四、それってヤバくないですか?
僕は教員室に呼び出されました。
カルロウ教師のお告げです。
「山田。第四試験は護衛だ」
僕は元気良く手を挙げて質問しました。
「はい、先生」
「どうした? 山田」
「誰をどこにどのように護衛ですか?」
「いい質問だ、山田」
「いえ普通です」
「アップリナ大公の娘──イリア嬢が隣国でサマー・ライブを決行するそうだ。その会場までの護衛だ」
「先生。突っ込みどころが多すぎます」
「そこは流せ、山田」
「では先生。とりあえず彼女についていってあげればいいんですね」
カルロウ教師は僕の肩にぽんと手を置いて同情します。
「頑張れ、山田。これを乗り切ればきっと良い事があるはずだ」
「先生。すごく嫌な予感がします」
「気のせいだ、山田。道は辛く険しい。どんな敵が現れようと気をしっかり持て」
「え? ただ汽車に乗ってついていくだけですよね?」
「馬鹿言うな、山田。乗り物は汽車じゃなく馬車だ。イリア嬢は馬車がお気に入りだ。汽車ならば民間の護衛企業も断っていない」
「どんだけデンジャラスな冒険させる気ですか?」
「ちなみにこれができれば進級だ。お前が断るならば他の勇者志願者に頼むが?」
「やります、先生」
よし。すぐに作戦会議を開こう。
イリア嬢にはなんとしてでも汽車に乗っていただくんだ。