上から見れば巨大な正方形の敷地に六角形が入っているという感じになる。

 

 通用門は南側。

 それに物資搬入用の東門と、非常時の避難経路になる北門がある。

 

 各校舎は六階建て。

 通用門から見て奥、北側を第一校舎。その右が第二校舎、続いて第三と時計回りに番号が振られている。

 第一校舎は一年生、第二校舎が二年。以後三、四、五とシンプルに続き、最後の第六校舎は一から三階が職員室。

 四階以上が生徒会の部屋だ。

 

 図書館や体育館、特別教室、それにクラブの部室等は隣接する別の敷地にある。

 

 

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