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3話

ユキの家から外に出ると外は朝日が昇り、ユキの家に辿り着く前より暖かくなっていた。ユキと歩くいつもの道だが、冬休みの間はユキの家に行き剣の鍛錬をすることはあったが、そこから学校へ向かうことはなかったので久しぶりだ。道の脇にはたんぽぽの蕾が見える。ぎざぎざした葉がライオンの牙に見え、ダンディライオンと呼ばれている花だが、弱々しく名前とは全く逆のような花だ。

一面たんぽぽが花を咲かせた時にユキと一緒に空から眺めたいな。と思うが、空をとぶ魔法は難しいし飛行機は貴族でもなければ持っていないし、プレゼントのお返しには最適だと思ったのだが、考え直す必要がありそうだ。だが、空から見ることはできなくても、今度お弁当を持ってユキとここに来よう。


「どうしたの。考えごと?」


「いや、たんぽぽがもうすぐ咲きそうだなと思って。」


「そうね。去年の入学式の日に一緒に歩いた時のこと覚えてる?去年のたんぽぽはこの時期には一面全部咲いてて綺麗だったよね!。」


「僕もその時のことを思い出してたよ。家を出発する時から咲いてるか咲いてないか少し気になってたくらいに。」


「そうなの?一緒だね。綺麗だったもんなぁ。咲いたらお弁当持って遊びに来ようね。」


「それも僕と一緒のことを考えてるよ。美味しいお弁当を作らなきゃね。」


 ユキは少しびっくりしている様子だったが、気にせず前に進む。学校まではしばらく歩いたところにある。僕達の集落は学校からは少し離れたところにあり、町まで歩いて行かなければならない。町の中に入るとパン屋などの店で賑わっているが、騒がしくて僕はあまり好きではない。


「町につくまでにこの風景をしっかりと堪能しないとね。町も嫌いじゃないけどコッチには勝てないよ。」


「ミキトくんはそういうの好きだもんね。」


「この沢山の人が生活してる町がこんなに小さく見えるのも不思議で面白いよね。」


「そうだね。あの中には私達みたいな人間が沢山いるのに今はもう豆粒みたいだもんね。」


歩いているうちに、太陽が高くなってきて、暖かくなってきた。この時期になると昼間は服をしっかり着ていると暑い。制服だしあまり汗をかきたくないので、上着を脱いで持って行くことにした。制服を脱いでいたところ、草むらの中で葡萄色のものが光ったような気がした。誰かの落とし物でなくなって困っているかもしれない。


「ユキちょっと待っててくれ。あとこれ持ってて。」


 ユキに制服を渡し、草むらにのしのしと歩いて行く。


「え?どうしたの?制服汚れちゃうよ!」


「なにか見つけたんだ!誰かの落とし物かもしれない。」


 離れているので、声を少し大きめにしてユキに返す。腰の高さくらいの草むらに少し入っていったところなのでとても歩きづらい。こんなに草が生い茂っているのに、どうやって反射した光が僕の目に入ったのだろうか。傍から見たら茂みで遊んでいる16歳なので、早めに見つけたい。と思って探していると、不自然に草が途切れている場所に気がついた。そこへ向かってみると、見つけた。二つの手のひら大の大きさの石。手に取ると青白い方の石がわずかに輝いた気がする。だがしかしこの辺一体は草が無いのはなぜだろう。この石と関係があるのかしばらく考えたが、わかるはずもなく、石の観察などもしたいがユキが心配しないように早くユキの場所に帰ることにした。


「とってきたよ。手で握るのにちょうどいいくらいの大きさの石が二つ。草むらの中に落ちてた。さっき手にとったら少し光った気がするんだけど・・・」


「もー心配したよ急に変なことするから。それよりその石を見せて?お父さんが扱ってる、様な石では無いと思うよ。きれいな石だね。お父さんも扱わないような高価な石なのかな。それより触らせてもらってもいい?」


「いいよ僕のものでもないし。魔力を貯められる特別な石ではないのか。これはただの宝石かな?」


 と言いつつユキに適当に選んだ葡萄色の石を渡す。と、ユキの手に触れた瞬間葡萄色の石が今度は確かに輝いた。


「また輝いた。」


「また?」


「さっき僕が青白い方に触った時、この石が光ったような気がしたんだ。気がしただけかと思ったら、また光ったから間違いじゃないと思う。」


「そんな石聞いたことがないわ。きっと貴重な石なんだよ。先生に聞いてみよ!」

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