表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/165

【04-05】

 お弁当は見事な出来だった。かなりの熟練者のはずだ。

 

「難しいけど。あえて問題にするところがヒントだと思うんだ。つまり、想像できない人間が犯人ってことだよね」

「ほう、鋭いことを言うじゃないか」

「そのお弁当を作ったのは、桜木さんでしょ!」

「いや、それはない」

 

 真顔で即答。

 あまりに素っ気無い反応だ。

 

「あいつの料理は私より酷い。カレーすら無理。ハヤシライスが精一杯だ」

「似たようなもんじゃないのかな」

「大違いだぞ。ま、今回は残念賞でブロッコリーをプレゼントだ」

 

 有無を言わさず、春乃の口に押し込む。

 

 歯ごたえを残しながらも、ほっくりとした食感もある。

 最高の茹で具合だ。

 

「正解は凛華だ。あいつ、家事が得意なんだよ。座学も優秀、運動神経もいい。人間性以外は完璧だな」

 

 随分と酷い評価に春乃が微笑む。

 

「あはは。二人は仲良しなんだね」

「まあな。あいつとは幼稚園から一緒、酷い腐れ縁なんだよ。子供の頃のあいつはさ……」

 

 他愛ない話をしている間に、函辺の弁当はあっという間に空になった。

 一方の春乃はカレーパンを食べただけ。

 チョコロールとヤキソバパンが手付かずで残っている。

 

 箸を咥えながら、函辺はパン達に熱い視線を注いでしまう。

 

「ハコベさん、良かったらどうぞ」

「いいのか?」

「ちょっと多めに買ったかなと思ってたんで。それにお弁当を分けてもらったし」

「そうか。じゃあ、お言葉に甘えて」

 

 と、伸ばしかけた手を止め、

 

「来月、身体測定があるんだよな」

 

 ぼそりと呟く。

 

「食べ切れないし。友人を助けると思って」

「そう言われては断れないな」

 

 迷わずチョコロールを選んだ。

 

「甘い。甘いなぁ。チョコクリームは人類文化の至宝だよな」

 

 もぐもぐと噛み締めながら、実に嬉しそうに繰り返す。

 ここしばらくのダイエットによる苦労が如実に解る。

 

「あ、そうだ。ハコベさんに聞きたいことがあったんだ」

「ん? なんだ? 凛華のスリーサイズでも聞きたいのか?」

「男子としては聞きたいところだけど、後で痛い目に遭いそうだから止めとくよ」

「それは正解だ。あいつも警棒が上手い。怒らすと怖いんだぞ」

 

 既に体験済みだとは言えない。

 

「で、聞きたいことって?」

「ハコベさんは、どうして生徒会に? 武装風紀委員長なんて凄い肩書きだし」

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ