表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/37

二、代理は仲間に入りません。


 第二試験に入る前に、まずは作戦会議です。

 四人は集合かけて集まってくれたのですが、どうしても一人来てくれません。

 僕の勇者としての力量が問題でしょうか? 

 それとも──


「作戦会議?」

「うん。みんな集まっているからリクさんも来てくれると助かるんだけど」


 リクさんは相変わらず屋上で魔弾銃を構えていました。

 僕は彼女の邪魔をしないように──以前、彼女の背後に近づいたら銃口を向けられたので──リクさんからある程度距離を置いた背後からそっと声をかけてみました。

 彼女の返事はいつも素っ気無い。


「行かない」

「いや、えっと……」


 僕は困りました。彼女のお兄さんであるクレイシスさんがこの場に居てくれたら助かるんですけど、僕は勇者志願者なのでいつまでも甘えるわけにはいきません。仲間をきちんと集めることも勇者の大事な仕事なのです。


「あの……リクさんが来てくれないのは、僕に勇者としての力量が足りないからですか?」

「それもある」


 そこはオブラートにお願いします。僕は背を向けてしみじみと泣いた。


「嫌いなの、私」

「僕がですか?」

「群れて生活するのが嫌いなの。だから行かない」

「でも僕たちは仲間です。仲間なら作戦会議ぐらいは参加してください」

「作戦は兄さんから聞くわ」

「ダメです!」

「じゃぁ私の代理を行かせるから。今回はそれでいいよね?」

「……」


 まぁたしかに。行きたくないという女の子を無理やり連れていくのは、かわいそうな気がしてきました。


「わかりました。じゃ今回だけ特別ですからね」


 そう言って引き下がる僕は、勇者失格なのでしょうか?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ